長女が子どもを出産し、退院後に我が家に来てから1ヶ月以上の月日が流れた。
その間、産後の肥立ちのことを考えて、
先ずはゆっくり娘の体を休め、回復を促し、健康によいものを食べさせ、
お乳の出を心配する日が続いた。
お陰様で母乳の出も順調になり、
赤ん坊の成長も著しく、今週末に娘は自宅へ帰る予定になった。
そうなると、次なるミッションは
娘が自宅で母親としての務めを果たすことにシフトする。
今の女性は結婚しただけでは、なかなか主婦というポストに収まらない。
最近の女性は働くのが当たり前、
従って、家事が女性の担当だという意識もなく、
食事作りが自分の役割だとも感じていないらしい。
娘のところも、夫婦が仕事に出掛ける時間や帰宅時間がバラバラな上、
娘もハードワーカーだったため、
料理は自分の分は自分でみたいなルールになっていた様子。
しかし、子どもが生まれたとなると事情は違ってくる。
今はまだ乳飲み子に乳を与えるだけが子の母親としての食事当番かもしれないが、
近く、家族のきちんとした食事を作れるようにならなければ、
家族の健康は維持できない。
そこでオーママの役目として、
実家から巣立つ前に、何品かの家庭料理を伝授することが必須課題となった。
それは娘といわず、婿といわず、
得意な者がこなせばいいというか、
時間があるものがするという現代の風潮にのっとって、
ふたりに向け、課すことになった。
これまでに
「親子丼」「煮込みハンバーグ」「サバの味噌煮」「かぼちゃの煮物」
「枝豆はんぺんバーグ」「スペアリブの黒酢煮込み」「ポテトのチーズ焼き」
「ひじきの煮物」「春巻」などを伝授した。
最後の仕上げは
「オリジナル餃子」
我が家の餃子は白菜ベースで作る。
他にニラや長ネギは勿論のこと、にんじんと生しいたけが入るのが特徴だ。
豚挽肉500㌘を基準に大量の野菜を投入し、あんを作る。
実は長女はにんじん嫌い。
次女は生しいたけ嫌い。
そんな嫌いな野菜も餃子の具に入ってしまえば、避けようがない。
子どもの野菜嫌いを克服させる方法として編み出したオリジナル餃子だったが、
今では生しいたけの香りとにんじんのつぶつぶ食感が特徴の
我が家のおふくろの味に成長。
独立した娘達の帰省時リクエストナンバー3ぐらいにランクインしている。
それを、今度は自分達で作れるよう、
ふたりにキッチンに立ってもらうことにした。
先ずは包丁使いがへたっぴ~な長女に膨大な量の野菜のみじん切りを、
次に婿に肉の錬り方と味付け、野菜との混ぜ方を指南した。
ちょうど、そのあたりでベイビーがぐずったので、
娘があやす係になり、
ダイニングのテーブルに婿と私が対面で座り、
黙々と餃子のあんの皮包み。
婿は手先が器用で、上手にひだを作りながらあんを包んでいく。
考えてみれば、婿殿とふたり、対面でこんな風に作業するのは初めてかも。
共通の話題に乏しいふたりにとって、いいコミュニケーションの機会になった。
モチ米入り大判の皮2パック分を包み終え、
最後に焼きのコツを伝授。
そのためにオーママは新しいフライパンを購入し、
この日に備えるという熱の入れよう。
何しろ、餃子はテフロンの効きが命。
古いフライパンでは焼き上がりがパーフェクトにならない。
大小2つのフライパンを駆使して、大量の餃子を一気に焼き上げ、
事前に用意の焼きトウモロコシ、空心菜の中華炒め、枝豆、わかめの中華スープを
リンビングに運び、
最後に焼き上がった餃子を並べて、無事、餃子ディナーの完成だ。
焼きたての我が家の味に、みんな、ウンウンと納得の笑顔で、
餃子と共にビールを飲み干す至福の時。
こうして、歩きだした新米ママのため、
熟練ママの持てる技は徐々に伝承されていく。
後は「キッシュ」と「けんちん汁」を覚えたいという娘のため、
どのタイミングで教えるか算段するオーママなのであった。
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