2020年3月29日日曜日

外出自粛の週末






週末、外出を自粛するように首都圏の知事から要請が出されて、
2日目。

1日目の昨日は
長女のところの引っ越し当日だったので、
緊急かつ必要不可欠と判断して、
いろいろ差し入れの料理を携え、出掛けた。

しかし、2日目の今日は
折しも外は雪。

もう、3月下旬だというのに、
横浜でも少し積もるぐらいの雪が降り、
とにかく寒いので、
1日中、ストーブをつけ、家にいることにした。

明日はまた、引っ越し後の在宅勤務が始まる長女のため、
ベビーシッターをしに、
長女宅に出かける予定だ。
(孫の新しい保育園はまだ始まらない)

雪が降ったのは東京も同じなので、
長女夫婦達も今日は家からほとんど出られず、
整理棚や生活に必要な小物類を買いに行くことができずにいる。

ガスや電気、水道は引けたが、
以前と同じにキッチンが使えるまでには至っていないだろう。

そこで、
今日は明日の差し入れとして、
長時間煮込みが必要な「スペアリブの黒酢煮込み」と
「レンコンのきんぴら」をつくることにした。

なにしろ時間が有り余っているので、
時間のかかる作業で持て余した時間を有効活用しなければ。

本当なら、4月6日からの個展があれば、
今日は何をして、明日は何をしたはず、
みたいに考えると気分が落ちるので、
個展に関しては当面、考えることを自粛。

中止ではなく、延期なんだからラッキーと
自分を慰め、
気持ちを切り替えることが肝心だ。

それより、
こんな時期に引っ越しすることになった長女達、
特に新しい家が気に入った様子ではしゃいでいる孫の
ケアをして、
2歳児が新しい環境で、不安感などにさいなまれないよう
明るい環境作りのお手伝いをすることにした。

そのためにばぁばができることは
シポリンの好きなものを作って、
たくさん食べてもらい、
今までと同じ食環境を提供し、
健康面と肉体面を支えることだと思っている。

明日、
はじめ人間ギャートルズ(古!)みたいに
スペアリブにかぶりつくシポリンと、
「これ好き」と言って、
ショリショリ、レンコンを食べるシポリンの姿を
思い浮かべ、
今日は一日おとなしくキッチンにいようと思う。



2020年3月28日土曜日

引っ越しの手伝い







コロナ騒ぎの真っただ中、
長女の家族が新しい家に引っ越した。

新築のマンションを購入したので、
引っ越しの日程も業者さえ決められて、
昨日、元の住まいから荷物を出し、
今朝8時には新居に荷物が到着した。

私は孫のベビーシッターと
ご飯の差し入れ係を仰せつかった。

不要不急の外出は自粛するよう要請は出ているが、
緊急かつ必要な事案として、
出動することにした。

前の晩から、大量のポテトサラダを作り、
ゆで卵をゆでた。
そして、朝から1キロ近くの鶏のから揚げを揚げ、
ほうれん草とえのきのお浸しをこれまた大量に仕込んで、
大荷物になったので、
ダンナに車を出してもらった。

途中、デパ地下の美味しいおにぎり屋さんで、
5人分のおにぎりを買い、
いざ、新居へ。

横浜市から品川区まで、
道は国道15号の1本道。
さすがに外出禁止令が出ているので、すいている。

長女からは「志帆が邪魔すぎる。早く来て~」と
悲鳴にも似たメールが届いている。

到着すると、にこにこ顔のシポリンが
段ボールの山の向こうで迎えてくれた。

2歳児にとっては、いつもとは違う環境だし、
引っ越し業者が出入りしたり、
新しいおうちに連れてこられたりで、
冒険ゲームのような感覚なのだろう。

一方、トト(パパ)とママはやることが多すぎて
すでにお疲れモード。
特に、大して役に立たないママに
「あれしろこれしろ」とこき使われているトトは大変だ。

私も妊婦の時に初めての海外転勤を経験したし、
長女がシポリンぐらいの時や
娘がふたりになってからも転勤の荷物づくりと荷解きを
何度か経験した。
いずれも、親の手など借りずにひとりで頑張ったのだが…。

