2022年8月22日月曜日

取材という名の鎌倉ランチ

 













夏中、彫っていた木版画の作品が、
日曜日に最後の飾り彫りを終え、
一区切りついた。

次の作業は摺りということになるのだが、
暑い日々が続いている内は
クーラーの使えない摺りの作業は
しないことにしている。

そこで、次なる作品のための取材と称して、
鎌倉の八幡様の源平池に
蓮の葉と花の写真を撮りに行くことにした。

蓮の盛りは6月から7月なので、
8月下旬では葉っぱは伸び放題だし、
花もみんな散っているのではとも思ったが、
来年の「文学と版画展」の装丁に使う作品に
どうしても蓮の葉の浮かぶ水辺が必要で、
来年の6月を待つわけにもいかず、
出掛けることにしたというわけだ。

こんな風にお題に合わせて作品を
準備しなければならないものは
案外、先のことを考えて行動することになる。

まだ、どの本の装丁にするつもりかは
公開できないが、
まずはイメージを自分の作品に定着できるか
試行錯誤の舟を出すというのが
今の段階だ。

「舟」という言葉を使ったのには
わけがあり、
それが次の装丁のヒントになるのだが、
さて、本日の蓮は首尾よく
本の表紙として漕ぎつけるのか、
しばしお待ちいただければと思う。

今日は鎌倉の源平池が取材先だったので、
11時近くに鎌倉駅に降り立つと、
驚くほどの人が行き交っている。

月曜日という平日だというのに、
浴衣を着た若者や
子ども連れやお年寄りなど、
ゆく夏を惜しむかのように、
また、コロナ禍のうっぷんを晴らすかのように
人が湧いて出ている。

本当はゆっくりスケッチブックを広げ、
デッサンしようと思っていたのだが、
ぶしつけな態度で
他人の作品を上から覗き込む人が
後を絶たないので、
気持ちが折れてそそくさとしまってしまった。

それでも2枚はスケッチができたので、
これからイメージを膨らませ、
構図を考えたいと思っている。

そして、今度、鎌倉に行くときは
声をかけてみようと思っていた
お茶の友人K姐さんが
快く誘いにのってくださったので、
12時半には取材を切り上げ、
鎌倉ランチに繰り出した。

K姐さんはサバサバした姐さん気質、
鎌倉に移り住んでまだ5年といいながら、
お友達も多く、
すっかり鎌倉通になっているので、
馴染みのイタリアンを予約してくれていた。

小町通のミーちゃんハーちゃんには
出くわさないよう、
裏の小道を分け入り、
そこここのお店の紹介を交えつつ、
目的地に到着。

予約客で満員のこじんまりしたレストランで
ランチのコースに生ビール、
食後にカッサータとエスプレッソを注文し、
丁寧に作られたイタリアの味を堪能した。

お茶のお稽古では
そうそうお茶からかけ離れた話もできないし、
今までのお茶歴みたいな
つっ込んだ話もできないので、
話はあっちに飛びこっちに飛びしながら、
楽しい時間は瞬く間に過ぎていった。

帰りがけに
「ここもちょっとおしゃれなものがあるのよ」と
私も気にしていた呉服屋さんに誘われた。

「ちょっとだけよ」
「見るだけよ」といいつつ、
すぐに気になるものを二人とも見つけ、
お店を出る時には
姐さんはカレンブロッソ(草履)の入った紙袋を
私は大きめの和装用バッグの入った紙袋を
ぶらさげていた。

姐さんはお買い物も即断即決。
そんなところも自分に似ているなと
内心、思いながら、
ふたりともお気に入りが運よく見つかって
ルンルンであった。

帰りは最寄り駅のデパ地下の崎陽軒で
23日までの限定販売の、
マグロの漬け煮のかわりにサケが入っている
シュウマイ弁当を買おうと思ったら、
いつ入るか分からない「入荷待ち」の札。

最後はさっと見てさっと買おうと思っていたが、
あっさりフラれてしまったので、
潔く空手で帰宅。

珍しくダンナのいないひとりの夕食なので、
冷蔵庫整理しながら
のんびり本日2回目のビールを飲もうっと。

ダンナが留守のこの数日間は
お気軽そのもの、
自分で決めて自分で行動。
誰の文句も嫌味もないのが極楽至極である。




























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