2016年7月9日土曜日

タンゴの魅力じわじわと


昨年の10月から、鶴見大学の生涯学習セミナーの受講生として、
「アルゼンチンタンゴ 音楽とダンスの魅力」という講座を受けている。
 
昨日は4月からの春のターム10回が終わったところで、
講座の後に打ちあげの会が行われた。
 
講座は前半が鶴見大学文学部教授の相良英明氏による座学で、
後半が氏の奥さんであるダンス講師グルージャ鶴世さんによるダンスレッスンという、
不思議な構成。
 
内容は「異文化交流としてのタンゴ」とか、「タンゴのモダニズム」
「政治に翻弄されたタンゴ」「タンゴの多様性」と、
タンゴの歴史、成り立ち、特徴などを講義と映像などで紹介していく。
 
後半のダンスも毎回、テーマがあり、
「今日は相手の気を感じて、同調して動いてみましょう」とか、
「相手がリズムでとっているのかメロディで感じているのか察知してみましょう」とか、
「今日は新しいステップを覚えましょう」
「今日は最後のポーズをふたりで研究してポージングしてみましょう」など、
課題に沿って踊る。
 
タンゴはあくまで男性のリードを女性が受け取り、
リードされるままに動くことが基本なので、
フラメンコに慣れ親しんだ身としては、そこに戸惑いがあったが、
ようやく最近、上手なリードに身を任せることの楽しさに目覚めたというところだ。
 
なにしろ、まさか大学の生涯教育のセミナーで、
『見知らぬ人と組んで胸を合わせんばかりにしてダンスするなんて』と
拒否反応が強かったので、
その講座のスタイルになじむまでに時間がかかってしまった。
 
中にはとんでもないところに来てしまったと10回分の受講料を棒に振って、
1~2回で来なくなってしまう人もいる。
 
私もそんな風に悩んだひとりだが、お金がもったいないし、
偏見を捨てて何でもやってみようと思い直し、今日に至っている。
 
4月にアルゼンチンタンゴ用のシューズを特注したことで、
もう逃れられないと自分を追い込み、2クール目に突入したが、
ダンスの腕前としては、男性に体をあずけてリードを待つことを学んだことが
何といっても最大の成長だろう。

「何とでもして~。私、ついていくから~」てな感じだ。
(およそこれまでの人生であり得ない境地なことは間違いない)
 
何しろ、今までフラメンコでは
「私に声をかけるなんざ10年早いわ!」ぐらいの勢いで、
胸張って風切って踊りなさいといわれてきたのだから、
『待ち』に徹して、自分からは決して動くなという指示に慣れるのには
少なからずの抵抗と、時間がかかったのだ。
 
最近はメンバーの中でリードのうまい男性が誰かがわかるようになってきて、
その方達と組めるときは楽しく踊れるし、
昨年10月からの同期の男性は「ハイ、誰か女性を誘って」という声がかかる度、
まず最初に誘いに来てくれるのはやっぱり嬉しい。
 
まるで5歳児の保育園のお迎えみたいに
両手を拡げ、ニコニコしながら近づいてくる様子は、
周りの女性達の目もあって恥ずかしいのだが・・・。

さて、夕べの10回目の講座の後、
打ちあげの会では男女8名ずつ16名が地元のパブに移動し、
ダンスの話はもちろん、もう少しプライベートな話にまで踏み込んでおしゃべりし、
親交を深めた。
 
最初、「なんでこの人と組まなきゃなんないのよ」と思った人も、
次第にいい人かもと思えたりして、慣れとは恐ろしいものである。
 
これで、講座としては10月まで間が開くことになるが、
その間に自主トレの会や那須のタンゴ合宿なるものもある。
 
紫陽花展に来てくれたおじさまやおばさま達もいることだし、
自分も参加して世間を広く渡っていこうと思う。
 
アルゼンチンタンゴのダンサーとしては
どこまでの伸びしろがあるのか分からないが、
やっていなければ決して会えなかった人達との交流には大いなる意味を感じている。
 


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