今日はカウンセラーとして
嬉しいことがあった。
長いこと通ってきていたクライエントさんが
ふたり、今日をもって
カウンセリングを卒業したのだ。
心理カウンセリングに関しては
カウンセラーには守秘義務があり
誰のことか特定できる形では書けないので、
ほとんどブログには登場しない。
基本、
カウンセリングは何か悩み事がある人が
その問題を解決したかったり、
自分の生き方そのものを変えたくて
カウンセリングルームの門をたたく。
私が主催するカウンセリングルームは
単に傾聴して共感するという方式の
カウンセリングではなく
認知行動療法とスキーマ療法を主軸に、
その方の考え方や感じ方のクセにアプローチし
少し考え方や感じ方を変えることで
少し気持ちが楽になったり、
相手の対応が違ってくるのを目的としている。
そうしたカウンセリングの中で
問題がもっと深いところにある、
つまり、成育歴の段階から書き換えなければという
深いセッションを行うのがスキーマ療法だ。
今日のクライエントさんは男性Sさん。
ちょうど2年前の1月から通い始めた。
丸2年かかったのはスキーマ療法を行ったから。
ここに来る前は元勤めていた会社で
人間関係をこじらせ、
約3年間も引きこもり生活を送っていた。
奥さんもお子さんもいる状態で
先に奥さんがカウンセリングにやってきて
状態が上向いたところで
選手交代で夫のSさんが通うことになった。
引きこもり生活でうつ状態だったので
障害者手帳の3級も取得しており、
障害者雇用枠での就職を希望していた。
IT系に強く、それを武器に支援センターに通って
そこからいくつもの会社にエントリーし
就活をしてきた。
私は心理カウンセラーの他に
横浜にあるパティシエを育てる専門学校の
就職対策講座の非常勤講師を
20年くらいしている。
彼の場合はそちらの経験から
アドバイスをすることが出来たので
心理カウンセラーというより
ここ半年は就職対策の講師役だった。
今年の暑い暑い夏、
熱中症になりながら頑張ったのに
第一希望の会社の内定がとれず
すっかり気落ちするSさん。
落ちた面接にも必ず学びはあると励まし、
それを次の面接の戦略に活かそうと
叱咤激励した結果、
秋口にはいって潮目が変わり、
いきなり3社が入れ食い状態に。
結局、総合的に判断して
とある伝統と格式のある保険会社に内定。
11月初めから有楽町の本社ビルに通うことに。
当初はカウンセリングは
就職が決まるまでということだったけど、
1ヵ月実際に働いてみてどうかの報告をしてから
カウンセリングを最後にすることになった。
今日はその報告会。
カウンセリングルームに入ってきたSさんの
顔の表情を見ただけで
上手くいっているなと直感した。
なので、1時間、その環境や仕事内容、
人間関係の話を聴かせてもらって、
無事に2年間のカウンセリングは終わった。
深々とお辞儀をして
「先生のお陰です」との言葉をいただき、
「また、何かあったらいつでも来てね」と
笑って送り出した。
これがSさんのカウンセリング卒業式である。
そして、夕方、
別のクライエントMさんからメールが届いた。
「ご報告」というタイトル。
彼女は今年の始め、
最初のカウンセリングの時、
1時間ほとんど泣きながら、
上手くいっていると思っていた彼氏が
急に冷たくなった上に
どうやら別の女性とつきあっているという。
妙齢のMさんにとって
結婚は目下の最大の問題で
この年齢でまたひとりになることは耐えられない。
そうこうしている内に
相手の男性はできちゃった結婚で
その別の年上の女性と結婚。
ハメられたのでは泣いている。
揺れる女心と収まりのつかない嫉妬心。
こうなるとカウンセリングは結婚相談所だ。
そこに登場するまた別の男性とのおつきあいに
話は移っていったので、
その後はまるで娘のような年齢のMさんんとの
セッションは新しい彼とどうするかに終始し、
完全に仲人業務になっていく。
秋、その彼とうまくいきそうなタイミングで
Mさんはカウンセリングを卒業したが、
今日のメールは
「入籍しました!」という報告メールだった。
結婚相談所としては
「一組成立!」ということで、
いろいろあったけどうまくまとまってくれたので
一安心だ。
こんな風に同じ日に
「めでたしめでたし」になることは珍しいが
ちょうど2年前と1年前の1月初めに始まった
カウンセリングが
年の終わりに向け、
収まるところに収まったことになる。
師走というのは何となく人をそういう気分にし
決着をつけたり、結論を出したり、
区切りをつける時期なんだと思う。
2人とも、泣いたり、引きこもったり、
腐ったり、暴飲暴食してたけど
真っすぐ前を見て
新しい年を迎えてほしい!!
やれやれ、ひとまず、
2025年の結婚相談所も
就職支援所も閉店ガラガラできそうである。



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