もともと整理整頓が苦手な長女は
文句ばかりたれて、
一向に荷解きがはかどらない。

ママの指示を待っていたのでは埒が明かないので、
勝手に段ボールに書かれた中身をチェックし、
中身を納める場所に近いところに持っていき、
段ボールを開梱することにした。

引っ越し荷物を早く片付けるコツは
さっさと段ボールの中身を出して、
段ボールをたたみ、
段ボールの山をなくすこと。

箱の中身を見える化して、
納める場所の近くで中身を出し、
梱包材などは小さくたたんでコンパクトなごみにする。

食器は新聞紙にいちいち包まれているし、
タオルがクッションとして使われているので、
特に食器類の箱をやっつけると
すっきりする。

しかも、その作業にシポリンを駆り出す。

一緒に新聞のしわを伸ばしたり、
タオルを畳んだり、
段ボールをぺしゃんこにしたりするのは、
楽しいらしい。

新聞紙の中から自分の食器が出てくると
「しほのお皿が出てきた~」と嬉しそうだし、
「ととがビールを飲むコップだ~」
「おーママのご飯のお皿でしょ」などと、
まるでひとつひとつ宝さがしの様相だ。

そして、段ボールを触ると
手の油を持っていかれて、手がかさついたので、
「お手手がガサガサになっちゃった?」と訊くと、
大好きなハンドクリームを私のポーチから取り出し、
満面の笑みで手の甲に出した。

すっかり話が通じるようになったし、
女の子としての身だしなみもばっちりだ。

続けて、ポーチから
お決まりの粉白粉と口紅も取り出し、
検診のための小児科にお出かけ前のメイク。

決して口紅を出したまま、キャップを閉めたり、
おしろいや口紅を
塗りたくったりしない。

志帆はハンドクリームもちょこっと出す。

だから、よくありがちな
子供の仕業に悲鳴をあげるような
悲惨な状況にはならないから、エライ。

ママは「邪魔すぎる~」と嘆くが、
一緒にゲーム感覚でお手伝いしてもらえば、
どうということはない。
しかも、十分役に立つ。

まあ、たまにしか相手をしないばぁばだからこそ
できる技かもしれないが、
子育てはもっと楽しんでやってほしいものだ。

これから1週間ぐらいは
荷物の片付かない雑然とした空間の中で、
落ち着かない生活だろう。

でも、コロナの暗いニュースばかりの中、
新しい生活を始められる幸せをエンジョイしてほしい。


2020年3月26日木曜日

個展 中止決定




昨日まで、やる気満々だった個展だが、
昨夜の小池都知事の会見を受け、
急遽、中止することにした。

展覧会場の側から要請があったわけではないが、
今の東京はお客様に見に来てほしいと言える状況ではない
そう自分で判断した。

今朝、絵画教室へ向かう車の中で聞いたラジオのニュースや
絵画教室のメンバーと話す中で、
「これはもう辞めた方が賢明だ」
そう心が決まった。

画廊に電話した時、
最初はびっくりした様子で
即断できないと言っていたオーナーだが、
会話の途中で来年の予定表を見ながら、
「4月12日からの週を空けますから、
1年延期ということにしましょう」と提案してくれた。

