すごく久しぶりにトリオ・リベルタのライブに行ってきた。
場所は関内にあるKAMOME Live mattersというライブハウス。
いつもなら、彼らの演奏は、300~400人ぐらい入るコンサートホールで
行われることがほとんどなので、珍しい形のコンサートということになる。
ライブハウスとコンサートホールの違いは、まず、その大きさにある。
ライブハウスは全部の広さが40畳ぐらいしかないから、
収容出来るお客さんも50名ぐらい。
先ずは食事をする時間が1時間あり、
お客さんは飲食をした後なので、リラックスした気分で演奏を聴くことが出来る。
更に、演奏者はお客さんと 同じ高さのフロアーで演奏する上に、
お客さんはテーブルを囲んだ低い椅子、
もしくはバーカウンターなどにあるスツールに座って、間近で聴いているので、
目の前の演奏者からダイレクトに音が飛んでくる。
今日は、友人が24と25番目という整理券をとってくれたので、
かなり早くに会場入り出来、演奏者とは4~5メートルの距離の席を確保出来た。
特にお目当ての石田様とは4メートルぐらいしか離れていない。
私達の前には1グループいるが、低い椅子に座っているので、
1段高いスツールに座っている私の体には、目の前の石田様のバイオリンの音が、
音のバイブレーションと共に臨場感をもって伝わってくる。
ライブハウスは天井も低いので、音響効果としてはホールより響いて
音の雑味のようなものまで拾ってしまい、
それがかえってライブ感というか、人間臭さを感じさせて、
ファンとしてはたまらない。
曲目は前半はクラシックを編曲したものから始まり、
いわゆる映画音楽に使われた物語のあるムーディな曲が続いた。
1番よかったのはミシェル・コロンビアの『エマニュエル』
3曲目だったのだが、そのあたりからのってきているのが手に取るように分かり、
石田様の少し紅潮したほおを、気恥ずかしいような気持ちで眺めてしまった。
ここ2ヶ月は子育て支援に埋没していたため、
仕事と趣味のお稽古しか自分のことはしてこなかったので、
溢れる音のシャワーを浴びて、
徐々に自分はこんな時間が好きだったということを思い出した。
休憩を挟んで、後半は前半より少しエロティックな大人の曲でという紹介があり、
「死刑台のエレベーターのテーマ」からスタート。
2曲目は「ラストタンゴ・イン・パリ」
3曲目は「ロクサーヌのタンゴ」
後半は石田様も演奏中だというのに、1曲終わるごとに白ワインを口にして、
会場の女性ファンが「ちょっと飲み過ぎじゃない」とざわめくほどに飲み干して、
首からほおまでピンク色に上気している。
どこかの組長風情の強面がウリの石田様が
目の前で次第に酔っていくのが見られるのは、ライブハウスだからこそ。
後半の後半はトリオ・リベルタの十八番ピアソラの曲が数曲続いた。
私もスツールの上でスイングしながら、まるでフロアーで踊っているような気分。
すっかり忘れていたタンゴのリズムに身を任せ、
仮想空間でダンスする。
妄想癖のある私はドレープのたくさんよったドレスに身を包み、
軽やかにステップを踏む度、ドレスの裾が翻り、胸元のスパンコールが光る。
「嗚呼、すこし前まで、タンゴのレッスンに通っていたのになぁ・・・」と
すっかり遠のいてしまったタンゴの世界を思い出した。
アンコールの最後には写真撮影も許されたので、
久々に拝んだ石田様をアップで連写。
一緒にいた友人も思わぬファンサービスに嬉々としてシャッターを切っている。
夜、コンサートやライブに出掛けるという楽しさを久々に取り戻し、
「また行きましょうね」と約束して、駅の改札で別れた。
夜道を歩きながら、エンドレスで「リベル・タンゴ」の曲が浮かんで、
「そうよ、私は自由なんだわ」と思った。
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