2021年12月22日水曜日

ギャルリーVIVAN 鎌倉に移転

 










銀座にあったギャルリーVIVANが
このほど鎌倉の小町通に移転した。

最初は銀座5丁目の古いビルの6階にあり、
20年近く前、
私も個展をやらせていただいたことがある。

何でも銀座で1番か2番に古いビルだとかで、
ちょっとエレベーターに乗るのが
怖く感じるような建物だった。

しかし、版画のギャラリーとしては定評があり、
版画家の上野さんに紹介してもらって
個展の開催にこぎつけたものだった。

その頃は主に版画を扱うギャラリーで、
一部、万華鏡のコーナーもあるといった
画廊だった。

その後、そのビルの解体が決まって、
ギャラリーは銀座の別の場所に移転して、
10数年。

その間にオーナーの緒方和子さんの興味は
どんどん万華鏡収集に移っていき、
版画のギャラリーというより、
今は完全に万華鏡の方に軸足は移っている。

今回の移転先は
鎌倉小町通に入ってすぐ、
左手の路地の奥、寿ハウスの1階だ。
(とんかつ小満ちの手前を左に入る)

小町通は知っての通りの
若者でにぎわうミーハー通りだが、
寿ハウスへの路地に入ると
途端に別世界のような雰囲気になる。

ヨーロッパ調の噴水がある中庭を囲んで
VIVANと美容室があるのだが、
急に喧騒を離れ、
ちょっとここは日本かしらと思うような
空間になっている。

手前が万華鏡、
奥が版画のギャラリーになっているので、
どうしても万華鏡に重きが置かれているとしか
思えない造りだ。

なので、今までは版画の展示しか見てこなかったが、
今回は思い切っていくつかの万華鏡を手に取り、
実際に覗いてみた。

今や万華鏡は日本人作家が大勢いるとかで、
いかにも外国のものといった感じのものから
木で出来ているもの、陶器で出来ているものなど、
穴から覗けばどれも万華鏡には違いないのだが、
多種多様なデザインのものがあって
面白いし、奥深い。

ひとつ、陶器でできている日本人作家のもので、
中のガラスの色が黒と薄紫とピンクという
大人っぽい万華鏡を見つけ、
とても心惹かれ、
危うく買ってしまいそうになった。

聞けば、
知り合いの版画家の息子さんの作品だとかで、
以前はその息子さんも版画を創っていたけど、
今は万華鏡作家になったんだとか。

万華鏡にはそんな人を惹きつける魔力みたいなものが
あるのかもしれない。

私も次から次へと
手に取り覗きたくなった。

今日は北鎌倉のお茶のお稽古に行く前に
鎌倉まで足を延ばして寄ったので、
私は着物を着ていた。

オーナーの緒方さんが会場で出迎えてくださったけど、
着物だったせいか、
まるで見違えたと驚かれてしまった。

彼女が銀座のギャラリーオーナーだった頃には
しなかったようなプライベートな話が出て、
ご自宅が長谷であることや、
お母さまがお茶をやっていらしたこと、
版画から万華鏡への心変わりなど、
親近感が湧くお話をいろいろ聞けた。

それは銀座という土地柄と
地元鎌倉という土地柄の違いかもしれない。

きっとこの秘密基地のような路地裏のお店には
鎌倉のファンがついてくるに違いない。

私もまた、
次はお気に入りの万華鏡を探しにこようかなと思う。

そして、自分も版画にこだわらず、
創りたいものを創り、
描きたいものを描けばいいと、
少し心が自由になった気がした。

午後、今年最後のお茶のお稽古も無事終了。

コロナの制約の中でも
たくさんの人と出会い、楽しい時間を過ごせたと
今年1年を振り返り思った。

どんな次の1年が始まるか分からないが、
万華鏡の中のきらめきのように、
自分の心を自由に、今あるこの時を大切に
生きようと思う。



















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