1年に1度、写真家のH氏に家まで来てもらって、
作品の撮影をお願いしている。
埼玉県さいたま市から横浜市まで、わざわざ来てもらうのは、
私の作品に2枚接ぎの作品があるからで、
巻いて送って何かあってはいけないということで、来ていただいている。
今年も新しい額縁屋さんで、無事、新作をきれいに接いでもらったので、
そんな話をしながら、1年のお互いの安否確認の意味もある。
なぜなら、1昨年の暮れ、
長年お世話になっていた額縁屋さん(接ぎもお願いしていた)が、
まだ67歳という若さなのに咽頭癌で亡くなり、
「接ぎの仕事をお願いできるところがなくなった」という話をしていたのだが、
その時、H氏ものどの調子が悪くて、内心、ドキッとしたのだとか・・・。
H氏はだいぶ前に大病をしていて、「もしかして転移?」と心配になり、
昨年の撮影の後、すぐに病院で検査をしたそうな。
今日は、幸い、何でもなかったという事後報告を受けながら、
「本当に他人事じゃない年齢になってしまったわね」と
しみじみとした空気になった。
一方、私の今年の作品テーマは「初孫が生まれて感じたこと」だと話すと、
世代交代やら、無垢なる命だとかに話は及び、
つくづく、1年ぶりの撮影会も意味をもっていると感じる。
今年は5点しか撮影する作品がなかったので、
撮影自体はさくさくと終了し、
あとはしばらく、手作りのオランジェをつまみ、
お抹茶を点てて、おしゃべりした。
お互いにひとつ歳をとり、
年を追うごとにプライベートな話もするようになり、
1年間に創り溜めた作品をデータ化しながら、
今年も元気にこの日を迎えられたことに安堵した。
なぜなら、作品には作家の心持ちや心身の健康状態が反映され、
写真家としてちゃんとその辺は見抜いているからだ。
H氏に来年も気持ちよく撮影してもらえるよう、
この1年もしっかり制作しよう。
写真家のH氏、額縁屋のK氏など、
私の作品に関わってくださる職人さん達の目に適う作品を創らなければ・・・、
そう気持ちを新たにした1日だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