2022年9月5日月曜日

本の装丁「文学と版画展」

 


















今日から第8回「文学と版画」展が
銀座のギャルリー志門で始まった。

先週の土曜日の夕方、
セッティングのために画廊に出向いているので、
どんな感じの会場になったのかは
すでに知っている。

今日は地元の友人3人を連れて
ギャラリーを訪れたので、
棚にのせた本を見開いて、
元の作品をどのように本の装丁として
デザインしたのか分かるような形で
写真を撮ってきた。

作品をそのままブックデザインとして
使用している人もいるにはいるが、
大抵の人は一部を切り取ったり、
背景を変えたり、
中にはちくちくお針仕事をして
まったくのオリジナル1点物に
仕上げたりしている。

私の今年の装丁は
上下に分かれている作品を
まず、左右に組み替えているところが
ミソである。

横に並べてみたら、
あら不思議、
ある1か所で1本の雨が
背表紙から表表紙に同じ角度で
きれいに繋がった。

デザイン案を考えていてそれが分かった時は、
思わず「デカシタ!」と膝を叩いた。

分厚い背表紙にちょうど1匹の
かたつむりが収まるようにして、
裏表紙に残りの2匹がくるように
指示を出した。

タイトルの「女徳」の文字は
主人公の細身で芯の強い女性をイメージして
自分で書いた毛筆の文字を
背景色の上に乗せてほしいと依頼した。

それが実際に本の装丁になって出来てくると
「おー、こうなったか」と感動する。
ブックデザイナーとしての醍醐味が
ここにある。

いつもの版画作品は
途中から誰かに作者が変わるなんてことは
ないので、
この展覧会の時だけ、
自分の作品を使っているのに、
自分の指示書どおりの別の作品が
目の前にできてくる喜びを味わうことが出来る。

画廊のオーナーさんが
とても一生懸命になって
微妙な色合いやフォントの大小などを
指示書どおりに作ろうとしてくださるので、
とても有り難い。

最終の印刷も、ツヤありとツヤなしと
その中間の何種類かの紙に印刷し
選ばせてもらったのだが、
今回は文庫本だということで
初めてツヤありの紙を選んでみた。

搬入の時のメンバーの反応や
今日の友人たちの反応は
なかなか良かったので一安心だ。

ギャルリー志門の企画展である
この展覧会、
今年も宿題をひとつやり終え、
夏休みが終わり
新学期が始まったということを
実感する。

しかし、それにしても外は真夏の暑さ。
何といっても湿度が高い。
いつまでこの暑さが続くのか、
帰りの電車で明日のコンサート、
着物を着るのはどうしようかと逡巡した。





























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