久しぶりに次女と横浜でランチした。
次女とは長女のところの孫2号の誕生会や、
お盆に実家に泊りに来ていたので、
全然会っていないというわけでもなかったが、
ふたりで会って食事したり話したりするのは
ちょっと久しぶりだった。
実家から独立して十数年も経つと、
横浜と東京でさほど離れていないとはいえ、
なかなか用事がないと会わないものだ。
そんな風にいつのまにか疎遠になる母娘も多い。
まして目下、転職活動中ともなると、
声をかけるタイミングが難しい。
私がパティシエ育成の専門学校で
就職対策講座の非常勤講師をしているとはいえ、
次女は業界がまったく違う
特殊な世界に属している上、
次女の目指す次なる仕事に関しては門外漢なので、
単なる週刊誌的興味の探りや、
母親としての実力行使は控えたいところ。
それでもやっぱり心配なことは心配なので、
ランチでもしながらどんな様子か
ラフにおしゃべりすることにした。
集合場所は
次女がAD(アートディレクター)として
深く関わった横浜駅隣接の
NEWoMan
昨年5月にオープンした高級感満載の複合的商業施設だ。
その建設にあたって
次女はデザインチームの長をしていた。
NEWoManのメインターゲットは
年収1,000万円越えの30代~40代女性。
(いるかそんな女!)
なので、入っているブティックも食料品店も
扱っている価格帯が一桁違う。
そんな高級品、一体誰が買うんだと思うが、
次女曰く、
表参道とか銀座にしかないお店を
横浜にも出すことで、
そこまで遠くに行かなくても買えますよという意味と、
この店舗で採算が合わなくても
企業のランドマークとしての意味があるという。
そのNEWoManの広告が
世界三大広告賞のRed Dot Awardに於いて
Red Dot賞を受賞したという。
それが一体どのぐらい凄いことかはよく分からないが、
次女はそのデザインチームの長だったんだから、
今回の転職活動のいい手土産になったことは
間違いないだろう。
私たちは9階のレストランのひとつに入って、
お互いの近況報告をしながら、
そこのパンのあまりの美味しさに
ついお替りまで要求してしまった。
同じ店は溜池山王のサントリーホールの
真向かいにも入っているので、
たまたま
私にとっては馴染みのあるレストランだった。
天上のすごく高い空間で、
黒基調のモノトーンのインテリアといい、
スパイスの効いたお料理や
フォッカチャやドイツ系クルミパンなど、
確かにおしゃれな店だった。
次女の転職はこれからが本番という状況で
相変わらずののんびりペースだったが、
精神的には病んでいる風もなく、
焦っているということでもなかった。
このコロナ禍の中、
募集がそもそもあるのか、条件面は大丈夫かなど、
外野はハラハラしているが、
当人の実力と経歴を信じていい報告を待つしかない。
私はパティシエ学校の教壇でも
「志望動機が何より大事。
企業研究をしっかりして、ラブコールをいかに送るか
ここに内定のカギがある」と言ってきたので、
同じことを次女に伝えた。
次女もそのことは実感しているようだったので、
母親のいらんおせっかいにならず、
近況報告会は平穏に終わった。
母親と娘、
いい関係を保つにはいい距離感が大事、
それは心理カウンセラーとしての矜持である。
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