3年近くは待たされる画廊なのに、
1年だけの延期で日程が取れるなんて、
本当にラッキーだ。

しかも、4月12日は私の誕生日。

電話をかけた時は個展の話そのものがなくなるのではないか。
作家側が言い出せば、キャンセル料が相当かかるのではないか。
延期を言い出しても、3年先ではないかなど。

危惧されることはいくつもあった。

しかし、たった1年先のしかも自分が欲しがっていた
4月。
更に、初日が自分の誕生日。

今の世の中の状態から言ったら、
望むべくもない好条件の延期案だ。

もし単なる中止だったら、
立ち直るのにどれだけかかっただろう。

コロナに完全に打ちのめされていただろう。

私の個展は6年越しのオリンピックになってしまったが、
また、新しい作品を少しは創って、
新しい会場レイアウトを考えようという気持ちになってきた。

ぽっかり空いた4月6日からの週だが、
きっと今日の状況より、
悪い方向に進んでしまっているだろう。

誰もこない個展会場でうつろに人を待つより、
絶対、これは正しい判断だったと思っている。

すでにメールやLINE、face bookから
温かい励ましの言葉をたくさんいただいた。

その宝石のようなメッセージを胸に、
もう1年頑張ろうと決心した
版画アスリートきみのである。


2020年3月25日水曜日

展示の準備万端








週末から来週にかけ、娘のところの引っ越しが始まり、
ばぁばはベビーシッターと飯炊きに駆り出される。

4月1日からはカウンセリングで借りている討議室の貸し出しが
復活するので、
カウンセリングの予約がぎゅう詰めだ。

そんなわけで、
世の中は、毎日毎日、コロナウィルスの話題で持ちきりだが、
私は粛々と個展の準備の最終段階に入った。

今日はまず、展示予定の作品を全部アトリエに出した。
大小合わせて26点。
中身を確認しながら、大きさ順に並べてみた。

展示品は額に入った作品ばかりではなく、
棚に置く本(装丁に私の作品を使用)4冊と棚もある。

オープニングパーティが行われるかすこぶる怪しいが、
なるべく個々に盛り付けてお出しするための
紙コップやミニカップ、大皿・小皿、お箸などの
使い捨て食器。

お茶出しに使用するお茶類とチョコレート。

作品一覧表やお買い求めいただいた時に必要な各種アイテム、
芳名帳に必要な太字のペンなど、
細かくて多岐にわたる文房具類。

今、揃えられるすべてのものを
アトリエに並べて「見える化」した。

まだ、次女に注文したキャプションと、
工房で先生が焼成してくださるのを待っている湯呑み、
お菓子を盛る菓子器(自作の陶器)など、
揃っていないものもいくつかある。

また、ワインやビール、ウーロン茶などは
オープニングパーティがどんな形にできるのか、
はたまた、全くできないのか、
そのあたりが決まらないと本数が決められない。

いつでも大量に持ち込めるよう注文もしたし、
パーティメニューなども考えてはいるが、
何しろ毎日、世の中の状況がかわるので、
今からスタンバイはできない。

テレビのニュースで、
イタリアの病院の悲痛な様子や、
棺桶がずらりと並んでいる光景を見た。
封鎖されたニューヨークやパリの街の映像が映ると、
来週・再来週の東京はどうなっているのか、
予想できない。

