自作の器とチョコ
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朱い橋
古都の雨
雨にけぶる街
緑雨
第22回 紫陽花展が始まった。
かれこれ4半世紀に及ぶこのグループ展、
会を追うごとに作家はひとつずつ年を重ね、
あっちが痛いこっちが痛いと言いつつ、
作品は成熟し、
それぞれの個性が際立ってきた。
何しろ、
油絵4名・日本画3名・木版画1名の
バラバラな画法の8名。
共通しているのは神奈川県に住む女性
ということだけ。
同じ日本画といっても、
優しい色合いの花ばかり描いている人、
動物が出てくる人、
墨色だけで花や猫を描いている人と
その技法もコンセプトも全く違う。
私は唯一の版画家なので、
参加した当初から、異端児であったが、
いつのまにかこの会のまとめ役になったので、
今回は会場中、雨でびしょびしょにしながら
偉そうにしている。
雨のシリーズは
コロナ禍で毎日毎日、
来る日も来る日も、
世界中の人の心に雨が降っている今の世の中、
こんな時もあったねと作品にとどめようと
始まった。
1年間、雨をモチーフに
雨をデザイン化し、
スタイリッシュに描けないかと思案してきた。
作品が上下に2分されているのは、
時間が経っても、朝も夜も雨降りということを
表している。
しかし、そうした作品も5点6点と作り進むうちに
徐々に明るさが見えてきた。
最後に創ったカタツムリがでてくる2点は
「もうすぐコロナも終わるよ、きっと」と
そんな風に思えてくる。
同じシリーズでも1年間の内に作家の心持ちが
変化することで、
作品全体の色調も変わってきて、
受ける印象が違ってくるものだと、
展示して初めて感じた。
今日は会期の2日目だが、
お当番として会場に行った初日だったので、
たくさんの友人知人をお迎えしながら、
他方で自作を見つめ直すいい機会にもなった。
今日はあまりいとまがなかったけれど、
明日もお当番なので、
他のメンバーの作品もじっくり観ながら、
自分以外の「ものつくりびと」たちが
どんな風に作品に取り組んでいるのか
研究してみたいと思っている。
なんだかんだ言いながらも、
長きに亘って作品を生み出し続ける原動力は
こうした観に来てくださった方からのエールや
同好の士の作品から得られる刺激が
パワーになることが多い。
1週間、会場でパワーチャージに努め、
新作の活力になればと目論んでいる。
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