今日は銀座で開催中の友人たちの個展と
グループ展を観に出かけた。
１件目は養清堂画廊の小林清子展
２件目はLABO35グループ展
1件目は団体展の先輩作家、
2件目は紫陽花展メンバーを含む
多摩美の日本画出身作家の3人展だ。
しかし、今日は
もうひとつ大きな目的があった。
それはそろそろ次回の個展の日程を予約すること。
もちろん場所は養清堂画廊。
ここは大学院の2年の時、
初めての個展を開かせてもらった老舗の画廊で、
以来、今日まで自分の中では
メインで個展を開催している大事な画廊だ。
まず、2階のギャラリーに上がっていく前に
女性オーナーのすえさんと話すことにした。
すえさんは2代目さんで
お父上から画廊を引き継いだ。
私の1回めの個展はお父上の時代で
4回目ぐらいの個展の直後に
父上が亡くなられ
以来、すえさんがオーナー業をしている。
1階のショップに入ると
ちょっと依然とイメージが変わったすえさんが
にこにこ笑顔で出迎えてくれた。
以前はひっつめ髪にタイトスカートのスーツが
定番で
ちょっと硬いイメージだったが、
今日はロングヘアをソバージュ風にして
前髪だけアップスタイル、
黒いワンピースからのぞくシルエットが
少しボリュームアップしたみたいで
正に銀座の女性オーナーといった風情だ。
「そろそろ次回の個展の日程を
決めさせていただこうかと思いまして・・・」と
切り出すと、
オーナーも「今、ちょうどそのお話の
ご相談をさせていただこうかと」と
話を切り出した。
養清堂画廊は写真でもわかるように
銀座に古くからある老舗の画廊で
2階建ての自社ビルの1階がお店、
2階がギャラリーの版画専門店だ。
隣近所は向かって右がカルティエ
左も外資系ブティックといった具合の
高層ビルで、
並木通りのど真ん中にある。
（なんと住所が、銀座5‐5‐15）
そんな高級な土地のど真ん中にありながら、
2階建てのギャラリーの屋根には明り取りの
天窓があって、
天井から光が差し込むという
贅沢なギャラリーだ。
しかし、建物の老朽化とコロン禍など
いくつかの問題があり、
時期もだいぶ先延ばしになったらしいが
遂に、建て替えて新社屋になるという。
私としては
個展の予約といっても
元々2年後の
2025年の11月ぐらいがいいかなと思っていた。
しかし、
今年の12月ですべてのギャラリー業務を休止し、
今後、仮社屋では販売のみを行うという。
取り壊しにした今の場所に新しいビルは、
7階建ての4階までは宝石店がテナントで入り、
5階から7階までが養清堂になるらしい。
そして、そのギャラリーオープンの時期は
2025年の12月。
つまり丸々2年間はギャラリー部門は休止になり、
再開は2年後の12月。
12月はクリスマス・シーズンで
海外の人に版画作品が売れる時期とのこと。
もはや日本の景気は低迷し、
海外のお客様が9割ちかくを占める昨今、
この時期に再開がよかろうということに
なったということだ。
そこで、個展は2年後の秋のつもりだと話すと
「12月でよければ、新しいギャラリーの
こけら落としに先生の個展はいかがですか」と
話が急展開。
「まだ、誰にもここの移転と新店舗の話は
していないので、
よろしければ昔からご縁のある先生方に
優先的に使っていただければと
思っています」と、言ってくれた。
出がけの思惑とは少し違ったが、
なかなかいいお話だ。
せっかちな私は
その場で「お願いします」と即決。
じわじわと「12月の銀座はクリスマスか～」と
11月だというのに半袖を着ている行き交う人を
眺めながら、
並木通りがクリスマスデコレーションに彩られるのを
想像した。
あと2年、
開催時期に合わせた作品も生み出せそうな予感が
するし、
第一、日程とかが決まると
版画家のギアを1段上げられるというもの。
クリスマスに向け、
作品が雨シリーズばかりではおかしいので
雪でも降らせるかと思いめぐらせた。
2023年のクリスマスシーズンに
どんな作品にするか
何にインスパイヤーされるか
今から楽しみだ。
それにはまずは腹ごしらえと、
偶然入ったレストランが大当たり。
二段重のばらちらし寿司にお味噌汁、
ドリンク飲み放題がついて1480円。
ちらし寿司のネタが超絶美味！
広いフロアーに豪華な内装。
夜のお商売だけじゃもったいないと
お昼に破格値の大サービスか。
個展の日程が決まっただけでなく
穴場レストランも発掘できた
「るんるん」な1日。
さあ、あと2年。
仕事と遊びと作品作りと。
バランスを取りながら
「がんばるぞ！おー！！」
心で時の声を上げ、勇ましく帰宅した。
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