都市封鎖になるようなことだけは辞めてもらいたいが、
今はオープニングパーティは
自粛もやむなしかもと思っている。

とにかくここに並べた作品群をお披露目せずに
押し入れに戻すような事態にだけはならないでと
心から願っている。

先程、face bookに個展の告知と
案内状と揃った作品の写真をアップしたら、
たくさんの「いいね」スタンプが返ってきた。

住所を知らない方や、お目にかかったことのない方まで、
たくさんの方が「いいね」を押してくださることで、
パワーをもらった気がする。

外は春真っ盛り、
私が大好きなご近所の紅白梅が満開だ。
青い空に鮮やかなコントラストを見せ、
光り輝いている。

この週末は
浮かれて花見の宴を開きたくなる気持ちをぐっとこらえ、
静かにお散歩花見を楽しみながら、
2020年の特別な春を満喫しよう。

私は娘の新居のすぐ側に
桜のきれいな公園があるらしいので、
それを横目に引っ越しの手伝いをすることになるだろう。

なにごとも
今は、粛々と…。


2020年3月22日日曜日

個展用湯呑の釉がけ








1か月半ぶりに陶芸の工房に出かけた。

私の通う工房は2か月に1度の決められた週にしか、
釉薬をかけて、本焼きに出すことができないので、
間が開いてしまった。

日曜日は午前中しか工房は開いておらず、
しかも、メンバーは全員、男性。
時間は9時から12時半。

50~60代の働いている男性が中心で、
おばさんチームと違い朝9時きっかりには
席について作業に取り掛かっている。

9時2分について「皆さん、早いですね」と言ったら、
「時間を買っているようなもんですからね」と、
さすが、現役で働いている男性らしい答えが返ってきた。

おばさんチームだと、
「休みの日の9時になんて工房に来られないわ」と
10時頃に集まるのが常だ。

さて、今日の私の作業は
素焼きの出来上がった器に釉薬をかけ、
本焼きに出すこと。

工房に到着してみると、
少し前に造った器21個がすべてきれいに
焼きあがっていた。

『こんなに大量に造ったかしら』と自分でも驚くが、
種類としては2種類、
お正月に親族が集まった時に使えるよう
親族の数だけ揃った小鉢12個と、
個展のお茶出しに使うつもりの湯呑9個。

いずれもひとつも欠けることなく、
ゆがんだりもせず、いい感じに焼きあがっている。
同じものを複数、手びねりで造るのは難しいのだが、
ここ1年ぐらいでだいぶ上達したと自画自賛。

小鉢には、黄瀬戸2号と茶そば。
湯呑には、黄瀬戸2号と織部と失透という白を
それぞれかけるつもりでイメージを固めてきた。

ずぶがけといって1色の釉薬をシンプルにかけるわけではないので、
まずは4種類の釉薬を丁寧に攪拌するところから始まる。

1種類につき、15~20分、
立った状態で、
モーターがブルブル回っている重たいグラインダーを持ち、
ピストル式のスイッチを押し続けていなければならない。

ちょっと気を抜くと、
バケツの中の釉薬が外に飛び散り、とんでもない惨事になる。

4種類のうち2種類は他のメンバーが使うことがわかったので、
自分では黄瀬戸2号と茶そばの2種類だけ
攪拌することになった。

攪拌はなかなかの重労働だ。
それでも何食わぬ顔でその作業をこなし、
4種類の釉薬をかけ分け、
乾いてから、高台の底についた余分な釉薬を削り落とし、
特段、トラブルもなく、3時間半で作業は終了した。

この後、先生が週末から週明けにかけて
本焼きをしてくださるというので、
器は来週の木曜日に車で引き取りに行き、
湯呑は個展会場で使用するつもりだ。

(ついでにワイン好きの先生にリーズナブルなワイン、
赤3本白3本をネットで注文してもらったので、
それもこれもの重いものを車で運ばなければならない)

私にとっては
湯呑とか菓子器のようなものも自分で手掛けた作品なので、
個展の展示作品と同じような意味がある。

いつもは作業の曜日が違うので会わない日曜男子メンバーも、
今日、聞けば、個展には来てくださるようなので、
同じように器を造る陶芸仲間として、
版画作品以外の湯呑や菓子器なども目に触れるとなると、
紙コップというわけにはいかない。

つい先日、お茶出し要員としてお願いしていた友人が、
コロナの影響で来られなくなり意気消沈していたのだが、
別の友人が急遽、月曜日と木曜日は来てくれることになった。

これで、水曜と土曜もカフェ要員が確保できているので、
6日間の内4日は
準備したお茶スタイルでお迎えすることができる。

コロナウィルスの襲来で、ズタズタになったかに思えた個展も、
ひとつずつ救いの手が現れたり、
何とか計画通りに遂行できることになったりして、
ようやく自分らしい形が整ってきた。

