今回の旅行は
「VIPバスで巡るクロアチア・スロベニア・ボスニアヘルツェゴビナ10日間」という
タイトルのコースだった。
Kさんと私がコースを選ぶにあたって、こだわっているところは何カ所かある。
行き先が同じいくつかのコースの中から、
条件にはまるコースを選ぶことにしている。
●10日間の日程であること。
(8日間では実動日は5日だけ、10日なら7日間観光できるから)
●VIPバスであること。
(普通のバスだと定員は40~45名だが、VIPバスは最大28名)
(もちろんバスの座席は3列シートで前後もゆとりがある)
●2連泊が1~2回はあって、スーペリアクラス以上のホテルであること。
(毎日の移動は、連日、朝のスーツケース出しがあって、忙しい)
(ホテルのクオリティが旅の印象を左右するから)
●出来れば成田ではなく、羽田出発であること。
そんな諸条件をクリアしたのが、今回のコースだったのだが、
当然、同じような好みや考えの人が集まってくる。
更に
今回のクロアチアは、海外旅行1回目の人が選ぶような行き先ではないので、
海外旅行の経験豊富な20名が集合した。
つまり、海外旅行にはある程度慣れた、強者ばかり。
それはそれは個性的で濃いメンバーだった。
今までのヨーロッパいいとこ取りコースやイタリアなどでは、
10日間ご一緒しても、ご夫婦の組み合わせがごっちゃになるようなことがあったが、
今回はそんなことは全くなかった。
自分も決して薄いとは言い難いが、
それにも増して個性豊かな面々だったからだ。
こうした旅行は、最初に自己紹介するなんてことは無いので、
Kさんとの会話の中では、それぞれにニックネームをつけることが多い。
例えば、
毎日ロングスカートをはいて、鼻が高く、眉が薄く、真っ赤な口紅の『魔女』と、
そのダンナ
松山から参加した『アラレちゃん』(アラレちゃん風のだてメガネだったから)と
『黄色い薔薇』(大きな黄色い薔薇柄のロングブラウスを着ていたから)
偶然、同じ松山から参加した『松山のみかん農家』とその奥さん
(早い時期にみかん農家をやっていると情報が入ったから)
北海道の姉妹の『お姉さん』と『妹の方』
(実は元会社の同僚だというが、数ヶ月若い方が、お姉さんと呼ぶので)
『ひとり参加の自由人』
(必ず、誰かまだ一人いないという時、どこかに消えているから)
『ひとり参加の自由人じゃない方の男性』
『ひとり参加の小柄な女性』
『ひとり参加の派手な色の服の人』
『クラフト作家』と、そのダンナ
『北海道出身の84歳と、年の離れた略奪愛の奥さん』
(どうやって結婚したかの話で、奥さんが元夫と別れて結ばれたと知ったから)
という具合。
日を追うごとに名前が分かってくることも多いが、
案外、最後まで私達の会話ではニックネームのまま登場する。
つまり、第一印象や最初に話した時の情報がその人を表しているのだ。
私達がそれぞれどんなニックネームになっているかは分からないが、
20名という凝縮したコンパクトなチームでは、
『茨城出身のがさつな添乗員さん』
(とても気の利く、明るくて元気な添乗員さんだけど、ちょっとおっちょこちょい)
(がさつは自称)
も含め、
皆、個性的な旅を楽しみ、日ごとに仲良くなり、濃密な時間を過ごした。
そして、最終日には
「何度も海外に行ってるけど、なかなかこんなに濃いメンバーになることはないわ」
「そだね~」といって、
最後の最後まで笑いが絶えることはなかったのである。
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