2025年2月28日金曜日

『青い鳥』の作品 本摺り

 



















2月の木版画のミッションは
2点のポインセチアの作品の試摺りと本摺りを
とることと決めていた。

2月初旬に最初の1点
シマエナガが出てくる小品を仕上げることが出来
この分ならもう1点も楽勝かと思っていたら
何だか他の予定が押し寄せてきて
遂に最終日にもつれ込んだ。

こちらの『青い鳥』の作品は
『シマエナガ』の作品に比べると大きいが
とはいえ60×60㎝の額に入れるつもりなので
そんなに大きな作品ではない。

実は試し摺りは10日近く前に出来ていたのだが
本摺りを決行する日程が取れず
本当に月末になってしまった。
2月は28日しかないので焦る。

昨日の27日、本摺りに備えて
絵具の調合と和紙の湿しを行い、
できれば夜に少しは手を付けるつもりだったが
午前中に1週間に1度の大買い出し、
夕方にカウンセリングがあったので
何だか疲れてしまって
ヤル気がでなかった。

その分、早く寝て
朝早く起きる作戦に変更し
5時に起床。

ひとり階下に降りてアトリエに籠った。
朝飯前に少し摺り始めることで
ちょっと気分が楽になるからだ。

2時間摺って、
ポインセチアの花びらの赤い部分と
蔦のグリーンのグラデーションを摺り終わった。

ここのところ、とにかく乾燥がひどくて
加湿器をガンガンにつけていても
和紙の周囲からどんどん水分が抜けていく。

そうなると和紙は縮むので
版がズレることになる。
そんなことになっては大ごとなので
霧吹きを小まめに足して
和紙の乾燥を防がなければならない。

来週の月曜から水曜までは
横浜も雨か雪の予報なので
湿度の点では来週に本摺りをもってくる方が
いいのは分かっているが
そうなると2月のミッションはクリアできない。

だれもそんなに急かしたりしていないけど
自分の計画通りに進めたい気持ちが
勝ってしまう。

朝食を作り、せかせかと7分ほどで食べて
また、アトリエに。
この調子でいけば、今日中には摺り上がるかなと
思っていた矢先の7時45分。
手元のスマホにメールがきた。

「こんな早い時間にだれ?」と思いながら
見ると、先週、当日ドタキャンした
クライエントさんからのカウンセリング依頼。

当日ドタキャンだったので
あまり心象はよくなかったけれど
「できれば、またカウンセリングを受けたい」
とあるので、
しかたなく都合を訊くメールを返信した。

すると「できれば今日は無理ですか」とメール。
ちょっと嫌な予感がした。
少し考え「夕方なら」と答えた。

心理カウンセリングを希望する人は
時折、思い詰めていたりするので、
できるだけ叶えてあげようとは思うものの
「本摺り終わるかな」と
相手には見えない手元の状況が心配だ。

「まあ、終わらなければ
続きは明日の午前中にやればいい」と考え、
とにかく2時45分までは
本摺りに集中することにした。

いくつかの仕事を掛け持ちしていると
こういうことは起こりうる。
そんな時、私は気持ちの切り替えと
優先順位のつけ方にメリハリつけて
目の前のことだけに集中することにしている。

結局、ぎりぎり摺り終えることができたので
作品にビニールシートをかぶせて寝かせ、
残りの確認作業と、あればリタッチ、
板に水張りする作業は
夜か明日に持ち越すことにした。

クライエントさんは思い詰めるというほど
ではなかったけど、
朝起きて仕事に行きたくない気分になったら
社会人として
とにかく断りの電話をしなければと
いう行動がとれなくなると訴えている。
大の大人が無断欠勤か…。

さっきまでの『青い鳥』はひとまず置いて
カウンセラーの顔になる。

結局、3月はすこし頻度高くセッションを
することにして
クライエントさんは
次回の予約をして帰っていった。

カウンセラーは「やりたくないよ~」とか
「行きたくないよ~」とは
言わせてもらえないので
せいぜい美味しいものを食べて
しっかり睡眠をとって、
健康な心身を保てるよう心がけることにする。

夜、シートをかぶせてあった作品を出して
摺りの確認をして水張りをした。

青い鳥のモデルは「ぶっぽうそう」なのだが
本当のぶっぽうそうとは少し違う羽根の色に
デザイン化してある。

くちばしにポインセチアを加え
空から降りてこようとしているので
「貴女へ」もしくは「あなたへ」という
タイトルにするつもり。

今日は急な予定に振り回されたけど
結果オーライにはなったので
頑張った自分を褒めてあげようと思う。
お疲れ!!






























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