三連休の中日、
午後からは陶芸の研修会が入っていたが、
午前中は時間があった。
数日前、キッチンの食材庫の中を整理していると
賞味期限をかなり過ぎた
ホットケーキミックスが見つかった。
個人的にはそういうことはさほど神経質ではない
タイプの人間だが、
我が家にはひとり口うるさい男がいるので、
どうにかしなければと思っていた。
(男をではなく、ホットケーキ・ミックスを)
そこで、『タルト・タタン』の生地として
ホットケーキ・ミックスを使うことを思いつき、
下調べをしてみた。
最近は何でもネットの検索で出てくるので
本当に助かる。
『タルト・タタン』と入力すれば、
たちどころに何人かの料理人やら
素人やらのレシピが動画配信されていて、
分量や作り方の違いが分かる。
ポールボキューズのシェフ・星野晃彦さんや
オテル・ド・ミクニの三國シェフなど
プロのものと
料理研究家と名乗る女性達、
レンチンを得意とするイケメン男子など、
7~8件のレシピを比較検討。
『タルト・タタン』はリンゴをキャラメリゼし、
タルト生地を別に焼いて、リンゴの上に乗せ、
ひっくり返してサーブするという、
タタン姉妹の失敗作からできたという
有名なケーキ。
(通常は生地の上にリンゴをのせて焼くけど
順番が逆になっちゃったという失敗)
しかし、粉からタルト生地を作るというのでは
ホットケーキ・ミックスの消費には
繋がらないので、
それは無しとして、
とにかく大事なのはリンゴを投入する前に
バターとグラニュー糖だけで
いかにキャラメルを上手に作るかだと
いうことが判ってきた。
三國シェフのキャラメリゼでさえ、
その色合いからして十分ではなく、
ポールボキューズの星野シェフの見事な
キャラメリゼを参考にすることにした。
その血のように赤い濃厚なキャラメル、
そこに投入されたリンゴから
水分が出てキャラメルと合わさり、
煮詰められたリンゴがワイン色に染まる。
最後に追いグラニュー糖とシナモンとで
極上のリンゴのキャラメリゼが出来あがり、
シナモンの香りが芳しく満ちる。
星野シェフはカルバドスを加えていたが、
我が家にはなかったので
私はラム酒を加え、大人の味に。
それをオーブンペーパーを敷き詰めた型に
きれいに並べ、キャラメルもかけ回し、
平たくならす。
ホットケーキ・ミックスはタルト生地を意識し
フワフワにならないよう
卵・牛乳・サラダオイル・砂糖の量を加減し
クッキー生地になるぐらいの硬さに作り、
ゴムベラでリンゴの上になすりつける。
170℃のオーブンで37分焼いて
オーブンから出したら
型より一回り大きな皿で蓋をしてひっくり返す。
熱いうちに食べてもいいが、
キャラメルが生地に染みこんで
味が全体にまとまってからいただくと
絶品!
私は出来立てで、とりあえず試食してから
午後の陶芸に出かけたのだが、
夕方、帰ってきたら、
大きなひとかけがなくなっていた。
犯人は我が家の小うるさいオヤジに
決まっている。
そいつしかいないんだから。
夕飯を作り、
またしても「作りすぎだ」とぶつくさ言われ
右左に聞き流そうとしたら、
向こうからタルト・タタンの脇の
ペティナイフに手が伸びた。
作りすぎだのなんのといいつつ、
スイーツは別腹なのか、
お前は女子高生か?
結局、ホールケーキの半分は
今日の内になくなってしまったので、
残りの半分も明日中になくなるだろう。
意外と簡単に出来て、
フルーツケーキなので
ケーキとしてはローカロリー。
悪魔的な赤いキャラメリゼも上手に出来、
今後も登場頻度が上がる予感。
どんな味か知らないけど、
カルバドスも買っちゃおうかな。
何と言っても
その名前が怪しげだし
本格的な感じがするから(笑)
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