封切になったばかりの映画を
109シネマ川崎まで観に行ってきた。
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』
2024年のベネチア国際映画祭で
最高賞である金獅子賞を獲得した作品だ。
物語は
末期がんのマーサは治療を拒み安楽死を望んでいる。
この思いに寄り添い支えようとするイングリッド。
森の中の1軒家を最後の場所に選び、
「ドアを開けて寝るけど
閉まっていたらもう私はこの世にはいないと
思って。
あなたにはそれをそばで見守って欲しい」
もちろん法的には許されていない安楽死。
戸惑いつつも
マーサの願いを叶えようとするイングリッド。
全編ほとんど二人だけの静かな会話。
しんしんと花びらのように舞う都会の雪。
きれいな色のセーターや花瓶の花など
どのシーンもカラフルで美しい。
予告編を見た時から
封切になったら絶対観に行こうと思って
検索したら、行ける範囲では
川崎の109シネマでしかやっていないことが
判り、
時間も変に遅いけど行くことにした。
300人ぐらい入る
大きな会場が用意されていたけど
テーマが重いせいか
けっこう年齢の高い人がパラパラと数名だけ。
ほとんど貸し切りかと思うような状態で
ゆっくり鑑賞することが出来た。
ふたりの女優の簡潔なセリフと
あまり多くを語らなくてもわかる心理描写は
観る人に言葉以上のものを語りかけてきた。
もはや治療の施しようのない病
痛みや苦しみの中で死んでいく恐怖
尊厳を保ったまま死んでいきたいという思い
違法な手段で手に入れた薬で
自らその時を選んで死にたいマーサ
その思いに共鳴するイングリッド
劇中のイングリッドは
側に寄り添うことも罪であるということと
友人の最後の願いをかなえてあげたいと
いう揺れる気持ちの中で
協力することを決める。
象徴的な鮮烈な赤いドア
死に装束の黄色いパンツスーツ
最後の時にひいた血のように赤い口紅
はらはらと舞い散る白い雪
いずれも絵画のように鮮烈に描写され
死を受容する
映画が終わり、
急いで京急線で最寄り駅まで戻り
タクシーを飛ばして帰宅したら
すでに夕方6時を回っていた。
朝から
美容室に行ってヘアカラーをしてもらい、
カーブスに行ってひと汗流し、
川崎でベトナム料理のランチを採り、
ティールームで原稿の素案を練った。
そんなバタバタな私の日常の中に
美しくも静謐な映像が流れ
死について
考えさせる重いテーマが投げかけられた。
そんな
久しぶりの映画館での映画鑑賞は
非日常にトリップする極上の時間だった。
オススメの1本!!
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