先週は金、土、日と3連チャンで着物を着て出掛けたので、
すっかり、和室には着物アイテムが広がっていたし、
気持ちも着物人になっていた。
しかし、今週の月曜日からは、気持ちを入れ替え、改心し、
版画人として、2枚接ぎの大作の摺りに取り組んでいる。
週の前半は試し摺りをとっていたので、ブログをアップする余裕はなく、
まだ、インスタ映えする写真もなかった。
しかし、来週の月曜日はなんと雪が降るというではないか。
この機を逃して何としよう!
冬期は寒いのはいいとして、空気が乾燥しているのが、何と言っても
木版の摺りの大敵である。
湿した和紙が乾いて縮むのを、ガンガン加湿器をたきながら、
部屋の湿度を保つことで防ぐのが、本摺りの重要な仕事になる。
そこで、雨や雪で世の中全体が湿気ているのは、大変、好都合なのである。
というわけで、22日の月曜日が雨か雪の可能性が出てきた段階で、
すべての工程はそこに照準が合わされ、
2枚接ぎの下半分、色数が多くて、めんどくさい摺りをそこへ持っていくかが
鍵になってきた。
例年なら、めんどくさいパートを先に摺り、大きさも小さいシンプルな方を後にする。
しかし、今年は先に上半分の方から摺ることにした。
歳と共に無茶をするのはよくないと分かってきたので、
来週の月火を下半分に当て、
比較的簡単とはいえ、ある程度時間がかかるとわかっている上半分も、
余裕をもって臨む事にしたのだ。
以前なら3日間時間を空け、1日は下半分、もう1日は上半分、
3日目は何かあった時のための予備日だったが、
今は夜ご飯の後に3時間だけ摺って、一旦、寝て、
起きてから6時間摺るというように、
間に睡眠や休憩を入れながら、体にお伺いをたてつつ進めている。
あ~ぁ、みんな、こうして老いと戦いつつ、
制作しているのかしら。
でも、こうして元気に制作できているのは幸せなこと。
創りたいと思う作品の構想が浮かんでくるのも幸せなこと。
しみじみ今あることが当たり前ではなく、幸せなことだと噛みしめられるのも、
幸せなことである。
ところで、さっき本摺りが終わった上半分、
上半分のはずだけど、十分、1枚の絵としてイケてるんじゃないだろうか。
いやいやいや、
なかなかどうして、いい作品になりそうな予感。
「一呼吸入れ、来週の月火で、下半分も頑張って摺るぞ!」
と、自分を鼓舞し、褒めてあげるのも、
歳をとってからの仕事の進め方なのである。
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