夕べは待ちに待ったコンサート。
ネストル・マルコーニ×三浦一馬 『極上のタンゴ』と題されたタンゴの夕べだった。
個人的には
ヴァイオリニスト石田泰尚を追っかけている内にピアソラの曲が大好きになり、
ピアソラにはまる内にバンドネオンの音色に魅せられ、
延長線上でバンドネオン奏者三浦一馬も追っかけるという構図だが、
その三浦一馬の師匠がネストル・マルコーニというわけだ。
今回は師匠(マエストロ)ネストル・マルコーニが来日して
2日間、有楽町朝日ホールで東京公演が行われた。
2月頃、新聞に先行発売の広告が載って、速攻、チケットセンターに電話したところ、
なんと前から2列目のど真ん中の席が取れてしまった。
有楽町朝日ホールなるホールには初めて行ったが、
先ず、銀座の真ん中にこんなホールがあることにビックリ。
朝日新聞社の本社社屋の11~13階なのだが、古いタイプの多目的ホールで、
椅子は真っ赤なビロード貼り。
客席数も400ぐらいの中規模程度のホールだ。
そこにかなり年齢層高めのお客様が詰めかけ、場所柄かみんな、かなりオシャレ。
右となりは石田様を私に教えてくれたピアノ教師の友人で、
左となりは70代の裕福そうなご夫婦。
聞くともなく話を聞くと
おふたりで歌舞伎や演劇、コンサートに出掛けるらしく、文化水準高めのご様子。
それでも神奈フィル・コンマスの石田泰尚を見たのは初めてらしく、
「あの人見た目はヤクザみたいだけど、演奏している時の姿がかっこいいわね。
それにとっても上手」と、休憩時間に話していたので、
それにとっても上手」と、休憩時間に話していたので、
私は内心『そうでしょ、そうでしょ』と思っていた。
タンゴのセッションは通常、キンテートという五重奏で行われるが、
今回はマルコーニと一馬君の2台のバンドネオンという贅沢な六重奏。
しかも、一馬君はほんの3メートル先の真正面にいて、手を伸ばせば届く距離。
バンドネオンは座って弾く楽器なので、
横に長い譜面台の上に一馬君の顔と胸、譜面台の下に一馬君の足が見えている。
もっといえば、
タンゴはかなり切ない曲想が多いので、
目をつぶったり、反り返ったりする一馬君の切なげな表情もすぐそこにあるし、
演奏中に楽器を腿の上に乗せているため、
動かすことの多い膝から下の足や股間も、すぐそこにある。
動かすことの多い膝から下の足や股間も、すぐそこにある。
私は育ちのよさそうな一馬君の顔だちも好きだが、
何より足の筋肉のつきかたのきれいな人だなと思っているので、
細身のパンツに浮かび上がる美しいふくらはぎに、密かに萌えてしまった。
一方、石田様はといえば、
とにかく新しいヴァイオリン(1700年頃イタリアで製作された名器らしい)を携え、
ノリノリ。
ノリノリ。
演奏中はヴァイオリンのソロパートも多く、
会場のお客さんもマルコーニも石田様の演奏に驚き、かつ、酔っているのがわかる。
最近手に入れたばかりのヴァイオリンは音色が華やかでよく謳う子なので、
石田様の超絶技巧もますます映え、
本人も得意満面だ。
マルコーニさんは静かな人で、派手なパフォーマンスをする人ではないが、
タンゴに対する愛情と情熱がじわじわにじみ出るタイプ。
それを一緒に演奏している日本人アーティスト5人がいずれも尊敬し、
敬愛していることがこちらにも伝わってくる、そんな演奏だった。
曲目は1部がクラシック・タンゴで2部がモダン・タンゴ。
1部で私や友人が知っていたのは「ラ・クンパルシータ」だけ、
2部もピアソラ作曲の3曲だけだったので、
全体に目新しい曲ばかり。
マルコーニさんが作曲した数曲は特に初めて聴く人も多かったと思うが、
その幻想的で扇情的な曲の数々は
アルゼンチンというまだ見ぬ異国に私達日本人をいざない、
想像をかき立てるに十分だった。
想像をかき立てるに十分だった。
ここ半年、大学の生涯教育講座でかじりだしたアルゼンチンタンゴが、
今までより身近に感じられ、
とりわけ、1部の曲目のいくつかは踊りたいという衝動を突き動かし、
ますますタンゴへの興味を喚起してくれた。
演奏活 動10周年とはいえ、
弱冠25才の可愛い一馬君とおじいちゃんのような師匠マルコーニ、
新しい恋人(ヴァイオリン)が可愛くてしょうがない石田様、
後ろでいい味だしてるコントラバスの岩ちゃんこと黒木岩寿さん、
いつもはクラシック畑なのにジャジーで軽快な演奏のピアニスト山田武彦さん、
このメンバーの中では寡黙で影が薄いギターの大坪純平さん。
完全に個性が際だっていた石田様と
深い愛情に包まれた師弟のふたり、
それを支える3人という6人編成。
日本での『極上タンゴ』はこの6人で紡がれ、
夕べ、会場にいた老若男女というか老々男女は
音楽の神様の降臨で、幸せで温かな気持ちに包まれたのであった。
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