昨年末までに摺り上げていた2点連作の作品を久しぶりに出してみた。
上下接ぎ合わせるタイプの作品だが、
まだ接ぎ合わせていないので、今は2点分で4枚の作品だ。
接ぎの部分は3~4㎝になり、そこが後で黒ずんだり黄ばんだりしないよう
中性ののりで専門家に接いでもらう必要がある。
いつもお願いしている額縁屋さんのオーナーが経師の技術を持っていて
そこに宅急便で送りさえすれば、きれいに接いで、額装してくれる。
今日は昔、その額縁屋さんに作ってもらった空の黒い額2枚と共に
この作品2点分も送るため、
朝から額縁がぎゅう詰めになっている画室の物入れから、何十枚もの額縁やら
スケッチブックやら紙類など、引きずり出して大騒ぎになっている。
2月下旬か3月上旬には目下制作中の新作と共に
この2点もプロのカメラマンに写真撮影をお願いするつもりなので、
その下準備というわけだ。
タイトルやサインもまだ入っていなかったので、作品のすぐ下の余白に
鉛筆でエディションナンバーと、題名と、自分のサインを書き入れる。
赤い方の作品は還暦の『還』
蒼い方の作品は輪廻転生の『輪廻』とした。
書いてしまってから『還』と『輪』にした方がよかったかなと思ったが
鉛筆で書いているとはいえ、和紙は消しゴムで消すと紙がボソボソになるので
後の祭りだ。
お目当ての額縁を物入れから出す間、
作品をリビングのテーブルの上に置いておいたら
そこに美しい光が差し込んできて
その向こう側に唐津焼のお地蔵さんが手を合わせていたので
なんだか可笑しくなった。
作品の意味あいといい、
差し込んだ光とお地蔵さんといい、
ちょっとこちらも手を合わせたくなるような感じになる。
さて、額縁屋で接ぎ合わされ、どんな作品になって帰ってくるのやら。
「次の個展の案内状に使えるぐらいのいい作品になって戻って来いよ」
そう願いつつ、宅急便のおじさんを見送った。
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