あとは最後のアイテムとして、
次女の制作するキャプションが揃えば、
4月4日に搬入と飾り付けをし、
そして6日の初日を迎えるばかりだ。

これまで個展に注いだエネルギーが、
どんな感想になってかえってくるのか、
今日はだいぶ前向きな気分が戻ってきている。


2020年3月19日木曜日

高額マスク入手



コロナウィルス対策の重要アイテムのひとつがマスクだが、
一向に手に入る気配がない。

政府も大量増産を指示し、
24時間フル稼働で作っているらしいが、
まずは医療関係者のところにいくことが決まっているので、
いつ、一般人の手に入るのかは
全くの未定だ。

我が家のマスク備蓄も
以前、花粉症対策で箱で求めた60枚入りが、
残り15枚ほどなので、
そろそろ心配になってきていた。

毎日、街に出てはドラッグストアやスーパーマーケットや
コンビニを覗く度、見てみるが、
必ずスッカラカンの棚の前に
「マスクは入荷未定です」の紙をみつけることになる。

次女からも
「そっちではマスク売ってる?
もうそろそろ手持ちが底をつくんだけど・・・」と
泣きが入っている。

1日15時間もつけっぱなしで仕事をしている次女に
「2日間、使いまわしたら?」というのは
酷な話らしく、
確かにそんなの私も嫌だと思える。

そんな折、
政府が「マスクの高額転売禁止」という
お達しを出した。

その前々日、
私は「ネットで買うとしたら、どんな状況かな」と思い、
検索したところ、
品切れ品切れの文字の中に「残り少量」の文字を発見した。

いかにも怪しいと思ったが、
詳細を見てみると
「50枚入りで1箱4580円(送料210円込み)」

1枚約90円。

以前、この手のものがドラッグストアでいくらだったか、
しかとは思い出せないが、
5倍ぐらいの値がついているのではないだろうか。

製造と販売は日本の会社で
大阪市の住所が書いてある。

さんざん迷ったが、背に腹はかえられない。
いつ入手できるか分からないものに戦々恐々としながら
毎日を過ごすよりはいいと思い、
プチッとクリックしてしまった。

次女に
「高いけど買ったから、届いたら半分、分けてあげるね」と
LINEしたら、
「大丈夫?本当に届く?」と
怪しいものに手を出した愚かな母親扱いの返信が来た。

そんな『プチッと事件』の直後、
いつものネット通販の段取り通り、
「注文承りました」というメールが届いたが、
但し書きで、「マスクは入荷が遅くなっています」の文字で
こちらの不安をあおってきた。

しかし、そんな不安をもみ消すように、
そこから3日、今週の火曜日、
無事に高額マスクは手元に届いた!

箱をぐるりと見回すと、
製造元と販売元は同じ会社で
大阪市にある。
中国製とかMADE IN CHINAの文字は見当たらない。

しっかし、日本で製造しているものや、
日本の有名どころの衛生用品の会社が中国から輸入しているものは
すべて入荷未定のはず。

この会社は中国に製造工場を持っていて、
ようやく中国の製造ラインが再開したのだろうか。

とにかく、現実には手元にマスクの箱が届いた。

なんだか慎重になって、恐る恐る箱を開けた。
水色と白の不織布の三重構造のマスクが
箱いっぱいに詰め込まれている。

その一番上に小さな紙片が載っており、
中国語で何やら書いてあり、ハンコが押してある。
検印の紙片のようだ。

やはり中国で製造したものを
大阪の会社が輸入したか、
この会社が中国に工場を持っていて製造したものを、
ネット販売したものと思われる。

これを高額転売と呼ぶのか分からないが、
通常の価格ではないことは明らかなので、
「高額転売禁止」の網に引っかかると、
こうしたものもネットから姿を消すのかもしれない。

もしくはいきなりのダンピングで正常価格か。

1枚90円のマスク。
それを高いとみるか安いとみるかは
人によって意見が分かれると思うが、
安心を4580円で手に入れたと思えば、
この世の中の状況の中、
無事、手に入ったんだから、良しとしよう。

今年の初めに
誰がこんな2020年を予想できただろう。

全世界がウィルスに襲われるなんて
SF恐怖映画のようだ。

見えない敵と各国がどう戦うのか。
感染者数と死亡者数を比較して、
そのお国柄の違いや政府の対策の評価で
まるで別のオリンピックみたいになっている。

今日の日本はどうだ?

