まだ2月22日だというのに、
気温22度の春爛漫のポカポカ陽気。
久しぶりにご近所の友人宅に集まって、
ランチとおしゃべりの会が催された。
参加メンバーは
お宿主のSさん(80代)がオーママで、
Sさんと最も親しいFさん(70代)がチーママ。
ふたりがフラワーアレンジメントを習っているOさん(50代)
黒1点のTさん(70代)は実働部隊、
そして、陶器担当の私(60代)
年齢差はかなりあるが、
それぞれの役割分担があって、
とてもいいバランスで
「会員制クラブS」が成り立っている。
今はコロナで外食やコンサートに行くなど、
外でのお楽しみがなかなかできないが、
Sさんはサロン風にご自宅をリフォームして、
人が集まる場所として提供してくれている。
「楽しいこと、美しいものに囲まれて暮らしたい」という
Sさんの意向は随所に発揮され、
そのうちのひとつ、器に関しては
私が作陶したものがお気に召したようで、
これまでに相当数、お求めいただいた。
お宅にお邪魔すると
お譲りした花器にクリスマスローズがアレンジされ、
食卓の小鉢には
Sさん手作りのサツマイモのレモン煮がいれてあった。
今回はテイクアウトのお弁当を
少し離れた料亭にTさんが車で取りに行ってくれ、
チーママFさんが勝手知ったるS宅のキッチンで、
食器を出したり、ビールを出したり
細々働いている。
そこへ手作りレモンケーキにスミレをあしらった
美しいケーキを持ってOさんが登場し、
食卓が一気に華やいだ。
私は残念なことに午前中にカウンセリンが入っていたので、
手土産に「半月」というお菓子を持ってきただけで、
今回は手作りものはなし。
単なるお客さん役しかしていないが、
S宅のそこここに私の器が使われ、
本当にありがたい。
S宅はマンションの1階にあり、
部屋の外には8坪ほどの庭がついている。
今も2月とは思えない色とりどりの花が咲き誇り、
輝く春の日差しを浴びて、
見るものに幸せを感じさせてくれる。
花に囲まれて住みたいというSさんの願いを叶えているのが、
フラワーアレンジメントの先生Oさんと、
実働部隊のTさんだ。
デザインセンスに富んだ家主の意向を汲んで
Oさんが庭のデザインをし、
実際にはTさんがSさんと共に買い出しに行き、
土を入れたり、花株を植えたりする。
Sさんは
「私は花の水やりをするだけで、後はみーんな
お任せで、何にもしないのよ」と笑うが、
彼女の可愛くて、周囲に感謝の言葉を惜しみなくかける
その温かい人柄に
たくさんの人が集まってくる。
元幼稚園の園長先生という教育者の経験と、
長い人生で培った人心掌握術は、
50~80代の世代間格差を超越して、
居心地のいい空間を生み出しているのだ。
本当はご一緒するはずだった3月中旬の
コンサートが中止になり、
会う目的がなくなってしまった私達だったが、
こうして
「たまにはおしゃべりしましょ」と集えば、
こんな機会こそ必要だと皆が感じた。
このメンバーは人が生きるとはとか、
人生とはみたいな、かなり深い話もするのだが、
「やはり人の財産は人だと思うの」の言葉に
一同深く共感し、
コロナで失った人とのつながりは
決してそのままにしてはいけないと意を強くした。
昨今、自殺する女子高生が増えているという。
孤立せず、
人とつながることで
希望を見出してほしいものだ。
キーワードはコミュニケーション。
狭い人間関係だけにとどまらないで、
いろいろな人ととの出会いを大切に
生きていければと思う。
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