2023年5月28日日曜日

お茶の先生 喜寿のお祝い茶会

 























昨日はお茶の先生の喜寿のお祝い茶会を
新宿の柿傳という懐石料理の料亭で
開催するため朝から着物で大忙しだった。

いつもは初釜や朝茶など、
お稽古とは違うお茶会方式の会の時は
先生が段取りを決め、お道具やお料理など
諸々すべてのご用意をなさり、
私達お社中は振られた役をこなすだけだ。

しかし、先生の喜寿のお祝い茶会なので、
今回はすべての段取りや準備を
社中のメンバーで行わなければならない。

入門順でそのお役は割り振られ、
入門1番さんはお母さまがお里で大きく
お茶の先生をなさっているので、
ご自身もお茶会の経験が豊富、
お道具もお里から借りられるとあって
主となって陣頭指揮を執ってくれた。

入門2番手のTさんが今回は亭主
3番手の私が半東というお役を仰せつかった。

亭主はお客様をお迎えする主人役
半東はそれを裏で支えるお手伝いさんだ。

前回、数年前に先生の古希のお祝い茶会の時は
1番さんが亭主、2番さんが半東、
3番の私はお詰といってお客さんの最後になり、
お茶室で出されたものを片づけたりする役目。
しかし、あくまでお客さんのひとりだった。

けれど、半東になると
完全に裏方作業のみなので、
亭主がスムーズに表舞台に出ていけるよう
ちょろちょろ後ろで支えなければならない。

なので、せっかくの柿傳の懐石料理だというのに
裏方は作業の合間に裏で
チャチャッと掻き込まねばならず、
きっと食べきれないからとタッパーも持参した。

最初は5月27日、
5月の最終週だから、紗袷の着物が着られると
ウキウキしながら自分のことだけ考えて、
お出かけ気分でいた。

しかし、いざ、始まってみると
亭主のやることの多さと、
1番さんが事前に準備したことの多さに
本当に頭の下がる思い。

柿傳はお料理屋さんなので、
懐石料理の部分は申し分なく用意してくれ、
裏のお手伝いの柿傳の方たちが
すぐに茶室に持ち出せるように手配してくれる。

そこの部分はよかったのだが…。

それ以外のほとんど
床の間のお軸、花入れの茶花の準備
主茶碗、次茶碗、数茶碗、茶杓、
布巾茶巾タオルなどの小物。
主菓子、干菓子の手配
濃茶用薄茶用2種類のお抹茶の手配など。
これらを全部持ち込まなければならない。

1番さんのUさんはゴールデンウィークに
ご実家に帰省した際、
大きなスーツケースいっぱいに
お母さまから借りたお道具を宅配。

2番手さんは先生始めお社中の面々にまで、
巻紙に筆文字のご招待状を出すところから
お茶会は始まった。

なにせ、都合4時間ほどもかかる
お茶会の中で
外のお迎えからご挨拶、
懐石料理のお運びと接待、
各種口上、
お炭、お濃茶・お薄とお点前と名の付くところ
これら全てを亭主ひとりで
受け持たなければならない。

半東は傍で「それでいいんじゃない」とか
適当な相づちを打ちつつ、
次の手順のお茶碗の準備とか
一緒にお茶を履くとか
本当に補佐役をしていればよかった。

しかし、心の中では
『もしかして次は私が亭主?』と不安がうずまき、
自分の目下の勉強不足と
今回のいい加減な関わり方を大いに反省した。

亭主と1番さんはひと通り終わって
げっそりやつれたのではないだろうか。

お祝いの気持ちを、お菓子やお茶を選ぶとき、
お道具やお軸などを選ぶときなど
趣向をこらして吟味するためには
それ相当の勉強が必要だ。

1番さんと2番さんの準備のご苦労を思うと
消え入りたい気分の私だったが、
とりあえず事件や事故なく無事に終わった後の
ビールが美味しかったこと、
それだけは間違いない。

やれやれ、お疲れ様でした!









































2023年5月23日火曜日

オーママの仕事

 










20日の日曜日からダンナが北海道に
遊びに行ったので
私の奥さんとしての仕事は
完全に「OFF」になった。

だから、おうちご飯は全くの手抜きだし、
掃除機も洗濯機もほとんど回さず、
おきらくご気楽に過ごしている。

しかし、待ったなしで急かされている仕事が
「庭の薔薇の剪定」と
「ばぁばご飯」だ。

今年の我が家の薔薇は
桜など他の花と同じで
例年よりかなり早く咲き始め
よって、5月半ばには散りかけていた。

薔薇も盛りの時は美しいが
終わった花がらと咲いている花が混在する
ようになると
毎日、花がらを積むのに忙しくなる。

そういう時期に雨が降ったり
風が吹こうものなら、
はらはらはらはらと花びらが散り、
それはそれは大変なことになる。

向こう3軒両隣の縁石に
いかにも「我が家の薔薇です」
と言わんばかりに
白い花びらが飛び散っている。

すぐ左隣のおばあちゃんは2年ほど前に
亡くなったので
今はアパート部分に住んでいる若者しか
いないし、
更に左隣はやはりおばあちゃんが
老人用マンションに引っ越して
今は新築戸建ての建設中だ。