ぽかぽかの4月下旬の陽気に誘われ、
昨日、横浜の桜も開花宣言が出された。

早く人の心もぽかぽか陽気で
軽くなりますように。
そう、願いながら、新着の水色のマスクをつけ、
出掛けることにしよう。



2020年3月18日水曜日

家飲みで快気祝い









半年ほど前に急に親しくなった方が、
膝の手術の後のプレートとボルトを取り除く手術を終え、
退院なさったというので、
その方のおうちで快気祝いをすることになった。

今までだったら、
快気祝いを祝われる当人の家でしたりせず、
外食でどこか美味しいものでも食べに行きましょうと
いうことになるのだが、
なにしろコロナの影響で外食もままならない。

そこで、私が料理を作って、
友人Tさんが車でお迎えに来てくれ、
Tさんはお酒係。
もうひとりの友人Fさんがケーキとフルーツ係。

ご当人のSさんは私の造った陶器の器を何種類かお持ちなので、
それを取り鉢や湯飲みに出してくださり、
話題は陶芸の話、個展の話、
膝の手術の話、マンションの坪庭の花の話、
コロナウィルスとオリンピックの話と、
縦横無下に広がっていった。

快気祝いといっても、
内臓系の手術だったわけでも、
膝そのものの手術だったわけでもなく、
1年半前の膝の手術時に埋め込まれたプレートとボルトを
抜き出す手術だったので、
胃袋とお口は達者なので、
食欲とおしゃべりはとどまるところを知らない。

おみやげに持ち帰ったというプレートとボルトを酒の肴に
和気あいあい、
誰に気遣うことなく、
ウィルス対策も特段講じず、
せっせと食べて、せっせと話し続けた。

2月末から続く外出自粛令は
日本中の人々を疲弊させ、
ストレスもたまり、
どこかへ行きたい、誰かとおしゃべりしたいという
気持ちは老若男女変わらず
パンパンに膨らんでいる。

しかも、コロナは軸足をヨーロッパに移し、
世界中が自国民からウィルス感染者と死亡者を出すまいと
かなり縛りのきつい政策を出しているのを見聞きするので、
いよいよ「一体どうなるの」という不安が頭に去来し、
制限された行動の自由の中で
鬱屈している。

そんな時でも、
友人と会えば、
いつもと変わらず、楽しい時を過ごせるし、
人と話すことで発散するので、
別れ際には、しみじみ「楽しかった」という言葉が出る。

ウイルスの蔓延や感染を止めるには、
人の動きを止め、人の接触を止め、
経済活動を止めることが必要なのかもしれないが、
それは人として決して健康的じゃない。

人はひとりでは生きていけないし、
ひとりで生きているわけではないから、
コミュニケーションしないと…。

あらゆるジャンルのコミュニケーションの方法を考え、
どうしたら感染リスクを減らせるのか対策を講じ、
社会生活を取り戻さないと、
世界中がひきこもって心が病んでしまう。

