2022年9月14日水曜日

故宮にひとっ飛び

 








ここ2週間ほど、
いつになく忙しい毎日なのだが、
その合間を縫って、
東博の「故宮の世界」展に行ってきた。

私のこの2週間の忙しさは
「文学と版画」展が先週あったことと、
パティシエ学校のテストの採点が
先週あったことと、
新しいHPのフロントページが出来あがり、
チェックと手直しの要望を出さなければ
ならなかったことなどが重なったことによる。

更に木版画の新作の原画を起こしたので、
それを週末にトレぺの原画にし、
月曜日の版木転写もしたのだった。

展覧会には搬入と搬出が必要で、
会期の前後に飾りつけのため、
銀座に行ったし、
会期中には友人をアテンドするために
会場に行くこともあった。

パティシエ学校のテストは
オリジナルの記述論述式の内容なので、
1枚の採点に12~15分ほどかかり、
ただ〇✕をつけるのではなく、
1枚ずつ1問ずつコメントも入れるのだが、
それが4クラス分約90名。

ざっと計算してもらえばわかるが、
莫大な時間が必要だった。

ホームページは既存のものがあるのだが、
サテライト・サイトなる誘導のための
ホームページを作成することにしたので、
こちらの要望を出すためには
どんな感じにしたいか、
一言一句の言い換えやフォントの大きさ、
使用された色のテイストや彩度など、
精査して希望を書き出す作業が意外と膨大だし
とにかく神経を使う。

もちろん、こうした作業は
すべてイレギュラーなものなので、
通常のカウンセリングやばぁばご飯、
お茶のお稽古や陶芸などはいつも通りだし、
毎日のおさんどんも当たり前のように
こなさなければならない。

しかも、先週火曜日は
石田様の最後の「熱狂の夜」だったわけで、
着物で会場入りし、熱狂の夜を堪能した。
また、先週土曜日はお茶の講習会が
鎌倉芸術館で開かれ、参加したのだが、
ドレスコードが着物だったため、
その日も着物で出かけたことを思い出した。

こんな風に書き出してみると
我が事ながら他人事のように
何とも忙しい人だということになる。

私は日頃からものごとには優先順位をつけ、
横に並べず、たての1列目だけを見て、
ひとつずつ片づけることにしているので、
頭は混乱していないのだが、
さすがにここまで忙しいと
疲労で体が困惑している。

そんな中、今日は友人の誘いにのって
「デジタル故宮展」なる展覧会に出かけた。

中国の故宮をデジタル映像で
浮遊しながら眺め、
「千里江山図鑑」なる山水画の傑作を
これまたデジタルで復元し、
幅14mという巨大画面で鑑賞する。

本物は1点も来日していないのだから、
花瓶や箱、器などの工芸品も
すべてデジタルで再現したものだ。

アミューズメントパークに行ったみたいなもんだが、
どれもとても迫力があって
それなりに面白かった。

なにしろ中国というものは
すべてが巨大で圧倒的、
「これでもか」という言葉がピッタリくる。

中国人の徹底ぶりに、
半ば呆れ、半ば嫌気がさし、
自分は日本人でよかったという気がした。
それは負け惜しみかもしれない。

展示会場の東京国立博物館
通称・東博は
ある意味、日本の故宮博物館である。

その静かで厳粛なたたずまいは
奥ゆかしく気品がある。

展覧会を観終わり、平成館の外に出ると
まだまだ強い日差しが射していた。
ふとみると、竹の柄の黒い傘がたくさん
日傘として貸し出されている。
縁にレースの飾りのついた
クラシックで優雅な日傘である。

この傘を借りたら、どこに返せばいいのか。
博物館の庭の散策に使うためのものなのか。

よくは分からなかったが、
ただ、ド迫力で壮大な故宮にはあり得ない
とても日本的なサービスだということは
感じることが出来た。

国民性とか国の権威とか…。
今、イギリスの女王が逝去なさって
世界中が国葬を当然のこととして
受け止めている。
どこかの国の元総理は
このまま強行突破で国葬されるのか。
そうなれば、故人も居心地が悪いに違いない。











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