2020年6月3日水曜日

お茶のお稽古 再開





今日からお茶のお稽古が再開した。

最後にお稽古に伺ったのは3月20日の「利休忌」だったので、
2か月半ぶりということになる。

利休忌ではお茶のお社中の全員が集い、
茶道の創始者である利休さんを偲びながら、
午前午後といつもは出来ない他のお稽古もするという
濃い1日を過ごした。

そんな行事が通っているお茶のお稽古場では
年に3~4回行われる。

3月20日も
ドレスコードきもので集まったお社中のメンバーと
1日中、お茶三昧の時間を共にしたのだが、
それがいきなり、ふっつり途絶え、
今でははるか昔の出来事のような気がする。

緊急事態宣言が解除され、
お稽古を始めますと伝言が来たときは、
ようやくこの日がきたと小躍りしたものだ。

お茶のお稽古が好きというのはもちろん、
お茶のお社中のメンバーや先生と過ごす時間が好き、
きものを着て出掛けられるのが好き、
非日常に身を置くことが好きなど、
行けない時間に、
私にとってお茶のお稽古は好きのてんこ盛りだと
再認識した。

6月からはきものの世界は単衣の夏仕様になる。
数日前から、天気予報を気にしつつ、
どの単衣にするか、
帯や小物はどれを合わせるか決めた。

そんな時間も久しくなかったので、
きもの女子としては楽しい時間だ。

マスクをつけなければならないのは、ちと残念だけど、
それでも久しぶりにきものに袖を通す喜びは格別だ。

コロナ太りで自分の着物姿に愕然としつつ、
また、自分の人生にきものを身にまとう生活が戻り、
背筋が伸びる。

再開した先生も水曜日のメンバーも、
一様にこの時を待ちかねたとばかり、
マスクの中で笑顔がはじけた。

釣瓶という塗り物の水差し、
花はヤマボウシ、
「よくぞご無事で、よかったよかった」という意味のお軸。
青梅をかたどった半生菓子。

どれも季節や今の心情を表していて、
再開を喜び合った。

お濃茶は回し飲みはせず、
ひとり分だけ点てて、
お客様役はひとりにするとか、
コロナ時代のお茶のお稽古を模索しつつ、
それでも久しぶりのお抹茶が体に染みわたった。

濃茶のお点前が回ってくると、お道具の拝見の時、
お茶杓の銘をそれぞれ自分で考えてつけるのだが、
私の番が来たとき、
「覚々斎の写しで『待ちわびて』でございます」
と命名したところ、
お茶室に「わぁ!」「さすが」と歓声が上がった。

誰しもがお茶のお稽古再開を待ちわびていたと分かり、
狙いが当たったと思うと同時に、
改めてここに通っていることの幸せをかみしめた。

6月に入って、
世の中がそろそろと日常を取り戻すにつれ、
誰しもが
かつての日常の中に喜びが隠れていたと感じたに違いない。

今日はお茶のお稽古が再開され、
私もそんな再発見・再認識した1日であった。



0 件のコメント:

コメントを投稿