今日は1日遅れのひな祭り
ばぁばご飯はちょっとだけ
ひな祭りバージョン
例年、ひな祭りの直前のばぁばご飯は
自宅から持ち込みのお皿や
ひな祭りアイテムを駆使して
雛人形型のお寿司なんか作ったりしていた。
けれど、今年は私が忙しすぎて
そんな気分になれず
肝心の娘宅のお雛様も
ピアノの脇に追いやられて
形ばかりのひな祭りだ。
しかし、日曜日に娘からLINEが来て
「今回はお稲荷さんを作って~」との
リクエストだったので、
多少はひな祭りらしいお稲荷さんで
気分だけ出すことにした。
それでも孫ふたりは
「お稲荷さん美味しい!」と
喜んでくれる。
こんな日ももう来年にはこないんだと思うと
やっぱり一期一会
大切に過ごさなければと思った。
目下、孫1号は
5月初めのピアノの発表会に向け
ピアノの練習が1番楽しいという。
孫2号の方は
孫1号のピアノの先生に
「由依ちゃんもリトミックにいらっしゃい」
「それともピアノをやってみる?」
とか言われても
プイッと横を向いてしまうとか。
それぞれの性格も好みも
全く違うふたり。
「マイペースに自分の好きなように
楽しんで生きてください」と
ママとばぁばはあくまで見守るスタンス。
毎年、巡りくるひな祭りは
同じ雛人形がかしこまって座っているけど
孫たちは着実に成長し
いろいろな顔を見せてくれる。
今年のお雛様は
すぐ隣でピアノを弾く
孫1号の横顔を見ているのだろう。
「発表会はオーママも見に行くからね」と
約束した。
友人が貸してくれた本が
とても面白かったのでご紹介したい。
原田マハ著
『本日はお日柄もよく』
である。
もうお読みになった方もいるかもしれないが、
私は原田マハのものは何冊か読んでいるのに
全くノーマークで今日まで来てしまった。
先日、友人と話をしている中で
目下、私が挑戦中の『執筆業』のことを聞いて
「スピーチライターの話、
すごく面白かったから、今度、本貸してあげるね」
と、文庫本を持ってきてくれた。
原田マハさんは異色の経歴をもつ小説家だ。
東京生まれながら、関西の大学を出、
早稲田の美術史科の大学院を修了した後、
商社勤務。
その後、美術館のキュレーターをしていた。
そして、その後、小説家に転身。
その関係で
著書は絵画にまつわるものが多いが、
この本『本日はお日柄もよく』は
スピーチライターといって
大会社の社長のスピーチ原稿や
政治家の選挙演説のスピーチなどを
手掛ける影の参謀といった職業の人の話だ。
内容はとある大手製菓会社のOLが
幼馴染の結婚式に出席するところから
始まる。
そこであまりに感動的で人の心を打つ
スピーチに出会い、
言葉の力を思い知ることとなったこと葉(OL)
一介の製菓会社のぬくぬくOLが
スピーチライター久遠久美の祝辞に感銘を受け
自分でも思わぬぐらいの行動力で
弟子入りし、スピーチライターへの
階段を上り始める。
その時の結婚式の花婿は幼馴染あっくんは
2大広告代理店のひとつに勤めている。
亡くなった父親は野党第一党の幹事長だった。
あっくんは父親に反目する気持ちもあって
政治とは距離をとって生きてきたが
ひょんなことから
「政権交代」の好機に
弔い合戦の矢面に担ぎ出されることに。
それを影でスピーチライターとして
支えることになったこと葉。
ライバル候補、厚生労働大臣K。
Kのスピーチライターは
あっくんのライバル
もうひとつの広告代理店コピーライターの
和田鎌足ならぬワダカマ。
コピーライターもまた、
凝縮した言葉に会社の理念やら
プロジェクトのコンセプトやら
政策の方向性やらを
言い得て妙な言葉で切り取る仕事だ。
ワダカマはその才気を買われて
選挙参謀として相手陣営を率いると同時に、
ライバル候補になった友のことも考え
瞬時に動くことが出来る。
選挙の熱き戦いと
人に降りかかる吉凶の出来事を
スピーチライターという職業を通して
面白おかしく、そして、スピーディ
かつ、ドラマチックに描いている。
私はいい音楽やいい小説を読むと
それがまるで映画やドラマのように
映像化して見えてくる。
まさにこの小説はそんな感じだった。
一気呵成に読み終え、
今、自分がやろうとしていることにも
力を得て、
言葉のもつ力を軽んじてはいけないと
強く思った。
こんな風にブログを書くことも
心理カウンセラーの方のHPブログを
更新することも
毎週訪れるルーティーンになりがちだけれど
読んでくださる方のどこかにささることが
できるかもしれない、
そう思って気を引き締めたところである。