今日は満を持して
ようやくレースのカーテンの修理をした。
我が家のカーテンは
この家に越してきた時、
オーダーして作ったものなので、
かれこれ四半世紀経つ。
古いものではあるが、
当時、かなり大枚をはたいて作ってもらった
案外、高級品である。
とりわけ、リビングの2か所の窓に設置した
厚手の紫色のものと、外側のレースのものは
スイスのフィスバ社製のもので
カーテンの業者さん曰く
最高級の品ということだった。
他に2階の4部屋にもオーダーカーテンを
1階のダイニング・キツチンには
ブラインドを注文したが、
ダントツ、リビングのカーテンには張り込んだ。
何しろ、玄関が『家の顔』というなら
リビングは『家のバスト』ぐらいの位置づけ。
(どんな勝手な言いぐさ?)
となると、リビングのカーテンは
ジャケットと中に着るレースのブラウスか。
いやいや、レースのなので、
女性で言えば、
ワンピースとレースのキャミソールと
(シュミーズは死語であるが…)
いうぐらい大事なアイテムといえよう。
しかし、そうしたお肝入りのアイテムも
時間の経過には抗えず、
経年劣化が気になるようになってきていた。
そんな2年ほど前のある日、
こともあろうか
夫が南側の窓の真ん前に
トレーニング用の自転車を設置し、
運動不足を解消するため
マシーン・トレーニングを始めた。
(自転車型のマシーンではなく、
自分の自転車をマシーンに組み込む形式)
リビングにトレーニング・マシーンを置くとは
一体、どういうつもりか。
うちは駐輪場か??
ジムなのか??
(実は玄関にももう1台自転車は置いてある)
いくら子どもたちが独立し、
食事はダイニング・キッチンで済むし、
リビングには滅多に人が来ないとはいえ、
それはないだろうと思うが、
自転車自体が100万円近くするとかで
「家の外では盗まれるから置けない」ときた。
リビングに自転車を置かれるだけでも
頭にきているのに
そこで自転車をこいでいたある日、
事件は起きた。
夫が勢い込んでペダルを踏み
額に汗して前掲姿勢をとっている時、
腕がカーテンに触れたらしく、
ふと見ると、
レースのカーテンがかなり大きく
引き裂かれている。
美しいレースの部分はそのままだが、
本体の薄い部分の布が経年劣化も相まって
瞬間的な圧力で裂けてしまったらしい。
(例えていえば、
美しいレースのキャミソールを
暴漢に襲われ、引き裂かれた気分!!)
夫はしれっと
厚い紫色の方のカーテンをひいて、
何食わぬ顔を決め込んでいる。
まるで、
『もう、古いんだから不可抗力だ』
みたいな空気を出して…。
ここで世の奥様方は
ヒステリックに叫ぶところだと思うが、
私は事件現場に居合わせたわけではないので、
なぜか抗議の声をあげるタイミングを失い、
呆れてものが言えなくなってしまった。
それから時は流れたが、
お正月に親族が集まった時などは
自転車とその設置したマシーンは
その時だけ、2階に追いやられ、
レースのカーテンも紫のカーテンで隠され、
何ごともなかったかのように
事件は無視された。
(当然、娘たちも呆れ顔)
あのもの凄く高かったフィスバのカーテン。
確か何十万もした。
弁償する気はないのか。
でも、私が買うのは悔しすぎる。
などと長いこと悶々としていたが、
最近、遂に解決する方法を思いついた。
経年劣化した薄い生地の部分だけ、
新しい無地のレースカーテンに置き換え、
裾にレースを縫い付ければいいのでは!
早速、裾に細いレールが仕込んであるタイプの
プレーンなカーテンをネットで注文し、
それが先日、家に届いた。
畳の上に広げてみると、
色合いも違和感がないので、
ちょん切るのではなく
裾より少しレースの方が長くなる位置で
レースを縫い合わせることにした。
意外とカーテンのような大物は
縫うのが難しかったが、
正座した腿の上で
時折、自分の履いているジャージのパンツも
一緒に縫い付けそうになりながら、
何とか2枚を縫い合わせることに成功した。
縫ってみると70㎝ぐらいレースが余ったので
やっぱりオリジナルの古い方のカーテンは
たっぷり布地を使った贅沢な作りだったと
判る。
それでも新品のカーテンは
新しいというだけで
そよぐ風さえ爽やかに感じるから
癪に障る。
ともあれ、
凝ったレースの部分は息を吹き返し、
新品のような顔をして
窓辺に納まった。
きっと夫がいつかそれに気づく日が
あるだろうが、
また、何食わぬ顔で
自転車をこぐに違いない。
余ってしまった70㎝のレースの裾、
いつか何かに活かせる日が来るかも。
いっそ、夫の柄シャツの裾にでも
縫い付けてやろうか。
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