2022年9月19日月曜日

恭平を聴きながら

 












三連休の3日目だが、
台風14号の影響で横浜も風雨に見舞われるという
予想だったので、
今日は1歩も家から出ない構えで
朝から作陶することにした。

土曜日に多めに買った粘土が余ったので、
家に持ち帰り、
静かにひとりで作った方がよさそうな
急須に挑戦することにした。

急須と言っても、持ち手がなく、
やや小ぶりで胴を挟んで持ち、
そのまま傾けてお茶を注ぐというスタイルだ。

まず、先月、歌舞伎座の上のショップで見つけ、
更に、先日の「デジタル故宮展」の
ミュージアムショップでも似たものを見つけた。

人の目というのは
気になるものがあると
それが目に飛び込んでくるようにできている。

少し上のふたつのデザインは違うのだが、
胴を持ってお茶を注ぐという点では同じだ。

ひとりでお茶するとき、
ひとり分だけ茶葉を急須にいれたら、
ひとり分のお茶が手軽に飲めるという
コンパクトな急須だ。

ひとり暮らしの人や、
仲良し夫婦、友達ひとりの来訪時など、
1~2人分のお茶を丁寧に淹れたい時などに
おしゃれに使える器といえよう。

今日は午前中の雨の止み間に
生協の配達があり、
中に待ちかねた「反田恭平のCD」があった。

昨年秋のショパンコンクールで
2位になった時に弾いたショパンの曲の数々を
今年の1月にサントリーホールで
凱旋コンサートと銘うち弾いた時の録音だ。

ショパンコンクールの時は
毎日、進捗状況を追いかけていて、
2位の瞬間も胸を熱くして見ていた。

何とか生恭平を見たくて、
その後、凱旋コンサートやら何やら、
とにかく手当たり次第に申し込んだが、
あまりの人気でチケットが取れず、
今日にいたっている。

なので「あのショパンをもう一度」の思いで、
CDに針を落とし(古!)
恭平ワールドに浸りながら、
急須づくりに取り組んだ。

蓋物はやはり難しく
1度は半分出来た急須の本体をつぶした。

手と目は急須に向かっているのだが、
ディスクからショパンのポロネーズや
マズルカが流れてくると、
27歳の青年が5年の歳月をかけて挑んだ
コンクールの日々が思い浮かび、
脳が熱を帯びるような気がした。

蓋は蓋で難しく、
重みに耐えきれず沈もうとするので、
2度つぶした。

ペットボトルのお~いお茶ではなく、
深く静かなお煎茶をいただく日は
いつになるのやら。

残りの土で可愛い桃の形の湯飲みを
ふたつ作った。

うまく作れたら、
また、いつもの友人たちが
「これ、いいわね」と
あっさり買っていくのかもしれない。

この急須と湯飲みに
どんな明日が待っているやら。

反田恭平のCDに素敵な言葉を見つけた。
それは彼が師事している
クリスチャン・ツィメルマン先生から
コンクールの後にかけてもらった言葉。

You are not a Pianist.
YOU ARE A TRUE ARTIST!!

敬愛する恩師にそんな風に言われ、
涙する恭平(の写真)

羨ましくもあり、美しくもあり。

ものつくりの端くれとして、
音楽家であれ、美術家であれ、
自分の生み出した何かが人を揺さぶったり、
喜ばせたりできたら、
それはとても素敵なことだ。

恭平と季満野の未来に幸あれ!
(いっしょにすんなと言われそう)



















0 件のコメント:

コメントを投稿