2016年10月6日木曜日

敷居高過ぎ 銀座ASO


 
ママ友3人で、銀座ASOでランチ。
 
ママ友グループでは年に3~4回のペースで、
こんなランチ会がかれこれ15年ほど続いている。
 
いつもは6~7名の参加がある会だが、たまたま今回は幹事の2人と私との3人だけ。
場所は幹事さんのお任せで、
今回はいつもよりベースの予算がちょっと高めの3800円。
 
和光の前で待ちあわせ、先ず、版17の展示を観てもらい、その足でレストランへ。
 
ZOEというビルの8階と9階が「Argent ASO」なのだが、
エレベーターはまず8階でおりる。
ドアが開くと目の前は真っ暗。
人もいないので、本当にここはレストランなのかしらという感じ。
 
5メートルほど歩いた先を左に曲がると、受付カウンターがあるが、やはり暗い。
20畳ほどのラウンジのような空間に黒い革張りのソファがいくつも並んでいるが、
人は誰もいない。
 
奥から黒いスーツの女性が現れ、予約の旨を伝えると、
「どうぞ、こちらです」と先に立って歩いていく。
 
まだ、レストランとしてのテーブルもお客さんも厨房も何も見えていない。
ただ、暗い空間だ。
 
左手奥の大きな扉を開けると、その向こうには個室があり、
大きなテーブルに3人分の食器がセットされている。
このあたりで、既に嫌な予感・・・。
 
何気なさを装いつつも、3人とも内心、「これ、ヤバイよね」と感じていたはず。
 
どう考えても3800円のコースだけではまずい空気に、
ASOオリジナルのカクテルを注文。
 
「お水はいかがですか」との問いに、思わず「大丈夫です」とビビッて答える始末。
 
『水も有料なのは勘弁してくれ』と思っているのを見透かされたように、
食事の中盤に「普通のお水をお持ちしましょうか」と言われてしまった。
 
料理は前菜の盛り合わせとメインとデザートの3品だけ。
確かにひと皿ひと皿は凝っているが、
メインが「ラビオリ」では、がっつりお肉を食べたというような満腹感はない。
しかも、添え物のような比内地鶏のローストが噛んでも噛んでも硬くて飲み込めない。
 
見た目も美しく、お味もいいのだが、
思いがけない贅沢な空間と、たった3人のために立ち働くスタッフの多さに、
緊張感がハンパなく、何だか食べた気がしない。
 
3時間たっぷり、個室に陣取り、おしゃべりして楽しかったが、
そこを出て、娑婆に出たときの開放感からして、いかに気を張っていたかが分かる。
 
外は10月なのに30度越えで、まぶしい太陽が照りつけている。
なのに、ASOの中は真っ暗だし、
お客さんのいる気配が全くなかった。
 
帰りがけによったトイレでさえ、案内人がつくほど奥まっており、
音もなく開くガラス扉の向こうに並ぶ個室に入ると、人の気配で便座が開く。
もちろん、気配で水も流れるハイテク・トイレだから、
もし、お尻まで拭いてくれても驚かないだろう。
 
なんだか昼間に行ってはいけない場所に立ち入ってしまったような変な気分。
結局、大幅な予算オーバーの結果に幹事は平謝り。
 
まあまあ、そんな経験もたまにはいいじゃないか。
有閑マダムを絵に描いたような、ママ友ランチ会だったが、
身分不相応とはまさにこれだなと思うような面白い経験だったのである。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