今日は今年のお茶のお稽古の2回目。
1回目は頑張ってキモノで出掛けたが、
2回目の今日は早くもその高い志はどこへやら、
いつもどおりのお洋服で出掛けた。
それでも、セーターにスカートというスタイルながら、お茶席に入る前に
白いソックス(足袋の代わり)をはくだけで、ちょっと身が引きしまる。
先週、すでに先生やお社中の皆さんに新年のご挨拶は済ませており
初稽古特有のすがすがしい気分はなかったのだが、
なんと本日の主菓子は笹屋の『蓬莱山』であった。
(といっても、『蓬莱山』が何ほどのことか分からなければ驚きもないと思うが・・・)
写真は
もったいなくて半分しかお茶席でいただかず、そっと持ち帰った残りの半分である。
見ての通り、ぱっと見は白いお饅頭であるが
中が何層にも色が変わる美しい半生菓子である。
お茶の世界ではじょうよ饅頭はとても位が高く
お茶席などで主菓子として用いられることも多い。
よく見るのは中がこしあんで上に桜の花びらの塩漬けが載っているものだと思うが
この蓬莱山はお正月にしか作られていない特別なもので、
毎年私たち弟子達はお稽古場でこのお菓子をいただけるのを待ち望んでいる。
先週、1月の1回目のお稽古があった時、
「今日は蓬莱山かしら」と期待して伺ったが、
鶴屋八幡の『花びら餅』が主菓子として用意されており、
「今年は笹屋さんは手が足りないとかでお正月に蓬莱山を作れないそうよ」と
言われ、内心とてもがっかりした。
しかし、1月も終わりの今日、思いがけずに蓬莱山が届いていたのを見て
これでようやく今年のお茶のお稽古が始まったとさえ思ったほどだ。
裏千家の方は花びら餅をお正月のお菓子として大切にしているが
表千家は蓬莱山を好んで使う。
お茶の世界も、和菓子の世界も奥が深くて
私なぞおいしければ何でもいいなどと思ってしまうが、
歌舞伎の家の芸ではないが
それぞれの流儀を重んじ、しのぎを削り、研鑽を積み
日本文化として脈々と今に伝えていることをとてもかっこいいなと思う。
夕飯の後、ひとりお茶を点て、
残り半分の蓬莱山をいただく時、
「日本人に生まれてよかったぁ~」とほくそ笑み、
「大和なでしことしては、お茶と和菓子とキモノ、これ外せない!」と
今日は洋服にしたくせに
再確認したのだった。
0 件のコメント:
コメントを投稿