お彼岸を挟んだ三連休は
久しぶりに実家に帰ってきた次女と過ごした。
次女は
今の会社に入って最初の夏だった今年の夏は
お盆の休暇が取れず、
実家には帰ってこなかったので、
泊りがけはかなり久しぶりということになる。
近況を聴けば、
先週の敬老の日を挟んだ三連休は
プレゼン直前で40時間は寝ていない
などとぼやいていたから、
会社が変っても仕事がハードなことには
変わりがないようだ。
ただ、人間関係はとてもいいようで、
そうした悩みから解放され、
ストレスフルな顔で愚痴を吐露するといった
こともなく、平和な3日間だった。
いくつになっても娘は娘なので、
何か悩みを抱えていると、
ついカウンセラーとして
話を聴いてあげなければと思ってしまう.
しかし、今回はそういうこともなく
穏やかな時間が流れていった。
三連休の初日は台風の影響で
一日中降ったりやんだりの雨だった。
先週の三連休ほどの大雨ではなかったけど、
三連休ごとに雨が降るのは勘弁してほしい。
まずは次女と横浜元町をぶらっとしてから、
夕方、ダンナも合流して
お気に入りのイタリアンレストランで
食事をすることになった。
次女は以前の会社でご縁のあった
元町のジュエリー会社の担当さんと
久しぶりに会う約束があるとかで、
とりあえず
私はひとり元町ショッピングをすることに。
5時過ぎに落ち合った時には
次女はジュエリーショップの半貴石をつかった
おしゃれなイヤリング、
私はその日も履いていたパンプスと同じものを
再び、求めたので、
それぞれ戦利品を抱えていた。
ひとりは自分がデザインしたパッケージに
収められた
片耳だけのクリップ型イヤリング、
ひとりは自分の足になじんでいる靴が
型崩れし始まっているので、
その店のオリジナル商品である靴を
リピート。
片や、今どきのイヤリングを
自作のパッケージと紙袋にいれてもらい、
片や、冒険して新しいデザインのものを買うより
確実に自分に合うものに落ち着くという
安定志向。
次女の自立を素直に喜ぶべきところだが、
なんだか世代間格差を感じる私。
歩きすぎた足を休めるために
立ち寄ったカフェで
ロイヤルミルクティにアイスクリームが
のっているスイーツをいただいたせいか、
元々、胃が少し小さくなっているせいか、
その日のイタリアンディナーでは
フルコースが重いこと重いこと。
全員、のけぞるくらいお腹がいっぱいになり、
こちらも何だか歳を感じてしまった。
以前は外食もしょっちゅうだったので、
コース料理にお酒を2杯ぐらい
当たり前だった。
しかし、コロナのせいか歳のせいか、
めっきり外食が少なくなっている内に
量が食べられなくなっている自分に気づき、
愕然とする。
次の日になっても
何だか初日のディナーの余韻が残っている気がして
2日目の夜に予定していたラムと牛肉のステーキは
3日目の夜に回すことになった。
2日目も降ったりやんだりの雨は続いており、
次女とふたりで丸の内まで出かけ、
三菱一号館美術館で開催されている
「シャネル展」も
向こうで1時間以上並ぶと聞いて
私は二の足を踏んだ。
結局、次女だけが
「東京に住んでいるのに、なんで横浜にいる時に
わざわざ東京までいくのかな~」と言われつつ、
ひとりで出かけて行った。
ならば私はと、地元の映画館の
「午前十時の映画祭」でやっていた「81/2」を
観ることにした。
フェデリコ・フェリーニの創った昔の
イタリア映画でなんとモノクロの画面。
ひたすらモノクロームの画面が美しく、
しばしうっとり見とれていたが、
なにしろ不条理劇みたいな難解な内容で
会場にいた10人ぐらいのおじさんと同じく
途中で睡魔と戦うのがたいへんだった。
隣のおじさんなんか始まってすぐから
いびきをかいて寝ているので、
当時、粋がって観ていた青年も
おじいさんになってしまい、
難しい映画にはついていけないという
悲しい現実なのであろう。
さて、映画の後には急遽入った
カウンセリングを1本こなし、
3時半に次女と合流、
それぞれが「シャネル展」と」81/2」の
ダメ出しをしながら、
今年初の「シャインマスカットのズコット」に
舌鼓。
昨年から、椿屋カフェでみつけた
この「シャインマスカットのズコット」なる
美しいケーキは、
長蛇の列をなしてでも年に一度は食べたくなる
美味しさである。
3日目はようやくの日本晴れ。
しかし、私は朝の9時からカウンセリング、
ダンナは自転車のツーリングと
実家のふたりはいつもの予定が入っていた。
次女にとってのいつもの日曜日は
まずは午前中いっぱいまったりするというのが
常なのだろう。
結局、三連休といっても
3人が「呼吸を合わせて一緒に行動」とはならず、
なんだかそれぞれの予定を
こなしつつ、
合う部分だけ一緒にすごすという結果に
なってしまった。
これが独立して早10年以上経っている
次女と私達の生活なんだと実感した。
4人家族だった日々と
家は同じなんだけど
それぞれのペースで過ごす毎日は
だいぶ違っている。
だから、ずっと一緒というわけにはいかない。
それが娘が実家に帰ってきた休日なんだと
感じた秋の彼岸の三連休である。
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