2020年2月23日日曜日

自宅で額装





先日、最後の本摺り作品が出来上がったので、
個展に出品する作品のラインナップを決めた。

個展会場の壁面の大きさや、
入口から奥への見せ方など、
何度か展示をしたことがある画廊なので、
今回のテーマに沿って、
どのように展示するのかあらかじめ決めておく必要があるのだ。

ざっくり言って5年分の作品を展示する予定だが、
やはり、5年前の作品と
最近の作品では、思い入れが少し違う。

5年前に考えていたことと、
ここ数年の出来事や感じたこと考えたことが違うので、
どうしても最近のものを展示し、
観てほしいという気持ちが強い。

会場には所狭しと作品を並べればいいというものでもなく、
お互いに相乗効果のある作品を、
適当な間隔をあけて展示したいと思っている。

時間が経つと
自分の作品でも多少は優劣があるし、
冷静に見て、
展示からは外そうと思う作品が何点か出る。

結局、時計草や紙風船をモチーフに使った作品がほとんどで、
鳥の羽根を使ったものは
親友の死に際し創った「レクイエム」と
もう1点ぐらいしか残らなかった。

展示予定の作品は大小含めて合計26点。

そのうち、今回の展覧会のために新しく注文した額が9本。

他はすでに手元にある額縁に入れて
展示する予定だ。

その中には、すでに何度も中身を入れ替え、
幾度となく展覧会で展示したことのある古い額もあれば、
前回の個展の時あたりに新調して、
まだ、1回ぐらいしか展示に使ったことのないものもある。

もちろん、個展でお買い上げいただいた作品は、
新品か新品同様の額に入れてお届けするのだが、
何といってもオーダーフレームは
一般の方の想像を超えるお値段なので、
今からすべてを新調するというわけにいかないのが現状だ。

今日は以前作った2点の額縁から、
前回の個展では
水の波紋をテーマにした作品をはずし、
新たに「爛」と「艶」という作品を
セッティングし直すという作業を行った。

この「欄」と「艶」という作品は
中国のガンラン版画美術館をいう美術館に
買い上げてもらった作品であり、
「欄」は「文学と版画展」で本の装丁に使用した作品でもある。

今回の展示では
「文学と版画展」で本の装丁に使用した4点の作品は
ギャルリー志門のオーナーの了解を得て、
作品の下に小さな棚を設置し、
装丁のかかった本も同時に展示しようと思っている。

単に額縁に入っている平面作品ばかりでなく、
今回のように本であったり、
椅子やテーブルなど、
版画を利用したオブジェ作品もあることで、
いろいろなジャンルの作品を手掛けていることを発表したい。
(今回、オブジェは1点もないが・・・)

個展だからこそ許される展示で、
最近の私の活動を「全部見せ」したいと思っている。

そういう意味では
陶芸で造った器でお茶やお菓子をお出しするのも、
そうした思いの延長線上にある。

案内状に力を注ぐのも
単にインフォメーションという意味だけではなく、
手に取った方が「素敵な案内状ですね」と思うような、
それをフレームに入れて飾ろうかなと思うような、
そんな案内状にしたいという思いがあるからだ。

まさか、それに1枚120円の郵送料がかかるとは思わなかったが
(はがき状のものは大きくても84円だと思っていたので)
ちょっと財布は痛いが、
もう、それはしかたない。

5年に1度の大盤振る舞い、
完璧を目指すしかない。

こうして予定通りのものもあれば、
想定外のものもありつつ、
個展の準備はひとつずつ前に進んでいる。

あとはコロナウィルスの悪影響だけはご勘弁願いたい。
早期の終息を心待ちにしている今日この頃である。


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