2021年12月12日日曜日

焼きあがった”和モダンの器”

  











土曜日の午後は陶芸工房の日だった。

いつもは第1・3週目に行っているが、
12月の第1土曜日は旅行中だったので、
第2土曜に振り替えた。

第2土曜のメンバーは女性ばかりで、
中でも2人はなぜか美大出身のウェブ・デザイナーだ。
他には作陶歴20年以上の師範代の女性と、
美大出身介護職という経歴の若い女性だ。

昨日は11月下旬に釉薬をかけて
本焼きに回した器が焼きあがってきて、
先生(男性70代)による講評が行われた。

私はいつものクラスではなかったが、
顔見知りばかりなので、講評にも参加し、
他のクラスの講評と
いつもとは違うメンバーの作品が見られて
とても面白かった。

このクラスのメンバーは作陶歴も長いし、
美大出身ばかりなので、
器の完成度の高いものばかりで、
いわゆる手びねりのヘタウマみたいな作品はない。

しかし、驚いたことに
皆、ひとり1点か2点しか焼きあがっておらず、
3か月に1回の本焼きにこの点数は
いかにも少ないというのが第一印象だ。

それに対して、
私は大小あるが、計19点。

それぞれ月2回の作陶日で登録しているのに、
この少なさにはビックリした。
逆に、私の器の数の多さにも
ビックリしたとは思うけど…。

講評の内容は
他のメンバーに対しては、
それぞれプロはだしの水準にまで出来ている器に対し、
もっとどうしたらいいという細かい指摘が続いた。

私の講評は部外者なので一番最後だった。
そして、一番講評しづらいのが
私の器だという風に言われてしまった。

つまり、先生はもっと几帳面で神経質、
正確無比な器しか創らない。
というか、創れない。

それに対して、私の器は自由奔放。
創りたいように創って、
少々歪んだり反ったりしてもお構いなし。

あまりに作陶に対する姿勢や感性が違うので、
講評しようがないというのだ。

きっと私の器は、真っすぐあるべきところが
少し揺れていたり、
お揃いの2つの器が、
微妙に違うカーブだったりするのが
気になって仕方ないのだろう。

私だって、同じカーブにしようと思うが、
型にはめたわけではないから
全く同じにはならないし、
これでも誤差の範囲だと思っているのだ。

私に言わせれば、
先生の器はうまく出来ているけど、
面白くないということになる。

先生は男性で、
長いこと、高校の美術の教師をしてきた。
現代美術の批評家という顔もある。
一方、私は女性で、
長いこと、版画家として木版を創ってきた。
特技は料理で、自分の料理を自分の器に
盛りたくて陶芸を始めた。

元々の感性の違いもあるが、
職業が育てた習い性や
器に求めるものもあるのだろう。

他の女性陣は
「萩原さんは萩原さんなんだから
このまま好きに続ければいい」
という先生の言葉に深くうなづいていた。

答えのない作陶、
売らなければならないわけではない作陶、
自己満足の域でかまわない作陶。

されど、なぜかファンがついていて
私の器たちは売れていく。
先生の頭には
疑問符が浮かんでいるのかもしれない。

個人的には
男性脳の女性脳の違いではと思っている。

まあ、そんな講評とはお構いなしに、
私は今回の白黒の角皿に
「キンパ」か「マグロばかりのお寿司」を
盛るつもりだし、
白と緑の和モダンシリーズたちも
普段の食卓で
お取り皿や盛り皿として活躍しそうだ。

ともあれ、
1点も欠けることなく焼き上がり、
めでたしめでたしな本焼きであった。

これからも街で売ってない
おもろい器を創ることにしよう!

















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