2015年10月5日月曜日

『さらば友よ』で友情を温める

 
最寄り駅の映画館で上映されている『午前十時の映画祭』に
今週は昔懐かしい『さらば友よ』がかかっている。
 
かかっているという表現自体が時代がかっていて、
まるで歌舞伎小屋で歌舞伎が上演されているような感じだが、
60~70代の人なら、映画もそう表現する人は少なくないだろう。
 
そんな60代に足を突っ込んだばかりの友人とふたり、
1968年に日本で上映されたとされる『さらば友よ』を観に行くことになった。
 
友人の方が私よりひとつお姉さんだからか、
当時、映画館に観に行った記憶があるという。
 
私は映画館まで観に行った記憶がないので、
主役のアラン・ドロンなりチャールズ・ブロンソンに興味がなかったのか、
映画の内容にそそられるものがなかったのかもしれない。
 
物語はアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンがダブル主役のサスペンス。
 
戦場帰りの軍医バラン(ドロン)は
証券を金庫に返して欲しいという女からの依頼を受ける。
そこに、金庫の金目当てにプロップ(ブロンソン)も現れ、
一緒になって金庫破りをするも、中から金は出てこず、
ふたりは依頼主の女に騙されていたことに気づく。
 
地下の金庫で持久戦の金庫破りをする内に
ふたりにはいつしか友情めいた感情が芽生える。
 
最後、バラバラに警察に捕まるが
お互いに決してふたりの犯行であることを明かさず、
有名なラストシーンへ。
 
アラン・ドロンがまだ20代とおぼしき、若さと美しさとかっこよさがピークの時で、
チャールズ・ブロンソンもマンダムのCMにでていた中年男の記憶をくつがえす
驚くべき足の長さで、鍛えた上半身がまぶしい30代と思われる。
 
友人とは映画鑑賞後に、主役ふたりのかっこよさと
当時の映画の作り方、当時の女性の型にはまった表現などについて、
同じ目線で鑑賞していたらしく、似た感想を述べあって大いに盛りあがった。
 
ランチは『福ろく寿』という懐石料理のお店で、
ちょこちょこといろいろな日本料理がいただける花御膳にしようと
即、意見の一致をみて、
おばさまばかりの店内で2時過ぎまでゆっくり食べ、存分におしゃべりした。
 
そこから、今度は河岸を変え、ケーキセットのいただける静かな喫茶店で
洋風あんみつと紅茶のセットをふたりとも注文して、
夕方まで長々とおしゃべりの続きを楽しんだ。
 
(ほぼ)同じ年であり、同じような結婚生活をし、
似たような家族構成だと、共通の認識で話が通じることが多い。
 
今、抱えている問題も似ているし、
片方が卒業した問題をもう片方が抱えていれば意見やアドバイスができるし、
共感できる点も多多ある。
 
その上、食の好みが徐々に変わってきていることやら、
健康面で気にしていることなども同じだから、
ますます同調率が上がる。
 
昔観た懐かしの名画をきっかけに、
同時代を生きてきたことの安心感に身をゆだねることが出来た半日だった。
 
きっと同い年だから誰でもそうなるというわけではないと思うが、
今日会った友人とは長いおつきあいでありながら、
あらためてその共通項に気づいたということだろう。
 
「じゃあ、またね」と別れながら、
そのことに気づき、
大切にしなければと思った。
 
友人も同じように思っていてくれると嬉しいのだが・・・。
 


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