2016年11月6日日曜日

長女の結婚式

 
 
 
 
 
うららかな晴天に恵まれた今日、11月6日、表参道アニヴェルセルで
長女の結婚式と披露宴が執り行われた。
 
半年前に婚約が整い、式場が決まってから、入籍と新居への引越を含め、
いろいろな段取りを経て、ようやく今日という日を迎えた。
 
昨日のお昼は大阪のお婿さん家族が前乗りで東京にいらしたので、
お昼に2家族顔合わせを兼ねた懐石料理の昼食会があり、
その足で長女は実家に戻っていたので、夕べは家族4人の最後の晩餐となった。
 
その時は長女から、とくだん殊勝な挨拶があったわけではないが、
シャンパンのグラスを傾けながら、
久々に自宅で静かな夕食のテーブルを囲んだ。
 
今朝は朝早くにハイヤーを手配してあったのだが、
家族4人、
車内では寡黙な時間が流れて、それぞれの想いが胸に去来しているようだ。
 
表参道の会場につくと、何人ものスタッフが挨拶にやってきて、
さっそく手はず通りに花嫁はメーク室に消え、
次女や私のヘアセットや着物の着付けも始まると、
いよいよ本番が雪崩を打ったように始まった。
 
結婚式において、花嫁の母は決してちょろちょろカメラを持って走り回ったり、
花嫁花婿に近づいて至近距離で写真を撮ったり出来ないので、
まだ、手元にいい写真がないのが、残念だが、
それでも、何枚かの写真をアップして、ご報告させていただくことにしよう。
 
お式は式場の隣のチャペルで行われ、ちゃんとどこだか外国籍の神父様が
結婚式を挙げてくださった。
 
花嫁の父は花嫁の手を取り、花婿に引き渡すという役目があるのは分かっていたが、
花嫁の母も花嫁が式場に入ったところで、花嫁のベールをかぶせるお役があった。
 
ウエディングドレスに着換えた長女が入ってきて、
控え室でそんな段取りの説明を聞いていたら、
急に長女が早くも涙ぐんでいるので、
「もしかして、この人、全編、泣いちゃうのかしら」と心配した。
 
しかし、本番では、私が入り口でベールをかぶせ、お祝いの言葉をかけ、
軽くハグして娘を送りだすと、
その後はニコニコと終始嬉しそうな笑顔を見せ、
その顔は歓びに輝いていた。
 
なんちゃって教会のお式だからと軽く考えていたけれど、
なんのなんの聖歌隊の賛美歌と神父様の心温まる言葉、
式場の清らかな空気と、
立ち会ってくださっているお友達や会社の同僚の方達の優しい拍手に包まれ、
ふたりは厳粛な気持ちで、新しい夫婦としての第一歩を踏み出した。
 
披露宴に移ってからは、それぞれの主賓にご挨拶をいただき、
乾杯のご挨拶をいただいて、ケーキカットに引き続いて、
和やかにフルコースの食事がはじまった。
今流行の「ファーストバイト」は自分達らしくないからとしない分、
面白いサプライズ演出があった。
 
それは、ひとつはお色直しの色ドレスで登場したときに、
お婿さんが大きなビールサーバーをリュックのようにしょって、
各テーブルにビールをついで回りながら、挨拶をするというもの。
 
まあ、キャンドルサービスの代わりだが、
ユーモアがあって、いいアイデアだ。
 
そして、もうひとつ、小さい頃の写真で振り返るムービーが流れている間に、
今度はシェフの恰好に着換えたお婿さんとエプロンをつけた花嫁が登場し、
隣の部屋に設けたスイーツバイキングのサーブをするという企画。
 
すでにフルコースを食べ終えたお腹に、
数多くのスイーツは入りそうになかったけれど、
皆さんすっかり打ち解け、お酒も回って、
楽しそうにシェフやエプロン姿の花嫁とスイーツのお皿を手に、
スナップ写真を撮っている。
 
会場をふたつ大きく使っての演出はさすがアニヴェルセル、
人気の秘密はこのあたりかと感心した。
 
その上、お料理もスイーツもとても美味しかった。
 
そして、披露宴の最後はお定まりの両親への感謝の手紙を花嫁が読み上げ、
ふたりの母親にはローズピンクの花束が贈られた。
 
長女にとっての私は「生まれた時から画家で、パワフルで前向き、理想の女性」とのこと、
影響力の強い母であり、常に味方でいてくれる人という評価だった。
 
ここでも、私は花束を受け取って、娘を抱き寄せたので、
さすがに感極まって、娘と私は勿論のこと、会場にいた多くの方のほおを涙が伝った。
 
こうして、温かくて、ユーモアがあって、優しい結婚式が無事、終わった。
 
終わってみれば、3歳年下の婿殿はすっかり姉さん女房の尻に敷かれて、
「万事、これでうまくいくよ」というお墨付きをいただいたようだ。
 
若いふたりが何度も何度も通って、
ひとつひとつ決めた式と披露宴がこうして無事に終わり、
ひと組の夫婦が晴れて正式に誕生した。
 
娘が結婚して、別の姓を名乗る。
ほとんどまだ、何も知らない青年が義理の息子になる。
更にもっと知らない人達が親族になる。
 
そんな不思議なご縁をしみじみと味わいながら、
娘が幸せを掴んだことが、親の自分をこんなに幸せにしてくれるんだと
心のそこから歓びが湧き上がってくるのを感じた。
 
 

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