2022年2月14日月曜日

映画鑑賞「ドライブ・マイ・カー」

 




半年ぶりぐらいに映画館で映画を観た。

コロナ禍というのもあるし、
観たい映画がなかったというのもある。

今回はアカデミー賞の4部門に
ノミネートされている
「ドライブ・マイ・カー」である。

主演の西島秀俊と脇の岡田将生以外は
誰も知らない女優や俳優ばかり。
監督も藝大出なので自分の後輩だが
名前すら知らなかった。
濱口竜介というらしい。

予告編やCMも
赤い古い型のドイツ車に乗った
西島秀俊と目のぎょろっとした若い女が
車中でぼそぼそ話しているだけで
どんな映画か、皆目、見当もつかない。

しかし、原作は村上春樹だし、
脚本賞と監督賞にノミネートなのであれば、
内容的には興味をそそる。

幸い最寄り駅の映画館でも上映していたので、
いそいそと観に出かけた。
上映時間179分!

脚本家であり舞台俳優の家福悠介と
妻の音は仲睦まじい夫婦だが、
19年前に4歳のひとり娘を亡くすという経験をもつ。

傷心に塞ぎ込んだ音はやがて立ち直り、
なぜか夫婦のまぐわいの後に
オリジナルの物語を紡ぎ出すようになる。

映画はチェーホフの「ワーニャ叔父さん」を
劇中劇として使用し、
日本人や韓国人など多言語が錯綜するという演出で
独特な空気感の中、
国や言語を越えた人間の根源に迫る問いを
観る者に突き付ける。

生と死、
生きることと死ぬこと、
殺したも同然の行為と罪の意識。

しかし、美しい妻は
ある日突然、謎を残したまま、
言いかけた言葉に封をして死んでしまう。

その言葉を聴こうとしなかった夫は
苦しみ嘆き後悔するが、
そこからいかにしたら解放されるのか。

かなり重たいテーマで
1回では咀嚼しきれなかったが、
美しい映像と面白い脚本とで、
グイグイ引き込まれてしまった。

さて、アカデミー賞では
どんな結果がもたらされるのか。
今はとても楽しみにしているところだ。

何しろ最寄り駅の徒歩15分のところにある
映画館だ。
もう一度ぐらい観に行ってみようかな。

最近、カウンセリングの入る率が高く、
毎日のように他人の人生に寄り添っているので、
人の人生に寄り添うばかりでなく、
この重たいテーマを通して、
自分の人生を再考してみるのも悪くない。




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