2018年11月30日金曜日

上海の光と影

 
 
 

 
 
 
27日から29日まで、古い友人と上海に行って来た。
 
その友人とは35年も前、初めての赴任地香港で一緒になり、
家族ぐるみのおつきあいで今日まで仲良くしてきた。
 
お互い結婚してすぐの転勤で、外地での出産・子育てを同時期にしてきたので
気分は戦友みたいなものだ。
 
これまでもホームパーティや旅行など、
数々の思い出を作ってきたが、
海外旅行にふたりで出掛けるという意味では、
今回が初めてのことになる。
 
旅の目的は、上海のリッツカールトンに2連泊するということと、
香港でも季節になると食していた上海蟹をいただくこと。
 
上海は私は2度目(1度目は次女と行った)、彼女は初めてだったが、
中国の観光地には二人とも全く興味が無く、
とにかく今回はリッツと蟹、
そのふたつが味わえればいいという不埒な観光客である。
(直前に中国の五つ星ホテルの掃除が不衛生だとニュースになったが・・・)
 
しかし、13、14年ぶりに訪れた上海は恐ろしく発展を遂げており、
地震がないせいか変わったデザインの高層ビルがニョキニョキと林立し、
どのビルもライトアップがまばゆいばかり。
 
世界2位という高さを誇るビルの最上階の展望台から眺める景色は、
その中国の力を誇示するかのような光の洪水だった。
 
が、反面、上海の上空は朝からスモッグに覆われ、
晴れているのに青空は見えず、
北京と同じく汚染されていたのにはビックリした。
 
実際、2日目、私達のバスは郊外に行くため高速に乗った途端、
スモッグで視界がとれないため、高速道路が閉鎖になり、
1時間半も渋滞したまま立ち往生するというめにあった。
 
この大気汚染を何とかするため、
自動車のナンバープレートには法外な値段が課せられ、
本体が200万円の車でも、ナンバープレートの取得にもう180万円かかるとか。
 
そうまでしてでも、上海に乗り入れる車を制限しようと
政府は考えているにも関わらず、
車はどの道にもひしめき合い、渋滞は日常茶飯。
 
しかも、500万円以上はするであろうBMWやアウディ、ベンツなどの高級車が、
きれいに洗車され、無秩序な無謀運転で走っている様は、
今の中国の勢いと中国人の気質そのままな気がした。
 
中国の光と影、
成功者が巨万の富を手にしている一方で、
その国土の広さと人口の多さの中で、常に競争が繰り広げられ、
貧富の差が歴然だ。
 
私達はその富の象徴である五つ星ホテルに泊まり、
香港でも有名だった上海蟹の名店で食事をし、
119階のビルの展望台から夜空に繰り広げられた光のショーを楽しんだことになる。
 
しかも、日中友好とばかりに、
友人は古い満鉄時代のイギリス製置き時計と淡水パールのイヤリング、
パール粉入り美白クリーム、
ラテックスの高反発ベッドマットにシルクのテーブルライナーを購入。
 
私も大粒真珠が連なるネックレスと漢方茶、中国食材、
同じくシルクのテーブルライナーと美白クリームを購入したので、
それぞれちょっとここでは言えないほどの大散財。
 
完全に富裕層の過ごす3日間だったに違いない。
 
もちろん楽しかったし、リフレッシュしたのだが、
一方で、中国の病んでいる部分や中国人の底知れぬパワーも感じて、
ちょっと恐ろしいとも思った。
 
同じアジア人として、
似たような顔つきなのに、全然違う倫理観や野心を持っているんだと知って、
隣国なだけに怖いと実感した3日間だった。
 

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