今日は丸1年ぶりに友人Kさんと
銀座で「デート」した。
「デート」という言葉を使いたいと思うくらい
彼女とは会いたくても会えない事情があった。
Kさんとは
コロナ禍に世界が見舞われる前の10年間、
ほとんど毎年のように海外旅行に
出かけていた。
「今年はどこにする?」というミーティングに
始まり、
どちらかが提案する行き先に対し
「10日間・ビップバス・自由行動有り」を
キーワードに
1番良さそうな旅程のコースを選び、
主にヨーロッパを中心に
いろいろな国に旅した。
しかし、2020年の春、コロナが始まり
モロッコ旅行をキャンセルして以来、
旅友関係は解消せざるを得ない状況になった。
更に3年前、Kさんの旦那様が病に倒れ
そこからはKさんの介護の日々が始まった。
出歩くことがままならなくなったKさんとは
ちょうど1年前、やはり銀座で会って
ランチしてお茶して
たくさんおしゃべりしたが、
その後も介護の日々は続き
早くも1年の月日が流れた。
先日、恐る恐るLINEで今の状況を伺うと
彼女も同じ気持ちでいてくれたので
今年もまた銀座で会うことになった。
「また、彼女に会える!」
その想いはまるで恋人に会うかのようで
お互い、エステに行ったり美容室に行って
1年間で老け込んだと思われないよう
何を着ていこうかあれこれ考えた。
そんな感覚がとてもよく似ている私達なので
10日間も旅行していても
1度も気まずくなったり喧嘩したことはない。
かといって遠慮しているとか
リードしているとかでもなく
ちょっと年上な分、
少し私の方がお姉さん風をふかせ
バスの窓際とお風呂は、初日は先になる。
でも2日目からは順番で交代になるので
何の問題もないのだ。
今日は11時半に和光の前で待ち合わせ、
クリスマスの飾りつけになったウィンドウの
前に彼女の姿を見つけると、
2人とも思わず駆け寄ってハグした。
ここのところ以前のようにママ友ランチで
豪華なレストランにいく習慣もなくなって
思い当たるレストランがないので
昨年と同じ場所へ。
夜になるとダーツバーになる
ちょっとマニアックで大人なムードの店で
まずはランチ。
それぞれこの1年のビッグトピックスを
話のネタに用意していた。
彼女は不死鳥のような生命力の旦那様の話、
私は硬膜下血腫で脳外の手術をした話を
ランチの鶏肉を口に運ぶのももどかしく
一気にしゃべり続けた。
Kさんは1年前の不穏な空気に比べ
どこか吹っ切れたように明るさを取り戻し
時折、私の話に大きな声をたてて笑った。
「今日は萩さんの話が聞きたくて」と
この日を待ちわびていたと話すKさん。
私も恐る恐る声をかけたお陰で
また会えてよかったと思った。
ランチの後は、昨年トライして
お休みの日で諦めた
資生堂パーラーのカフェへ。
ここで贅沢パフェを注文して昨年の仇を討つ。
Kさんは
「九州産”恋みのり”のストロベリーパフェ」
私は
「レアチーズのホワイトクリスマスパフェ」
それぞれパフェだけで3,000円もするのに
珈琲までつけて
銀座マダムのカフェタイムだ。
そんな感覚や好みも同じ。
10年間の旅行のあそこがよかった、
ここもよかった。
あそこにもう1度行きたい、
本当にいい時に行ったよねと、
思い出話は
長いスプーンでパフェをほじくりながらも
留まることがない。
一瞬、
こんな高価なパフェをいただいているんだから
もっと味わったり
中身の感想を言うべきとも思うけど、
それより何より思い出話に花が咲く。
今すぐには無理でも
いろいろ段取りして小旅行なら行けるという
Kさんの話に希望を見出し
西に陽が傾いた銀座の大通りで
またハグしてお別れした。
だいぶおばさんになったと自覚はあるけど
嬉しい気持ちはハグしなきゃと思う
そんな感覚も同じ大切な友人である。








0 件のコメント:
コメントを投稿