右隣は駐車場なので、
最初から隣人はいないので、
そこまで遠征して薔薇の花びらの回収に
いかなければならない。

というわけで、
この回収作業にいい加減疲れてくると、
私は薔薇の剪定に踏み切る。

まだ咲いている花がたくさんあっても
見ないことにして
とにかく太い幹を残して
完膚なきまで刈り取ることにしている。

薔薇はとげがあるので、
切るのもゴミ袋に入れるのも
鋏を使わなければならないので、
とても時間と労力がかかる。

それでも丸1日かけて
45ℓのゴミ袋5枚にぎゅーぎゅーに詰め
薔薇を丸坊主にしてやった。

次の日、整体に行ったら
先生が驚くほどに体中が凝っていた。
しかし、達成感はハンパなく、
薔薇を成敗した歓びがあふれてくる。

明くる火曜日。
今日の私のミッションは
オーママの「ばぁばご飯」である。

午前中に1本、カウンセリングをこなし
午後は長女の家で
8品のおかずを作った。

長女は家にいてリモートで仕事だが、
家事には全く関わらないので
私はひとりキッチンで調理する。

今週は奥さん業はお休みでも
オーママの仕事は容赦なくやってくる。

それでも夕方に帰宅した孫たちは
いつにも増して
ニコニコとよく食べてくれたので
このミッションはやりがいがある。

仕事と遊びと仕事と遊び。
仕事と言っても
お金になるのもならないのもあるけど、
まあ必要とされているうちが花。

花も枯れて
近所中に迷惑をかけてからでは
情けない。

私も自分で動けるうちは
咲いてみんなの役に立ち、
いつまでも美しくありたいものである。

















2023年5月21日日曜日

陶芸 ネームプレートの削り

 








14日の日曜日、陶芸のの講習会で作った
ネームプレートが半乾きになったので、
通常の作陶日の20日の土曜日に削ることにした。

このネームプレートは7mm厚の陶板を
2枚重ねた形で
まず1枚の陶板にデザインした
アウトラインを削り出し、
それをプレーンな陶板と重ね素焼きをする。

穴になっている部分に色のついた瓶を
金づちで砕いてガラス片を埋め、
本焼きをすることでガラスが溶けだし
釉薬の役目をしてステンドグラスのように
なるというもの。

今回の作業はそのアウトラインの部分を削り
なるべくシャープなラインを残すことにある。

上手な人は最初の工程で
くり抜いた時に
エッジの効いた粘土のラインができるのだが
私も含め、みんな初めての体験だったので
余計な粘土がいっぱい残っている。

それをチコチコ削るのが
今回のミッションなのだが、
これがけっこうチマチマした作業で
肩が凝る。

3時間半の作業時間の内、
2時間もネームプレートの削りにかかってしまい
いささか同じ作業に飽きてきた。

その後、前回の作陶日に造った2つの器の
高台を削り、
とにかく今日中にやらなければと思っていた
削りの作業が終了した。

削った器とネームプレートは
所定の台に置いておけば、
順番に先生が素焼きの工程に移してくださる。

本当はこの焼きの工程こそ
時間も手間もかかる工程なのに
その手前のところで
プチプチ文句を言っているのだから
いい気なもんだ(と先生は思っているだろう)

幸い、我が家は、20日から28日まで
ダンナが北海道に自転車のツーリングに行って
留守なので、
ひとりをいいことに
夕方5時の制限時間いっぱいまで作業できる。

時計を見たら、あと小1時間あったので、
思い切って粘土を2つ購入し、
取り急ぎ菊練りを始めた。

陶芸の作業で削りの作業は
言わばきれいに手直しする裏方仕事だ。

やはり粘土をよく菊練りして、
新しい器を造ることにこそ
陶芸の醍醐味がある。

私はチマチマした作業の反動か
ふたつの粘土全部(1,6㎏)を使って
大皿が造りたくなった。

手びねりのろくろからはみ出るような
大きな器は「コシ」といって
大皿の角度が変わるあたりが一番難しい。

粘土の柔らかさと厚みとのかねあいで
ややもするとダレて器が落ちてきてしまう。

しかし、土と会話しながら、
落ちない最低限の厚みまで伸ばし、
ダレて来ないギリギリを責めつつ
なるべく大きくする。

結果、直径30㎝を少し超える
リムのついた大皿ができあがった。
(リムとはヘリのこと)

