2018年1月19日金曜日

2枚接ぎ作品の上半分

 
 
 
先週は金、土、日と3連チャンで着物を着て出掛けたので、
すっかり、和室には着物アイテムが広がっていたし、
気持ちも着物人になっていた。
 
しかし、今週の月曜日からは、気持ちを入れ替え、改心し、
版画人として、2枚接ぎの大作の摺りに取り組んでいる。
 
週の前半は試し摺りをとっていたので、ブログをアップする余裕はなく、
まだ、インスタ映えする写真もなかった。
 
しかし、来週の月曜日はなんと雪が降るというではないか。
この機を逃して何としよう!
 
冬期は寒いのはいいとして、空気が乾燥しているのが、何と言っても
木版の摺りの大敵である。
 
湿した和紙が乾いて縮むのを、ガンガン加湿器をたきながら、
部屋の湿度を保つことで防ぐのが、本摺りの重要な仕事になる。
そこで、雨や雪で世の中全体が湿気ているのは、大変、好都合なのである。
 
というわけで、22日の月曜日が雨か雪の可能性が出てきた段階で、
すべての工程はそこに照準が合わされ、
2枚接ぎの下半分、色数が多くて、めんどくさい摺りをそこへ持っていくかが
鍵になってきた。
 
例年なら、めんどくさいパートを先に摺り、大きさも小さいシンプルな方を後にする。
しかし、今年は先に上半分の方から摺ることにした。
 
歳と共に無茶をするのはよくないと分かってきたので、
来週の月火を下半分に当て、
比較的簡単とはいえ、ある程度時間がかかるとわかっている上半分も、
余裕をもって臨む事にしたのだ。
 
以前なら3日間時間を空け、1日は下半分、もう1日は上半分、
3日目は何かあった時のための予備日だったが、
今は夜ご飯の後に3時間だけ摺って、一旦、寝て、
起きてから6時間摺るというように、
間に睡眠や休憩を入れながら、体にお伺いをたてつつ進めている。
 
あ~ぁ、みんな、こうして老いと戦いつつ、
制作しているのかしら。
 
でも、こうして元気に制作できているのは幸せなこと。
 
創りたいと思う作品の構想が浮かんでくるのも幸せなこと。
 
しみじみ今あることが当たり前ではなく、幸せなことだと噛みしめられるのも、
幸せなことである。
 
ところで、さっき本摺りが終わった上半分、
上半分のはずだけど、十分、1枚の絵としてイケてるんじゃないだろうか。
 
いやいやいや、
なかなかどうして、いい作品になりそうな予感。
 
「一呼吸入れ、来週の月火で、下半分も頑張って摺るぞ!」
と、自分を鼓舞し、褒めてあげるのも、
歳をとってからの仕事の進め方なのである。
 
 

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