5月の陶芸の展示会の折に
「これが気に入ったので宜しく」と言われ、
新規に制作していた陶器が
ようやく焼きあがってきた。
元々、その友人達は私の器が好きで
もう相当量、お求めいただいていた。
しかし、新しいデザインやシリーズの器を
見ると、
また欲しくなるというのが女の常。
結局、今回の展示会でも
注文を承るという形になった。
特に最初の大皿は直径30cm越えで
作る難易度が高く、
オリジナルが出来あがった時は感激もひと塩、
非売品にしようと思った思い入れのある器だ。
だから、
「これが欲しいわ」と言われたときは
一瞬、躊躇した。
しかし、「いつでもいいの、急がないから」と
彼女の気持ちには
譲ってもらえないという選択肢も
もし高かったら辞めておくという選択肢もなく、
「言い値で買うから、これ頂戴」という
スタンスであった。
結局、自分でも気に入っていた大皿だったので、
新たにもう1枚
作陶日を設けて制作し、
何とか本日、新しい大皿が出来あがってきた。
それは展示会に出したオリジナルの大皿に比べ、
縁の細紐でデザインされた部分がやや細いが、
精度としてはオリジナルよりも上、
きちんとした製品と呼べるものだった。
やはり2度同じものを創ることで、
職人としてのスキルが向上したようで、
ひずみや凸凹がなく、
整った出来上がり具合だ。
私はオリジナルと比べ、
新しく焼きあがってきたこちらの大皿を
手放すことにした。
ダイナミズムはオリジナルの方があるが、
商品の精度としては今回の方が高いので、
値をつけて販売するにふさわしいと考えたからだ。
大皿の他には
白と緑の和モダンお取り皿5枚、
白と緑の和モダンお取り小鉢5枚、
リボン模様のボンボニエール1個が
Sさんのご注文。
白の和モダン中皿5枚と
白の和モダンお取り皿5枚(未完成)が
Fさんのご注文。
お花好きのおふたりが
部屋の中用植木鉢を見たら、
これも欲しいというかなと思って、
白い植木鉢と敷き皿のセット3組も
一応、準備した。
今、陶芸工房は夏休みのせいか、
体験教室のお客さんが溢れかえっており、
その対応に先生はてんてこ舞い。
連日、深夜までそのお客さんが創った器の
削りや、釉がけや、発送などに追われている。
そのせいで、私達会員は放置されていて、
作陶してもなかなか素焼きや本焼きが
出来あがってこないので、
今回も本焼きを手にするのに
非常に時間がかかった。
なにしろ、電気釜は1基しかなく、
焼くスキルがあるのは先生一人。
私は一会員に過ぎず、
陶芸の焼成のスキルもないのに
ファンがついていて受注作品を創っているという
このぜいたくさ。
本業の版画より、売れ行きがいいのだから
始末がわるい。
とはいえ、こうしてご希望いただいた品々が
1点も欠けることなく焼き上がり、
本日のミッションは無事にクリアした。
あとはなるべく早い時期に
お届けに上がるばかり。
よそのお宅の食卓で、
大皿にパーティメニューのご馳走がのったり、
おてしょ皿として活躍する日がくることを
素直に喜びたい。
コロナの新規感染者数が増加している今、
おうちご飯を彩る一役を担えれば
私としては本望である。
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