そして、リムの一部をくり抜き、
シリーズ化して造っているねじりんぼうを
ドべというゆるい粘土で固定した。

3時間半のうち、2時間半は
チマチマ作業だったので、
一気に「でかい」器を造って
気分は晴れやかだ。

ついでに一緒に作陶していた友人も
旦那さんが飲み会で、
その日が誕生日だというのに
ひとりご飯だというから、
帰り道、インド人のやっているカレー屋さんで
誕生日の祝杯を上げつつ、
お腹いっぱいタンドリーチキンのコースを
堪能した。

あ~、独り身は楽ちんだ!
あ~、力仕事の後のご飯はなんて美味しい!

ずーっとずーっと続けばいいのに。
と、世の中の奥様は思っているはずだ。













2023年5月18日木曜日

目黒雅叙園「大正ロマン」展

 

























5月中旬だというのに30℃を越えた今日、
目黒雅叙園の百段階段の展覧会
「大正ロマン~文豪が誘う
ノスタルジックの世界」に行ってきた。

ひと月ほど前にFaceBookで繋がっている友人が
この展覧会に着物を着て行ってきたと
記事をアップしていた。

即「私も行きたい」と思い、
自分で着物が着られる友人を誘っていこうと考え、
陶芸工房の友人に声をかけてみた。

その友人とは少し前までは
一緒の時間に作陶するだけの仲だったが、
最近は一緒に飲みに行ったり、
笠間の火祭りに行ったりと
急速にプライベートでもご一緒することが
増えている。
(個展にはご夫婦で来てくださった)

「大正ロマン」展は
ただ観に行くだけではつまらないので
自分も大正ロマン風の着物が着たいし、
もちろん目黒まで行くからには
ランチもいただきたい。

そう考えた私はイタリアンレストラン
「CANOVIANO」のランチと
「大正ロマン」展がセットになっている
コースを見つけ、迷わず予約した。

まさかひと月前には
5月中旬に気温が30℃を越すとは予想だにせず、
晴れてほしいなぐらいに考えていた。

着ていく着物は私が持っている着物の中で
もっとも大正ロマン的な柄の紬の訪問着。
柄の大きな花は桐の花か?
色合いが少し紫がかったブルーで
なぜか全体にノスタルジックと感じている
初おろしの袷の着物だ。

帯は昨年、新潟展で購入したきはだやさんの
両面全通の夏帯。
今回は着物に同調させたいので
なるべく明るい水色の部分がお太鼓にでるよう
工夫して着ることにした。

そして、着物で出る時は晴れますようにと
願いを込めた。

そしたら、晴れ女二人組は予想のはるか上を行く
猛暑でピカピカの晴れを引き当て、
びっくり。

ゴールデンウィークの笠間の火祭りの時同様
(友人はその時の友人だ)
雲ひとつない晴天の中、
袷の着物に日傘をさして目黒駅を目指した。

私は
記憶にないほど目黒雅叙園は久しぶりだったので、
駅前からのシャトルバスは大助かり。

「CANOVIANO」のお料理も
特別珍しい内容ではないものの
食材や調味料にこだわって丁寧に作られていることが
よくわかる美味しいお料理だった。

食後はいよいよ豪華絢爛なエレベーターで2階に。
有名な百段階段の20段に一部屋ぐらいの割で
奥に拡がる部屋に入り、
大正時代に活躍した文豪の著書から
イメージした各部屋を巡り歩く方式だ。

各部屋ごとに趣向が凝らされ、
単に大正ロマンの頃の流行というだけでなく、
その文豪の著作の世界観が広がっているので、
怪しげな青い部屋や文筆活動をしていた部屋、
医務室やカフェなど
当時使われていた道具や家具や小物類などもあって
とても興味深かった。

ところどころで写真を撮れるスペースもあり、
ここぞとばかり私はポーズをとり
友人は何枚も写真を撮らされたので、
それが初めての友人は、私のこのスタイルに
いささか面食らったかもしれない。

しかし、元来ノリのいい友人はすぐに慣れ
最後のエレベーターの中では
偶然、二人きりになれたので、
「今なら撮れる撮れる」とはしゃいでいたので
このパターンの遊びに今後もつきあってくれそうだ。

先週はあまりに忙しく、
せっかく久しぶりに会った友人とも
写真を撮り忘れるなど残念な部分もあった。

でも、今日は暑さにも負けず、
涼しい顔してたくさん写真も撮れ、
イタリアンランチも大正ロマンの展示も
存分に楽しむことができた。

やはりいくつになっても「映え」は大切。

遊びにもすこしは余裕をもって
その企画を着るものひとつからこだわって
都度都度、エンジョイすることが肝要だ!