クロアチアを代表する世界自然遺産といえば、
『プリトヴィッツェ湖群国立公園』だろう。
今までずっと海岸線沿いの街を観てきたが、
初めて内陸部の標高の高いところに位置している。
今回の旅、最後のハイライトだ。
前の日の夜、国立公園内のホテルに着き、1泊。
早朝からハイキングにいく装備を整え、出発した。
ここは16の大小の湖とその湖と湖との落差にかかる滝が見事な景観をつくる、
世界でも類をみないダイナミックかつ、幻想的な景勝地だ。
季節はまだ、春先という感じで、ようやく木が新緑を芽吹きだしたところ。
土の上にはふきのとうやクリスマスローズ、名前は知らない山の花が沢山咲き始め、
春の訪れを告げている。
今年は3月まで雪が降っていたという影響か、
何度も来ている添乗員さん曰く、例年より水量が多く、
滝はいつもより豪快に流れ落ちているとか。
また、山の緑が少ない分、湖がよく見え、
その透明なエメラルドグリーンに吸い込まれそうな感じだ。
面積200平方㎞の広大な国立公園の遊歩道を、5時間半もかけて歩く行程で、
下の湖から途中、遊覧船で向こう岸まで渡り、上の湖まで、
たっぷり約8キロは歩いたらしい。
(もっと短い滞在のコースはその半分も歩かないという)
上と下の湖の標高差は101メートルあるとかで、
決してハイキング初級のコースとは思えなかったが、
全員、マイナスイオンを存分に浴び、心も体も浄化されつつ、全編、歩き通した。
版画家の友人から「天国みたいにきれいなところ」だと聞いていたが、
正に、天国といっても過言ではないほどに美しく、
また、ハイシーズンの一歩手前で観光客も少なく、
プリトヴィッツェ国立公園を訪れるには、今がベストシーズンなのではないかと思う。
旅の終盤だということもあり、
リクエストに応えて、ミュージカルスターのようなポーズで写真に収まっているが、
これも、数珠つなぎの観光客がいたのでは到底出来ないだろうし、
旅の恥はかき捨てなどと言っている場合でもない。
ドブロヴニクとはまた違う、自然の美しさと豊かさの中で、
身も心も清められたと同時に、
帰国の日が迫っていることにも気づいて、
毎回ながら、寂しさと名残惜しさがこみ上げてきていた。
10日間もあるとは言え、
5日目を過ぎたあたりから、転がるように時間が過ぎていくのである。
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