退院してから、初めて銀座まで出かけてみた。
1番の目的は
養清堂のプレオープン記念展に出品する作品を
搬入すること。
2番目の目的は
ギャルリー志門に『文学と版画展』の
DMを取りに行きつつ、ご挨拶。
3番目の目的は
個展の際に予約したホテルの位置を
確認すること。
4番目の目的は
東劇で上映されているシネマ歌舞伎
『四ツ谷怪談』の映画鑑賞。
あさイチから額縁1点を持って
東銀座界隈を歩き回った。
映画が11時から13時だったので
その前に東銀座に予約したホテルへ。
個展の1週目に2泊3日で取ったホテルと
2週目に2泊3日で取ったホテル。
どちらも東銀座の駅から5分ほど。
生れて初めて
「トリバゴ、便利よ~」
「トリバゴ、やったら~」
「トリバゴ、やらなきゃ~」
のCMにのせられるがままに、やってみた。
いざ当日になって迷子になるのは嫌なので
場所だけでも分かっていれば安心だ。
あらかじめ地図はラフに紙に描いて
持って出たせいもあり、
どちらも難なく見つけることができた。
いわゆる海外からの観光客向けの
小さな安いホテルだ。
築地あたりを目当てに来る観光客だろう。
もしかしたら日本人は私だけかもしれない。
しかし、ホテルの格は全く度外視して
個展会場からの立地と価格だけで選んだ。
付近の目印になりそうな風景を写メして
暗くなっていても分かるように備えた。
今、東銀座では
歌舞伎座で『牡丹燈籠』
新橋演舞場で『もののけ姫』
東劇で『四ツ谷怪談』
をやっている。
8月はどこもかしこも納涼大会。
お化けやもののけなど
この世のものではないものが出没中だ。
私は『四ツ谷怪談』を観て
ちょっと涼しくなってから、
銀座並木通りを目指した。
先にギャルリー志門に挨拶に行き、
ギャラリーオーナーと
ひとしきりペースメーカーの話で盛り上った。
今年の『文学と版画展』の会期は
9月第2週なので
個展と丸被りしている。
それはお客様にとってはいいかもしれないが
両方の出品者の私としては
いろいろ画廊にご迷惑をかけることにもなる。
そんなあたりのお願いである。
そして、最後に新しい個展会場を訪ねた。
まだ、揮発系の匂いのする白い空間。
以前の養清堂のスペースとは
だいぶ趣が異なる。
やはりエレベーターホールや非常階段、
バリアフリー仕様の大きなトイレなど
建築基準法で守らなければならないものが
あるせいで
展示スペースが少し狭くなったことは否めない。
養清堂の方の女性オーナーも
引っ越しの渦中でワタワタしながらも
遂にオープンする日が迫ってきて
興奮が隠せない様子だ。
運び込まれた引っ越し荷物が
床にあるせいで
まだ、雑然とした感じではあるけど
それが整理されれば新装なった養清堂の
真新しいスペースはとても心地よさそうだ。
これから芳名帳の台はここ、
お茶スペースはここと定めて
家具も揃えなければならないという。
やらなければならないことだらけで
忙しい日々とはいえ、
そうした作業も楽しいに違いない。
13日にはプレオープンに合わせて、
私の今回の全作品を搬入し、
個展会場を設営飾りつけする段取りだ。
そのピカピカの壁に
1番バッターで飾れる歓びを噛みしめ、
あわや遺作展になるところを
命からがら舞い戻った幸運に感謝し、
粛々と個展準備を進めようと思う。










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