2015年8月2日日曜日

大人の映画『インサイドヘッド』

 
 
連日の猛暑の中、家にいても暑いだけなので、
『セバスチャン・サルガド』という写真家が捉えた地球の姿という映画を観るため、
みなとみらいの映画館に出掛けることにした。
 
最寄り駅にも大きな映画館はあるのだが、
こうした一種マニアックな作品はやっていないので、
みなとみらいの横浜ブルク13まで足を延ばすことにしたのだ。
 
桜木町の駅前広場に降り立つと、案の定、そこは夏休みの親子連れでいっぱい。
映画館のあるフロアもどこも長蛇の列。

いつもは前日までにネット予約をするのだが、今日は何もしていないので 
自動券売機の列に並び、順番を待っているとき、
『セバスチャン・サルガド』のけっこうおどろおどろしいトドか何かが叫んでいる
ポスターが脳裏に浮かび、
一瞬、ここにいる誰もこの映画を観にきてはいないだろうなと感じた。
 
そのポスターはいかにも暗くて、深遠な地球の不思議を物語っている。
各国の映画祭で絶讃の嵐とか言っているけど、
どう考えても明るい映画ではないことは明らかだ。
 
版画家としてこれは観なければと思った決心が少し揺らいだ。
 
その時、目の前の券売機の映画タイトルのラインナップの中に
『インサイドヘッド』という文字を見つけ、
心の中の誰かが「こっちにしたら」とささやいた。
 
『インサイドヘッド』は今注目のPIXERが創ったアニメ映画だ。
先日も他の映画を観た時、予告編をやっていて、気になっていた。
 
その時、瞬間的に心理カウンセラーの私が版画家の私の意向を無視して
『インサイドヘッド』を選択して、ボタンを押した。
 
なんだか心理カウンセラーとして、これを観ないわけにはいかないという
天の声がしたのだ。
 
はたして、夏休みの子ども達や30代40代の親達と共に観た『インサイドヘッド』は
ディズニーのアニメとはいえ、全く子ども向けというより、
大人に向けに分かりやすく人の感情や心理について解いてくれていた。
 
11歳のレイリーという女の子の感情が
住み慣れたところからの引越という事件をきっかけにどう変化するのか、
「ヨロコビ」「カナシミ」「ビビリ」「ムカムカ」「イカリ」という5人が
解き明かしてくれる。
 
私達も自分の身に起きたことをどう感じ、どう捉えるかで、
毎日いろいろな感情に包まれている。
 
自分の中に様々な感情が集合している司令塔があるなんて知らなかったけど、
そう考えて、ちょっと客観視してみると、
自分の中でいろいろな感情がせめぎ合っていたり、話し合っていたりするのが
分かるかもしれない。
 
心理カウンセリングに訪れた人には必ずそうした自分を客観視することを
勧めている立場からこの映画を観ると、
この映画をレイリーという女の子の物語としてだけでなく、
自分を分析して、より楽しく「ヨロコビ」に満ちた毎日にするよすがにできるなと
思えた。
 
ちょっと映画館にいた大勢の子供達にどんな感想を持ったか
訊いてみたい気がしたが、
ひとりで鑑賞していた場違いなおばさんの私は黙ってその場を立ち去った。
 
『セバスチャン・サルガド』の方を観ていたら、どんな気分で映画館を出てきたか
それは観ていないので分からないが、
少なくとも『インサイドヘッド』を観た後は心の中がほっこりして、
もっと自分の気持ちを大切にしようという気持ちになれたので
観てよかったと思う。
 
それにしても連日のこの猛暑、
毎日、寝付きが悪くて睡眠不足で「イライラ」しがち。
「ヨロコビ」で満たされるためには、
快眠のためのクーラーの調節と寝具やパジャマの用意、
そして、足のむくみと足首の冷えの対策をしなければ・・・。
 
「感情」は「知恵」や「知識」とも戦い、
「行動」に支えられていると実感したのである。


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