2017年4月19日水曜日

スペイン紀行⑤ イースターの祝祭

 
 
 
 
 
私達がスペイン旅行していた4月7日から16日は
まさに現地のイースターホリデイだった。
 
それを狙って日程を決めたわけではなかったが、期せずして
スペインの復活祭の様子を間近で見ることが出来て、とても興味深かった。
 
バルセロナやマドリッドのような都市部では
さほど街中でお祭り騒ぎという感じではないが、
宗教色の強い地方の都市に行くと
連日、写真のようなとんがり帽子をすっぽりかぶって目だけ出した装束の人が
朝から夜中まで列をなして、街中を練り歩く。
 
地域によって、装束の色が決まっているとかで
黒チーム、赤チーム、水色チーム等々、
大人も子どもも装束をまとって、長いろうそくを手に、延々と歩いていく。
 
その長い列は1組が1000人から2000人もの人で構成されているとか。
 
そして、隊列の最後には十字架に架けられたキリスト像の山車が
おごそかに引かれている。
 
ガイドさんの話によると、
この1週間は普段神様のことを考えて暮らしていないような人も
「人生とは」「幸せとは」「生かされていること」などについて考え、
正装して教会にお参りに行くそうだ。
 
日本人にとっては、ちょっと怖い装束の人々が長いろうそくを手に静かに進んで行く
様子は、少し異様な光景だったが、
現地の人々にとっては大切な行事だということは伝わってきた。
 
私達の旅程の中で、セビージャ(『セビリアの理髪師』のセビージャ)
コルドバ、トレドで実際の隊列や観客席の赤いボックス席を見ることが出来た。
 
最後のキリスト像まで見られたのはセビージャのカテドラルだった。
 
写真の黒装束の列である。
 
小さな子どものお母さんが気温30℃を超える暑さの中、
練り歩く息子を心配して、水筒の水を与えている様子から、
自分の子どもが一人前に隊列に参加できることは
きっと誇らしくて嬉しいことなんだろうなと思った。
 
イースターといえば、卵型のチョコレートぐらいしか思い浮かばない私にとって、
キリスト教のお祝いの行事を間近で見られたのは貴重な体験だった。
 
ベストシーズンのスペインで、ベストタイミングでお祭に遭遇である。
 

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