最近、カウンセリングで
スキーマ療法にエビデンスを感じることが多い。
スキーマ療法とは
主に行っている認知行動療法という心理療法で
カウンセリングを行う中で
現在、ストレスを感じる出来事に対して
その人特有の考え方や感じ方のクセが
生育歴に関係があると感じたクライエントさんに
行う心理療法だ。
スキーマ療法は
幼い頃からのご両親との関わりや
先生や友人との関わりなどのヒアリングを
行わなければならないので、
中には幼少期の親からの虐待や
虐待まがいの言動、
親の決めつけやコントロールなど
封印していた過去を暴き出すようなことに
なることもある。
それはクライエントさんにとって
忘れたい過去の出来事だったりするので
まずはカウンセラーとの信頼関係を
築くことが何より求められており、
まず、認知行動療法を行う中で
ここでなら何を話しても受け止めてもらえる
という気持ちを醸成することが大切だ。
スキーマ療法は
私のカウンセリングルームで導入してから
5年ほどが経つが、
それまでに多くの方が
「やってみたいです」とおっしゃって
取り組んできた。
コロナがあって途中離脱した方もいたが、
年単位で取り組んで
現在、その効果を実感している方が
何人もいらっしゃる。
今日、お話しするある方は、
普段、感情の起伏が激しく
怒りっぽくて夫や息子に当たり散らし、
息子に対してひどい言葉を投げつけたりして
そうなると
自分ではどうにもできなくなる時がある
というのが主訴だった。
しかし、スキーマ療法を実施し、
古いスキーマ(価値観やこだわり)を
書き換え、
新しいスキーマを手に入れた頃、
息子さんが中学受験をすることになった。
そして、約2年の受験勉強ののち、
この2月、無事に
第2希望だった学校に合格したという
報告を聞くことができた。
この間、5年近く、見守ってきたので、
私もホッと胸を撫でおろしたところだ。
帰り際、クライエントさん曰く
「もし、先生に出会えていなかったら、
そして、スキーマが終わっていなかったら、
受験準備期間中、毎日、
『何でこんな問題もできないんだ』とか
『私が12歳の時はもっと出来ていた』とか
激しくののしって
親子して潰れていたと思います。
本当に感謝しています」とのことだった。
スキーマ療法によって
自分と息子は別人格であること、
息子をマルっと受け止め、認めること、
そして、息子の意志を尊重して信じることなど
いくつかの息子に対してと
夫に対する新しいスキーマを
手に入れることができた。
だから、この中学受験も
冷静に観察し、息子を信じ、
ミスリードすることなく進めることができ、
結果に対しても
熱くなりすぎたり、責めたりすることなく
心から息子の頑張りに対して
ねぎらいの言葉をかけられたという。
人はこんな風に変わることができるんだと
いうことを
日々、感じている今日この頃。
「変わろうと思った人だけが
変わることができる」
「人はなりたい自分になる」
これは我がカウンセリングルームの
スローガンである。
こうして何人かの方が
新しい自分を手に入れ、
心穏やかに過ごしているのをみて
私はカウンセラーという職業に
生きがいを感じている。
「もしかしたら、
この方達にとって、私はマリアかも」と
毎週、やりとりのあるHP制作会社の
若い男性の担当さんに
冗談めかしてLINEに書いたら
「そうですよ絶対!これからマリア様と
呼ばせてください‼」と返信が来た。
「ウケる!」と思って笑ってしまったが、
真に受けて精進しようとも思った。
マリア、頑張ります❣