2022年3月26日土曜日

利休忌前日の憂うつ

 













明日、お茶のお稽古では
「利休忌」という行事が行われる。

その名の通り、茶道の開祖である利休さんの
命日にご供養のお茶を捧げ、
更には普段できないお免状ものの
茶道の勉強会をやってみようという催しである。

2年前の利休忌を最後に
世界中がコロナ禍に見舞われ、
お稽古そのものが相当な月数お休みになり、
今でも感染予防に神経をとがらせ、
お稽古も粛々と行われている。

したがって、この2年間は
お社中のみんなが一堂に介することもなくなり、
初釜や炉開きなどの集まりは中止になり、
ようやく今年の初釜も
水曜組と土曜日組とに分かれて
何とか工夫して行うという有り様だった。

明日の利休忌はそうした2年間の状況から
言えば、
初めての全員参加のお稽古ということになる。

午前と午後とで盛りだくさんの内容が
組まれていて、
まずは利休さんにご供養のお茶とうを捧げ、
次に「廻り炭」
お昼を挟んで「廻り花」と「花月」

いずれも5名ほどがそれぞれ参加して、
ゲームのように順番にお点前を行いながら、
茶道の炭点前、
茶道のお花の生け方、
茶道の薄茶点前を学ぶ勉強会という趣向だ。

我がお社中の参加者は8名なので、
1度に全員が参加はできないので、
5名ずつ、
その経験や実力などを加味して、
先生がどのお稽古に誰をどこに配置するか決め、
告知があるので、
あらかじめ予習する時間が
与えられている。

今回、わたしは
「廻り炭」の亭主と
「花月」の1組目の3客が割り振られた。

何と言っても、
ヤバいのは「廻り炭」の亭主である。

「廻り炭」は亭主がお点前座に就くと
まず、炉にかかっている釜を畳に上げ、
炉の中の炭をとりあえず全部引き上げ、
炉の中をきれいにお掃除したら、
お炭を大量につぎ、お客様に
「お炭をおつぎください」と所望して、
順番にいろいろな炭のつぎ方をしながら
お炭点前を勉強するというものだ。

もちろんすべては作法に則って
行われるわけで…。

みんなが炭をついで2巡したら、
亭主の番にまた炭を全部引き上げ、
またまた炉を中をきれいにし、
灰を撒き、新たに炭をつぎ、
お香をたき、香合を拝見に出し、
釜を炉に戻すという流れなのだが、
この長い長い長~い流れを
すべて亭主が仕切らなければならないのだ。

先生から「あなたが「廻り炭」の亭主ね」と
いとも簡単に言われたのが10日ほど前、
前回のお稽古の日だった。

過去に1回
「廻り炭」を観たことがあるだけの私は、
事の重大さを全くわからず、
「はい、わかりました」などと安請け合い。

帰宅して「どれどれ」と昔、刊行された
分厚い教本をめくってみたら、
そのやることの多さと煩雑さに
めまいがした。

そもそも何を言っているのか、
どういう状態なのか、
まるでフランス語の小説でも読むかの如く
ちんぷんかんぷんだ。

とりあえず、自分のノートに
絵つきで順番を書き出してみたが、
ノートの枚数は5ページにもなり、
ダイジェストで書き出したものも
まったくダイジェストとは
呼べない代物になってしまった。

受験勉強並みに
毎日、眺めたり、イメージしたけど、
はてさて明日の首尾はいかに。

もうひとつの「花月」も
「花月百篇おぼろ月」という言葉があるほど
難解なゲームなので、
こちらは天から諦めて
全く素人という体で、
指示待ち世代の代表を決め込むことにした。

桜も開花し、
明日あたり見頃を迎えるかと、
着物は作家ものの紫の地に桜の柄、
帯は辻が花と勢い込んではみたものの、
受験に臨む学生のように
今夜は眠れそうにない。

つけ焼き刃の亭主に幸あれ!
幸運を祈る!!






















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