Sさんのおうちの坪庭ガーデンには
今を盛りと何十種類もの花が咲き、
観る者の目と心を潤してくれた。

私の作ったキッシュと焼き豚とピクルスも
みんなが美味しい美味しいと食べてくれるからこそ、
作り甲斐がある。

今の世界情勢も
みんなで心配したり、意見を述べたりするから、
乗り越えられる。

やっぱり、籠っていないで、
活動しよう。

「次は4月6日、個展の初日に行きますね」
その言葉に元気をもらい、
明日への力をチャージした1日だった。

2020年3月15日日曜日

粛々と個展準備





コロナウィルスの蔓延がアジア圏からヨーロッパにまで広がり、
先週末、WHOが
「もはやパンデミック(世界的流行)である」と宣言した。

絶対、予定通り行うと言っていたオリンピックでさえ、
延期もやむなしという空気になっている。

日本のコロナ事情は
2月下旬に「小中高校の一斉休校」を決めてから、
全国にいくつかのクラスターが起きているものの、
緩やかなカーブに転じ、
爆発的な広がりというわけではなさそうだ。

先週、友人の個展や二人展に顔を出しに銀座まで行ったが、
個展会場の人はまばらだったが、
銀座そのものは中国人がいない割には
そこそこの人出であった。

美術館は休館のところが多いらしいが、
ギャラリーは基本、人込みにもならないし、
静かに絵画が展示されている空間なので、
閉じているところはない。

私が4月6日から個展を予定している養清堂画廊も、
つつがなく開店しているようなので、
私も粛々と個展準備を進め、
当日を迎えようと思っている。

今日は案内状を投函した。

本当は600枚もの案内状が2月始めには出来上がっており、
更に画廊には別便で1000枚届いている。

画廊側からは、画廊の持っている顧客950人に
前後の個展やグループ展の案内状を含め5枚ぐらいを同封して、
2月下旬には郵送されているらしい。

しかし、このような事態になって、
あまり早くに案内状が届いても、
人の気持ちが全くついてこないと判断し、
私は案内状の投函を遅らせることにした。

400枚ほどの案内状に
ひとりずつ言葉を添えて、
住所とあて名を書き、
丁寧に1枚120円の切手を貼った。

150枚ほどは
すでに手渡しで案内状を配っている。

しかし、コロナウィルスの感染が、
あっちでひとり、こっちはクラスターと騒がれ、
出しそびれている間に、
添えた一言が状況に合わない気がしてきた。

それでも、すでに切手も貼ってあるし、
今更、案内状を作り直すこともできない。

そこで「こんな時ですが、こんな時こそ!」と
更に一文加え、
「お願いだからいらしてください」という
悲痛な感じの案内状になってしまった。

雪の降る日に投函して濡れるのも嫌だったので、
出す日も受け取る日も晴れであることを願って、
天気予報を見ながら、今日、投函した。

個展はこれまでにも何度も行ってきたが、
これほど切羽詰まった気持ちになったことはない。

5年ぶり、5年越しで創った作品を展示する今回の個展、
同じ規模や同じテンションで
次があるとは考えにくい年齢になっていることを思えば、
何としても、今回、
たくさんに人に見ていただきたいし、
お求めいただきたいと思ってしまう。

昨日はオープニングパーティのお料理をお願いしている
Kさんと連絡をとり、
3月下旬に会って、メニューを決めるという名目で、
ランチをすることになった。

一昨日には、すでに2月半ばに案内状を手渡してあった
芸大の同級生の男の子?がメールをくれ、
「オープニングパーティには行くからね」と言ってきた。

涙が出るほど嬉しかった。

もう、どうなるか分からないコロナに怯えることなく、
感染予防をいろいろ考え、
前を向いて、準備するしかない。

オープニングパーティで出すお料理は
なるべくトングで取り分けたりせず、
個別の器に入っているか、
スティックでさして、フィンガーフードにしよう。

そのためのアイデア料理を検索したり、
自分の作れるもので小さな器に入れて可愛いものは何か、
考えてみよう。

キャロット・ラぺや
グレープフルーツとスモークサーモンのサラダ、
ピクルスなんかも
彩もいいし、ミニカップに入れたら可愛いに違いない。

今、できること
私にできること

そこから始めて、
決してあきらめない気持ちが大切だと思っている。