2025年1月13日月曜日

聖矢と百音のコンサート

 













1月13日、成人の日
みなとみらい大ホールに
「生きる」と題されたコンサートを聴きに行った。

このコンサートは小児がんと闘う子ども達のために
1996年から始められた
「小児がん征圧キャンペーン」のコンサートだ。

コンサートの収益と募金は
小児がんや難病の子どもの支援や
研究に取り組む団体に贈呈される。

毎回、コンサートには
全日本学生音楽コンクールの成績優秀者が
出演し、演奏するのだが、
それだけでは2000人規模の会場を
満員にするほどお客様を呼べないので、
ゲストが出演する。

それが今回は服部百音と亀井聖矢だったので、
聖矢君ファンの私は、聖矢君はもちろん
一度、生百音を間近で見てみたいと思い、
勇んで申し込んだというわけである。

そうしたら、なんとまたしても
3列目中央寄りのかぶりつき席が手に入った。

誘った友人も
「なんで毎回、そんないい席が当たるのかしら」
と、いぶかしがりながらも
私達はいそいそと会場に向かった。

私達は二人共、
横浜のブルーラインという地下鉄を利用して
桜木町に向かうのだが、
今日は折しも
その途中の新横浜の駅そばにある
横浜アリーナで成人式があるので、
我々は何人もの振袖姿の若者を目にした。

お天気も良く
友達同士、晴れやかな表情で集う若者たちは
誰もがとても幸せそうだった。

今ドキの振袖の流行は
白地に大きな花柄、もしくは赤い振袖か
そんなことを思いながら
私はみなとみらい大ホールへ。

最初に全日本学生音楽コンクールバイオリン部門
中学校の部第1位の女子中学生が演奏、
曲はサンサーンスのロンドン・カプリチオーソ。

うまいけど緊張しているせいか音が固く、
高音に抜けがなくちょっと雑味がある。

前座の演奏が終わると
いよいよ神奈フィルをバックに
服部百音のヴァイオリンだ。

テレビの『題名のない音楽会』あたりで
彼女をよく目にすることはあるが
生百音は初めてだ。

舞台に登場した百音さんはとにかく細い。
緋色とでもいうような真っ赤なドレスに身を包み
どうやったらそんなにストレートに
できるのかと思うような
腰まである漆黒のロングヘア。
歌舞伎役者かと思うような隈取の
アイラインの濃い化粧。

舞台中央に立つと神経質そうに目を伏せ
やおら演奏が始まった。

曲はブラームス
ヴァイオリン協奏曲 二長調 作品77

その激しい演奏スタイルは
あまりにルッキズムが勝っているので
バイオリニストという役の女優が弾いている
としか思えない。
音は誰かが弾いていて
目の前の女優が形だけ演奏しているとしか
見えてこない。

40分ぐらいの演奏は
全編イケイケのオラオラなので
聴いている聴衆は煽られっぱなし。

演奏後の生百音は全力疾走の後で
不機嫌な様子で
ドヤ顔で会場を睨みつけている。

前半の最後に百音のアンコール独奏があったが
曲目は『魔王』なので
こちらもイケイケのオラオラ曲だった。

どこまでもこういう曲が好きな
キツイ性格なのだろう。

20分の休憩をはさんでプログラムの後半へ。

後半は学生コンクールの上位3名は
神奈フィルのメンバーとして楽団員にまぎれ
誰がその3人かは
席が前過ぎてよく分からなかった。

ソリストとしてのゲストは
いよいよ亀井聖矢君だ。

前回、同じ友人と亀井君を見た時も
同じく2列目か3列目かの席で
斜め後ろから肩越しに彼の横顔が見える位置
そして、手はとてもよく見える位置だった。

百音さんが登場した時とは違う
優しい空気が会場に漂い、
ピアノの椅子を少し調整した後、
指揮者と目を合わせ、演奏が始まった。

曲はブラームス
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83

こちらも「生きる」というタイトルに合わせたのか
やはりかなり激しい曲だった。

それでも百音さんの挑むような演奏と違って
激しさの中からは勇気が湧きあがってくる
パワーをもらえるような気がした。

聖矢君のアンコールのソロは
ショパンのノクターン第8番 作品27

「先ほどはかなり激しい曲で疲れたので
アンコールはショパンで」という聖矢君に
好青年の横顔を見た。

そして、最後の最後は
百音さんと聖矢君のふたりで
ストラヴィンスキーの
ぺトリューシュカだったので、
これまた速いピッチの曲で
聖矢君が百音さんに合わせた選曲か。

コンサートは思いのほか盛りだくさんで
丸3時間もかかった。
内容も全編煽られている感じだったので
お腹一杯になってしまった。

~「生きる」~
小児がんと闘う子ども達も
日々「生きる」ことに直面しながら
生活していると思うが、
今日、成人式を迎えた20歳の若者たちも
これから長い人生の船出の時だ。

「生きる」ことの困難にぶち当たって
辛いこともあるかもしれないが、
百音さんのように真っ向勝負するのか
聖矢君のように軽やかに挑むのか
いずれにせよ
「頑張れ!!」とエールを贈りたい。




















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