2015年7月4日土曜日

タンゴの魅力にふれて


 
ここのところ頻度高く観にいっているヒラルディージョという団体の
タンゴのチャリティコンサートに行って来た。
今回は最寄り駅にあるひまわりの郷ホールなので行くのも楽ちんだ。
 
先月観たのは同じ団体のバンドネオンとフラメンコギター2本との共演だったが、
今日のコンサートの目玉は何といってもタンゴのダンサーが出ること。
 
他にバンドネオン・ピアノ・ヴァイオリン・歌と朗読も入るという豪華メンバーだ。
 
この団体が主催するチャリティコンサートは
時間はアンコールをいれても2時間弱しかないし、
出演者はいわゆる有名人でもない。
 
ホールも有名どころではなく横浜市や区の建物だから、2~300人規模しかない。
 
しかし、その分、チケットが2000円とか2200円のお手軽値段で観ることが出来、
目の前で演奏したり踊ったりを間近で観られるライブ感がたまらない。
 
ここのところ、ちょっとはまっていて、たて続けに観に行っているが、
今日のタンゴのコンサートは中でも出色の出来。
 
客席もほぼ満席で、お客さんの反応がよかったせいか、
演奏の温まり方も早かった。
2曲目ぐらいから客席との一体感が生まれ、演奏家がノってきているのがわかった。
 
とりわけ、4曲目にMaxi&Chizukoというペアのダンスが始まると
そのキレッキレのダンスと凛としたたたずまいの美しさに
会場中が前のめりになっている。
 
いかにもアルゼンチンの人だなと思う彫りの深い顔だちの男性にリードされつつ、
日本的な顔だちのChizukoさんが一歩もひけを取らずに
華麗なステップを踏み、りりしくもセクシーに踊るその姿は
同じ日本人として誇らしささえ感じた。
 
そのすらりとした鍛えられた体の筋肉が躍動し、
なのに全く暑苦しさがなく、
男女が異様に接近して踊っているのに、いやらしさもない。
2014年からふたりはコンビを組んで踊っているらしいが、とてもいい感じ。
 
他のメンバーはといえば、
アルゼンチンの人と国際結婚をしているというピアノのサッコ香織さんの演奏も
時にドラマティックでエネルギッシュでよかったし、
日本人離れした体型のヴァイオリニスト瀬尾鮎子さんの演奏も
そのふくよかな体型どおりダイナミックで情熱的だった。
 
バンドネオンの田辺義博さんは本当にそこら辺で見かけるようなメガネをかけた
真面目な日本人のおじさんという風情ながら、
バンドネオンを弾き出すと風貌とは違うアーティストの顔になる。
 
しかし、語りと歌担当の長浜奈津子さんはすでに何回かこの団体のコンサートで
見かけているのだが、見る度に好きじゃないなと思う人だ。
 
今回も6曲歌うのに4回も衣装を着替え、
ぶりっ子丸出しのシナをつくったベタベタした語りは聴くに堪えない。
今回初めて聴いたスペイン語の歌はかなりうまいのに、
その前につく語りがいけていないせいで台無しだ。
 
女を前面に出した衣装の趣味といい、
歳くってるくせに前髪を目の上まで垂らしているヘアスタイルといい、
何か勘違いしているとしかいいようがない。
誰か注意してほしい。
 
と、ちょっと書き出すと悪口が止まらなくなりそうな長浜奈津子は置いといて
とにかくとにかく
Chizukoさんはホントに格好良かった!!
 
ただ拍手するだけじゃ物足りなくて、
スペイン語圏の踊りなので、フラメンコのかけ声である「オレー!!」を
思わず何回か野太い声でかけてしまった。
 
一昨日観た『三人吉三』の勘九郎・七之助・松也もそうだが、
格好良く、エネルギッシュに舞台狭しと踊れたり動ける人を観ると
本当に羨ましいし、興奮する。
 
思いに体がついていかず断念したくせに、
フラメンコを習っていたあの遠い日がちらと脳裏をかすめ、
もっともっと若かったら何かのダンサーという職業も悪くないなと
考えたりした。

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