今年最後のコンサートはトリオ・リベルタのクリスマス・ライブだった。
昨日のクリスマス・イブには悲しい訃報が飛び込んできてしまったし、
子供達は独立しているので、今更、クリスマス・ツリーでもなく、
ダンナとふたり、寂しくおうちディナーを食べて過ごした。
「一応、ディナーの体裁は整えたので、どれかワインを開けて」というと
泡の出る奴が何本かあるからとダンナがシャンパンを抜栓した。
シャンパンは抜栓したからには全部飲まないと気が抜けるからと、
グラスに3~4杯ずついただいたので、すっかり酔っ払ってしまった。
亡くなった母代わりの友人のことが頭から離れず、酔いは直ぐに回った。
今日も、午後からの整体で、ブログを読んでくれていた先生と
亡くなった友人の話になったので、
気分はちっともクリスマスらしい感じにならなかった。
関内にあるライブハウスKAMOMEのリベルタ・ライブに行くのは
これで4回目。
一緒にいく友人が3時間も前に整理券を取りに行ってくれて、
開場の時間に私達は落ち合い、整理券の若い順に席を取る。
今回は真っ正面に石田泰尚さまが見える位置。
前回は脇の少し前寄りの席だったが、目の前の人が邪魔でイライラしたので、
今回は少し後方にはなるけど、前にいる人達はソファ席なので、
スツールの私達は一段高いところからスコーンと石田さまが見えている。
ライブの良さはプレイヤーの近さと閉塞感のある空間と、
演奏中からプレイヤーもワインを飲んでいるという何でもありの気軽さだろう。
リベルタにとっても、今夜が今年最後のコンサートだということで、
最初から打ち解けた感じと、好きな曲だけ選曲しましたみたいな構成で、
彼らの素が見えた気がした。
曲目は前半が大好きなピアソラばかり10曲、
後半はミシェル・ルグランやニーノ・ロータの曲など映画音楽にも使われた
メロディの美しい曲ばかり。
昨日の今日なので、メロディの美しい切ない曲が続くと、
自然に脳裏に映像が浮かんでくる。
白いレースのカーテンが翻る窓辺に広がる緑の庭の景色だった。
穏やかな青い空と白い雲、
草原を足首の細い女が白いワンピースをきて、弾むように駆けている。
もちろんそれが母代わりの友人の姿というわけではないのだが、
その光景を見ている切なくて涙が出そうな気分は、
間違いなく友人への思いと重なっている。
死はある種「解放」なんだという感じは昨日からしているから、
今日はとりわけ、メロディの美しい曲が心に染みるんだと思う。
リベルタの選曲がすべてTさんへのレクイエムのようだった。
ライブハウスにいたリベルタファンのおば様達とは違う思いで
私は今日の演奏を聴いていたんだと思うけど、
美しい旋律の音楽は本当に心を温めてくれると実感したライブでした。
ありがとう、トリオ・リベルタ!
Merry Christmas!
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