2022年10月15日土曜日

蓋ものシリーズの本焼き

 














今日は朝9時過ぎから5時まで
陶芸工房で本焼きのための準備に明け暮れた。

釉薬をかける機会が以前の2か月に1度から
3か月に1度になって以来、
その分、溜まる作品数が増えるので、
1回にこなす作業が増えることになった。

ここ数カ月取り組んでいるのは
「アフタヌーンティセット」の器なので、
ティーポットや急須、ボンボニエールなど、
蓋の付くいわゆる蓋ものといわれる器が
多くなってしまった。

そもそも蓋ものに取り組むきっかけは
昨年、工房の会員向けの課題として
「箱」というお題が出たことに始まる。

土で木や紙で作るような四角い箱を
作りたくなかった私は、
楕円形とハート形の蓋の付いた小物入れを
制作した。

陶器で蓋が付くものは
実は作るうえで難易度が高くなる。

陶器は素焼きと本焼きという
2度の焼きの工程が入るが、
その度に土の性格上、少しずつ小さくなる。

その時の縮む割合は
器の厚さや大きさによって異なるので、
身と蓋は一緒に合わせた状態で焼くと
身と蓋同時に縮むことになり、
反りや歪みを起こさずに済む。

しかし、その分、まだ柔らかい土の状態で
蓋が本体にのっていなければならないし、
素焼き後は、本焼きのための釉薬が
電気炉の中で溶け出して身と蓋が
くっつかないように丁寧に処理が必要である。

今日、釉薬をかけなければならない器は
蓋ものだけでも
ティーポット、急須、ボンボニエール
シュガーポットと4つもある。

その他に「ひいらぎシリーズ」といって
ひいらぎの型を使って装飾した器として、
壁掛けリース、中皿、中鉢があり、
それらをどんな表情に釉薬をかけるのか、
課題は山積だ。

こういう時間がかかりそうな時は
通常の13時半から17時の午後のクラスに加え、
9時から12時半の午前組のエントリーもして、
じっくり取り組むことにしている。

さすがに9時に到着とはいかなかったが、
9時15分に工房に入ると、
午前中の会員3名は作業していた。

さらに奥には体験を申し込んだ親子3人連れが
先生の説明を聴いているところだった。

いつもの作業台というわけにはいかないので
会員に「どこで作業してもいい?」と訊くと
偶然、いつもの作業台を使わせてもらえたので、
気持ちよく作業を開始することができた。

午前中は器をスポンジに水をつけ洗うところから
始まり、器の底や身と蓋のくっつくところに
撥水剤を塗る作業。

思いのほか早く終わったので、
午前の会員さんが使うつもりの釉薬で
自分も使いたかった「失透」という白い釉薬の
攪拌を手伝うことにした。

同じ釉薬が重なった時は分担して
攪拌という重労働を手分けして行う
暗黙の了解があるからだ。

そんな風に午前中に1色だけ釉薬をかけ終わり、
30分ほどランチに抜け、
チャチャッとお寿司をつまんで工房に戻った。

お次は午後のメンバーがやってきて、
いつもの和やかな雰囲気の中、
続きの作業が始まった。

私は友人と重なっている「織部」という
緑色の釉薬の攪拌を担当した。
他にもう1色紺色に発色する釉薬を解き、
いよいよ釉がけの開始だ。

今回は器まるごとザブンとかけるパートと、
筆を使って部分的に塗る部分があるので、
特に筆の部分は慎重を要する。

途中で目がしょぼしょぼし焦点が合わず、
細かい部分が見えていないのに作業をするという
厄介な状態に陥ったが、
何とか時間内に後片付けまで終了した。

これで帰宅後に夕飯を作るという
作業がなければまだましだが、
もれなくご飯作りが待っている。

鶏むね肉の香味ソースがけ
大根おろしのしらすのせ
厚揚げの焼き物
れんこんとかぼちゃの甘辛煮
ひじきの煮物を作って、
所要時間1時間15分。

ちょっと頑張りすぎたせいか、
ビールが効いて
7時半には猛烈に眠くなり、一時就寝。
9時半に目覚めてお風呂に入り、
今こうしてブログを書いている。

明日が暇な日曜日だからこその
この不規則な生活。

私の願いは今日の器の身と蓋がくっついて
身も蓋もないなんてことにならないことを
祈るばかり。

工房で会員の友人が
「そのポット、アラジンの魔法のランプみたいね」
というから、
胴をこするマネをして
そう願いをこめた。


























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