2016年8月27日土曜日

実り多きタンゴ合宿

 
 
 

 
昨年11月より通っている「アルゼンチンタンゴ 音楽とダンスの魅力」と題された
鶴見大学生涯学習のコースの仲間と
那須にある鶴見大学寮で行われたタンゴ合宿に参加した。
 
生涯学習のコースは、授業の半分がタンゴの歴史や音楽に関する座学、
もう半分がタンゴダンスの実技という変わった形の授業である。
 
当初、私はピアソラのことを深く知りたくて受講したので、
実技の部分にはさほどの興味はなかった。
 
しかし、2クール目(1クール10回)が7月に終了した今、
月に1度のサリダの会という実技オンリーの学習会にも行くようになり、
タンゴを踊ることへの面白みが増してきている。
 
他の受講メンバーにも同じように踊ることに魅せられた人は何人もいて、
今回はそんな踊り手達が更なる上達を目指して集った。
 
メンバーはダンス歴7年のベテランから、3ヶ月の初心者まで。
 
この合宿の目的は主には参加メンバーと先生との親睦だと聞いていた。
私は夏はどこも混んでいる上に高いので旅行はしないし、
暑い8月の横浜から逃れたいという安気な気分で、参加することにした。
 
2台の車に分乗して、那須の大学寮に参加したのは先生ご夫婦+11名。
男性5名に女性8名とこの会としては珍しく女性の数が多かった。
 
鶴見大学は総持寺と関係があるせいかお金回りがいいらしく、
とても立派な寮に美味しいお料理を作ってくれる親子の寮長さんがいてくれた。
 
我がアルゼンチンタンゴチーム貸し切り状態で1泊2日のタンゴ合宿が始まった。
 
メンバーの親睦が目的と聞いていた割りには、
スケジュールがバッチリ決まっていて、昨日は到着するなり、体操着に着替え、
ゴルフボールを使った凝りほぐし体操を30分。
 
その後、レッスン着に着替え、ダンスレッスン75分。
 
小休止の後に夕食。お風呂タイム。
 
そして、午後8時から11時半まで、なんと踊り明かすというミロンガタイムだ。
 
通常は9㎝のタンゴ用ピンヒールを履いているが、室内のフロアなので、
ストッキングかバレエシューズを履いて、
つま先だったまま背筋を伸ばして踊ること、約5時間。
 
今回のテーマは「男性のリードをフォローする女性がどう受け取るのか
男性はどう女性に自分の意思を伝えるのか」というタンゴダンスの根幹をなす
課題について。
 
ミロンガダンスというのはショーのためのダンスではないから、
あらかじめ振り付けが決まっているわけではない。
 
写真は10月のショーでデモンストレーションをするメンバーの踊りなので、
フォーメーションが決まっている。
 
しかし、通常は男性が踊りたい女性を誘って、
ふたり向き合い、軽く抱き合って踊る。
 
かかった曲を聴いて、男性のリードを察知して、一瞬遅れて女性がフォローする。
(同じようについていく、もしくはステップを踏む)
女性は男性がどんな風に踊るのか推測して先に動いたりすることなく、
相手の気やちょっとしたホールドの感触、足の重心や動きで、
次の動きを感じてついていく。
 
最初は男性のリードなくして全く女性は能動的に動いてはいけないということ、
そのものに驚いたし、抵抗もあった。
 
しかし、半年ぐらい経つうちに上手な男性の巧みなリードを感じて
踊らされることの心地よさを感じられるようになってきた。
 
今回はそうしたリードとフォローの究極のコミュニケーションを
いつもの何倍もの時間、じっくり踊り込むことで、体感することが出来た。
 
そもそも踊りやすい相手とリードが分かりにくくて踊りにくい相手がいたのだが、
その伝え方のタイプの違いを超えて、
誰のリードも読める出来る女を目指し、
ひたすら神経を集中し、つま先立ち、背筋を伸ばして踊って踊って踊りまくった。
 
お陰で、タンゴダンスの神髄の部分にちょっと触れることが出来たし、
同じ相手でも、今の踊りで通じ合えたと一体になる瞬間を共有することも出来た。
 
今まで細切れに説明を受けて、次々チェンジしなければならない相手に
疑問を深掘りすることなど出来ずにいたことが、ここで少し解明した気がする。
 
参加者中、私を含む3人の初心者女性陣は
この合宿中の数時間の間にも目に見えて上達したと褒められ、
参加してよかったと実感。
 
もちろん夜中の2時半まで、飲んで食べてしゃべって、親睦も深まり、
タンゴダンスの物言わぬコミュニケーションの奥義に触れ、
実り多きタンゴ合宿は幕を閉じた。
 
さて、この先、タンゴダンスを我が人生にどのように位置づけるか
これは大きな問題なのだが、
昨日今日ご一緒した先生ご夫婦を含むメンバー全員との距離が縮まり、
新しい交友関係が結べるのではと嬉しい予感がする。
 
 

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