2025年1月30日木曜日

飾り彫り ~描くように彫る~

 









今日は1歩も家から出ずに
彫り台の前に座り込んで
飾り彫りをしていた。

昨日までに、平彫りといって
縁取りの部分を彫るパートを
すべて仕上げたので、
残るは飾り彫りと呼ばれるパートになる。

飾り彫りは木版ならではの表情をつける部分で
彫り跡がそのまま作品に反映されるので、
彫り師の腕の見せ所というか
木版画家にとって
一番面白い彫りのパートといえる。

飾り彫りで大切なのは下絵で
その下絵の線をよりどころにしながらも
彫りの勢いや刀の持ち味を生かしつつ
彫っていかなければならない。

つまり、刀で描くように彫るというのが
飾り彫りの極意だ。

今回の作品はポインセチアと鳥に
飾り彫りがあるので
2版目にあたるポインセチアと鳥の部分に
下絵は
昨日のうちに、版に直接、描いておいた。

水彩を使って、面相筆という細い線が
描ける筆で太さに緩急をつけ
筆の勢いを活かして描いていく。

トレッシングペーパーの原画からは
ボールペンで版木に転写しているので
5mmの均一の線で下絵が転写されているが、
その線をガイドに絵を描くように描く。

一夜明け、
今日は朝から刀を握り
今度は描くように彫る番だ。

昨日の下絵として水彩で描いた時より
もっと描くように彫る。

彫るという作業の中で
最もアーティスティックな作業といえよう。

なので、こういう日は
途中でカウンセリングが入っていたり、
買い出しがあったり、
ばぁばご飯を作りに行ったりしない方がいい。

そう思って、一意専心、
ずっとうつむいて力仕事をしたせいか、
午後には
頭の重さで首がカッチカチになった。

人の頭はボーリングのボールぐらいの重さが
あるというので
5~6㎏はあるのだろうか。

それを頭を前かがみにして
首と肩で支え続けているのだから
考えただけでも肩こり首凝りは必至だ。

カーブスで僧帽筋も鍛えているはずだけど
この重たい頭を支え続けるには
まだまだなようだ。

そんな彫り師の嘆きはともかく
夕方までに
本日のミッション
2点分の飾り彫りは無事に終了した。

ギリセーフで
1月中に2点分の彫りを全てやり終えた
ことになる。

1月のカレンダーの片隅には
「2点分の版木転写と彫りスタート」と
書いてるので
スタートどころか彫り終えたので
2025年は上々の滑り出しだ。

カレンダーに版画のミッションを書く時も
ちょっと目標に幅を持たせて書くことで
いらぬプレッシャーを感じずに済むし、
保険をかけておくことで
仕事が雑にならずに済む。

自分で自分に約束をする時のコツだと
思っている。

実は別件で
人がストレスなく仕事や家事をする上で
どんな考え方をすればいいのか
模索中なので、
こうしてブログに上げて
整理しているという側面もある。

あれこれ忙しいが
「オーママは七色仮面」という
キャッチコピーの実践中なのである。

というわけで、
これを書いたら今度は夕飯の準備。
今日は白菜と豚肉の蒸し煮と
あとは何にしようかな~。

スパッと切り替えるのも
大切なポイントだと思っている。




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