初めて身障者手帳を使って
展覧会に行ってみることにした。
手帳を交付された時、
いろいろな特典があるという説明を受けた。
その中で1番助かるのは
タクシー券(500円分)を年間84枚もらえるのと、
タクシーが毎回、1割引きになること。
交通機関でいうと
地下鉄が半額、バスも半額になる。
こちらも今までに何回かお試し済み。
いかし、JRと京急は何の特典もない。
美術館関連の特典はものによるので
その展覧会の情報を調べてみると
「身障者割引もしくは無料」とある展覧会がある。
シルバーウィークの時に
所属している団体展「日本版画協会展」の
総会と審査があって
都美術館の地下の審査室に行った時、
同じ都美館で
長蛇の列をなして人が並んでいる
展覧会があった。
それが
「百花繚乱~海を越えた江戸絵画~
大英博物館の日本美術コレクション」
という展覧会だった。
会期が7月25日から10月18日までで
あと数日で会期が終了するのだが、
シルバーウィークの時も
そのずっと前も人気ぶりはすさまじく
夏休みの間中も人であふれていたらしい。
私は夏休みの2か月はそれどころではなく
9月には個展もあったので
9月半ばをすぎて
ようやく世の中のことに目を向けられる
状態になった。
調べてみると「百花繚乱展」は
身障者手帳がある人は「無料」とあるので、
これは試してみる価値ありと踏んで
「版画協会展」の会期とかぶる
10月15日(木)に出かけることにした。
朝早くの方が少しは空いているとのことで
10時前には美術館には着くと
9時半スタートの入場のはずだが
すでに入場40分待ちだった。
その人垣を一気にすっとばし入場口にいくと
他にも身障者手帳を持っている人が
5~6名いて
私が着いたタイミングで
一斉に入場させてくれた。
何だか申し訳ないがラッキー!!
中の混雑もじわじわと増して
目玉の大英博物館にある「秋冬の襖」と
日本の青森県の旧家宮越家にある
「春夏の襖」のコーナーは
そこだけ写真撮影可なこともあって
押すな押すなの大混雑。
とにかく初めてこの2部屋の襖が
同じ空間に並んで展示されているのだ。
イギリスと日本、
生き別れたふたつの作品が…。
これを見ずしてどうするとばかり
人は押しくらまんじゅうだ。
それでも私はしぶとく粘って最前列までいくと
やはりその盛り上がった絵肌や
綿密に描かれた四季の花と鶏の様子は
時を越えて訴えてくるものがあった。
他の出品作は主に版画で
そこは一切、撮影できなかったが、
大英博物館のコレクションがいかに膨大で
いかに英国人の目に
広重や歌麿や写楽・北斎などが
唯一無二の芸術として映っていったかが
よく分かる。
私たちが教科書で学んだ有名どころの版画は
みんな所蔵されているのではと思うほど
今回、里帰りしているラインナップだけでも
なかなか観ることのできない豪華さだった。
とりわけ
大河ドラマで「蔦重」や「江戸の版画」が
身近になったせいもあり、
周囲の人が一緒に来ている人と
にわか知識を披露しながら
木版画を愉しんでいるのが面白かった。
私はひとり、彫り師の技量や
絵師がどの程度指示を出していたのか
摺り師のスキルの高さに舌を巻きながら、
到底、現代木版画というか
私には出来ない技術だなと感心しきり。
押し合いへし合いしながらも
間近で覗き込むと
黒一色に見えた着物にも地紋が彫ってあり、
夏物の着物の透け感など
いかにしてそんな風に表現できるのか
呆れるほど高度なテクニックだと思った。
また、大胆不敵な構図のものにも
驚かされ、
単なる風景画でも人物画でもなく
秀逸なデザインはとても斬新で
何か自分の作品にも盗めないかと思った。
こうして2時間半あまりかけて
「百花繚乱展」を見終えて出口に出てみると
列は「60分待ち」になっていた。
更に当日券を求めて並ぶ列は
只今「15分待ち」だった。
こうして約1時間待って中に入っても
さっきの混雑が待っているのかと思うと
お気の毒としか言えないが、
辛抱強い日本人は
かなりのご高齢にも関わらず耐えていた。
「百花繚乱展」の後は
同じフロアーで開催中の「版画展」に
会員の会員証を見せスルッと入場。
審査の時の「版画協会賞」や
各種「新人賞」「奨励賞」などを獲った
作品を横目で見ながら
展示室10に飾ってある自分の作品を確かめた。
両脇にモノクロームの作品がきているので
カラフルな私の作品はとてもいい感じに見えた。
ついさっきの展示で学んだように、
江戸時代の木版画は黒一色で始まったけど、
やがてとても流行って色鮮やかな時代を迎え
「錦絵」と呼ばれるようになった。
全盛期の木版画はイギリス人にも
素晴らしい芸術として迎い入れられ
大英博物館のコレクションは他に類を見ない。
自分の木版画も
時流がモノクロームであっても
まぎれもなく「錦絵」なんだとの
意を強くした。
2つの展覧会を廻って
歩きすぎで口もきけないほどだったけど
お腹だけは減ったので
駅舎の2階にある台湾発のご飯屋さんで
ランチして
電車が込まないうちに帰宅の途に就いた。
今日は今までで一番
身障者手帳を有効に使えたと思う。
来週は上野の東博で
「大徳寺展」に無料入場してみようかな。























































